TypeScriptでクラス定数を定義する:4つの方法とそれぞれのメリット・デメリット

2024-04-02

TypeScriptにおけるクラス定数の実装方法

const キーワード

コード例

class MyClass {
  static readonly PI = 3.14;
  static readonly MAX_SIZE = 100;
}

利点

  • シンプルで分かりやすい
  • 他のクラスメンバーと同様にアクセスできる

欠点

  • 型推論が働かない
  • 値の変更ができない

enum

enum Color {
  Red,
  Green,
  Blue
}

class MyClass {
  static readonly PRIMARY_COLOR = Color.Red;
  static readonly SECONDARY_COLOR = Color.Green;
}
  • 型安全性が高い
  • 値のリストを簡単に定義できる
  • 数値リテラル以外の値を定義できない

ネームスペース

namespace MyConstants {
  export const PI = 3.14;
  export const MAX_SIZE = 100;
}

class MyClass {
  static readonly PRIMARY_COLOR = MyConstants.PI;
  static readonly SECONDARY_COLOR = MyConstants.MAX_SIZE;
}
  • 関連する定数をまとめて定義できる
  • 名前空間スコープによって衝突を回避できる
  • 少し冗長なコードになる

クラスプロパティ

class MyClass {
  private static readonly _pi = 3.14;
  private static readonly _maxSize = 100;

  static get PI(): number {
    return this._pi;
  }

  static get MAX_SIZE(): number {
    return this._maxSize;
  }
}
  • プライベートな定数を定義できる
  • ゲッター/セッターを使って値の制御ができる
  • コード量が少し増える

どの方法を選ぶべきかは、状況によって異なります。以下のような点を考慮しましょう。

  • 定数の型
  • 定数の変更可能性
  • コードの簡潔性
  • 読みやすさ

例えば、単純な数値リテラルを定義する場合は、const キーワードを使うのが最も簡単です。一方、複雑な値や型安全性が必要な場合は、enum やクラスプロパティを使うのが良いでしょう。

TypeScriptでクラス定数を定義するには、いくつかの方法があります。それぞれの方法の利点と欠点を理解して、状況に合わせて適切な方法を選びましょう。




// 1. const キーワード

class MyClass1 {
  static readonly PI = 3.14;
  static readonly MAX_SIZE = 100;

  constructor() {
    console.log(`PI: ${MyClass1.PI}`);
    console.log(`MAX_SIZE: ${MyClass1.MAX_SIZE}`);
  }
}

const myClass1 = new MyClass1();

// 2. enum

enum Color {
  Red,
  Green,
  Blue
}

class MyClass2 {
  static readonly PRIMARY_COLOR = Color.Red;
  static readonly SECONDARY_COLOR = Color.Green;

  constructor() {
    console.log(`PRIMARY_COLOR: ${MyClass2.PRIMARY_COLOR}`);
    console.log(`SECONDARY_COLOR: ${MyClass2.SECONDARY_COLOR}`);
  }
}

const myClass2 = new MyClass2();

// 3. ネームスペース

namespace MyConstants {
  export const PI = 3.14;
  export const MAX_SIZE = 100;
}

class MyClass3 {
  static readonly PRIMARY_COLOR = MyConstants.PI;
  static readonly SECONDARY_COLOR = MyConstants.MAX_SIZE;

  constructor() {
    console.log(`PRIMARY_COLOR: ${MyClass3.PRIMARY_COLOR}`);
    console.log(`SECONDARY_COLOR: ${MyClass3.SECONDARY_COLOR}`);
  }
}

const myClass3 = new MyClass3();

// 4. クラスプロパティ

class MyClass4 {
  private static readonly _pi = 3.14;
  private static readonly _maxSize = 100;

  static get PI(): number {
    return this._pi;
  }

  static get MAX_SIZE(): number {
    return this._maxSize;
  }

  constructor() {
    console.log(`PI: ${MyClass4.PI}`);
    console.log(`MAX_SIZE: ${MyClass4.MAX_SIZE}`);
  }
}

const myClass4 = new MyClass4();

このコードを実行すると、以下のような出力になります。

PI: 3.14
MAX_SIZE: 100
PRIMARY_COLOR: 0
SECONDARY_COLOR: 1
PRIMARY_COLOR: 3.14
SECONDARY_COLOR: 100
PI: 3.14
MAX_SIZE: 100



readonly 修飾子

class MyClass {
  readonly PI = 3.14;
  readonly MAX_SIZE = 100;

  constructor() {
    console.log(`PI: ${this.PI}`);
    console.log(`MAX_SIZE: ${this.MAX_SIZE}`);
  }
}

const myClass = new MyClass();
  • オブジェクト生成後に値を変更できない
  • コードが簡潔になる
  • 静的メンバーには使用できない

private フィールドとゲッター

class MyClass {
  private _pi = 3.14;
  private _maxSize = 100;

  get PI(): number {
    return this._pi;
  }

  get MAX_SIZE(): number {
    return this._maxSize;
  }

  constructor() {
    console.log(`PI: ${this.PI}`);
    console.log(`MAX_SIZE: ${this.MAX_SIZE}`);
  }
}

const myClass = new MyClass();

デコレータ

function readonly(target: any, propertyKey: string) {
  Object.defineProperty(target, propertyKey, {
    writable: false,
    configurable: false,
  });
}

class MyClass {
  @readonly
  PI = 3.14;

  @readonly
  MAX_SIZE = 100;

  constructor() {
    console.log(`PI: ${this.PI}`);
    console.log(`MAX_SIZE: ${this.MAX_SIZE}`);
  }
}

const myClass = new MyClass();
  • コードをより簡潔に記述できる
  • メタデータを利用した高度な機能を実現できる
  • デコレータの仕組みを理解する必要がある
  • 古いブラウザではサポートされていない

typescript class-constants


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