innerHTML vs dangerouslySetInnerHTML: 徹底比較

2024-04-02

React.jsにおけるinnerHTMLとdangerouslySetInnerHTMLの比較

innerHTMLは、ブラウザのDOM APIで提供されるプロパティで、要素の内部HTMLを直接設定します。React.jsでは、直接innerHTMLを使用することは推奨されていません。理由は以下の通りです。

  • パフォーマンスの問題: innerHTMLは、React.jsの仮想DOMをバイパスするため、パフォーマンスの問題を引き起こす可能性があります。
  • セキュリティリスク: innerHTMLは、悪意のあるコードを注入され、XSS攻撃を受けるリスクがあります。

dangerouslySetInnerHTMLは、React.jsが提供するプロパティで、innerHTMLと同様の機能を持ちますが、いくつかの重要な違いがあります。

  • パフォーマンスの改善: dangerouslySetInnerHTMLは、React.jsにHTMLの内容を認識させ、仮想DOMとの比較をスキップさせることで、パフォーマンスを向上させることができます。
  • セキュリティ対策: dangerouslySetInnerHTMLは、innerHTMLと異なり、XSS攻撃に対する防御機能が備わっています。

ただし、dangerouslySetInnerHTMLを使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • XSS攻撃のリスク: dangerouslySetInnerHTMLは、安全でないHTMLを注入されると、XSS攻撃を受けるリスクがあります。
  • React.jsの機能制限: dangerouslySetInnerHTMLで設定された要素は、React.jsのライフサイクルイベントや状態管理の恩恵を受けられない場合があります。

innerHTMLdangerouslySetInnerHTMLのどちらを使用するべきかは、状況によって異なります。

  • パフォーマンスが重要で、安全なHTMLを注入する場合は、dangerouslySetInnerHTMLを使用するのがおすすめです。
  • セキュリティが重要な場合は、innerHTMLの使用は避け、他の代替手段を検討する必要があります。

代替手段

dangerouslySetInnerHTMLの代わりに、以下の代替手段を使用することができます。

  • React.jsコンポーネント: HTMLをレンダリングするために、React.jsコンポーネントを作成することができます。
  • ライブラリ: react-html-parserなどのライブラリを使用して、HTMLを安全に解析し、React.jsコンポーネントに変換することができます。

innerHTMLdangerouslySetInnerHTMLは、それぞれ異なる動作とリスクを持つため、状況に合わせて使い分けることが重要です。安全性を第一に考え、必要に応じて代替手段を検討しましょう。




import React, { useState } from 'react';

const App = () => {
  const [html, setHtml] = useState('');

  const handleInputChange = (event) => {
    setHtml(event.target.value);
  };

  return (
    <div>
      <input type="text" value={html} onChange={handleInputChange} />
      <div dangerouslySetInnerHTML={{ __html: html }} />
    </div>
  );
};

export default App;

このコードは、input要素に入力されたHTMLコードを、dangerouslySetInnerHTMLを使用してdiv要素にレンダリングします。

注意: このコードは、安全でないHTMLコードが入力された場合、XSS攻撃を受けるリスクがあります。実際に使用する場合は、入力されたHTMLコードをサニタイズするなど、セキュリティ対策を講じる必要があります。

代替手段

以下のサンプルコードは、react-html-parserを使用して、HTMLコードをReact.jsコンポーネントに変換する例です。

import React, { useState } from 'react';
import { parse } from 'react-html-parser';

const App = () => {
  const [html, setHtml] = useState('');

  const handleInputChange = (event) => {
    setHtml(event.target.value);
  };

  return (
    <div>
      <input type="text" value={html} onChange={handleInputChange} />
      {parse(html)}
    </div>
  );
};

export default App;

このコードは、input要素に入力されたHTMLコードを、react-html-parserを使用してReact.jsコンポーネントに変換し、div要素にレンダリングします。

この方法を使用することで、dangerouslySetInnerHTMLを使用するよりも安全にHTMLコードをレンダリングすることができます。




React.jsでHTMLを安全にレンダリングするその他の方法

カスタムコンポーネント

HTML要素ごとに個別のカスタムコンポーネントを作成することで、安全かつ柔軟にHTMLをレンダリングすることができます。

例:

const Button = ({ children }) => {
  return (
    <button type="button">
      {children}
    </button>
  );
};

const App = () => {
  return (
    <div>
      <Button>
        <strong>太字のボタン</strong>
      </Button>
    </div>
  );
};

このコードは、Buttonというカスタムコンポーネントを作成し、<strong>タグを含むHTMLを安全にレンダリングしています。

DOMPurifyは、悪意のあるコードを除去しながらHTMLをサニタイズするライブラリです。

import DOMPurify from 'dompurify';

const App = () => {
  const html = '<script>alert("XSS攻撃")</script>';
  const safeHtml = DOMPurify.sanitize(html);

  return (
    <div dangerouslySetInnerHTML={{ __html: safeHtml }} />
  );
};

このコードは、DOMPurifyを使用してscriptタグのような悪意のあるコードを除去し、安全なHTMLをdangerouslySetInnerHTMLでレンダリングしています。

rehypeは、HTMLをAST (Abstract Syntax Tree) に変換し、様々なプラグインを使用して処理するライブラリです。

import rehype from 'rehype';
import rehypeHighlight from 'rehype-highlight';

const App = () => {
  const html = `
  <pre>
    const code = \`function hello() {
      console.log("Hello, world!");
    }\`;
  </pre>
  `;

  const processedHtml = rehype()
    .use(rehypeHighlight)
    .processSync(html);

  return (
    <div dangerouslySetInnerHTML={{ __html: processedHtml }} />
  );
};

このコードは、rehyperehype-highlightプラグインを使用して、コードブロックをハイライトする処理を行い、安全なHTMLをdangerouslySetInnerHTMLでレンダリングしています。

マークダウン

React.jsでマークダウンをレンダリングするには、markedのようなライブラリを使用することができます。

import React, { useState } from 'react';
import marked from 'marked';

const App = () => {
  const [markdown, setMarkdown] = useState('');

  const handleInputChange = (event) => {
    setMarkdown(event.target.value);
  };

  return (
    <div>
      <textarea value={markdown} onChange={handleInputChange} />
      <div dangerouslySetInnerHTML={{ __html: marked(markdown) }} />
    </div>
  );
};

このコードは、markedを使用してマークダウンをHTMLに変換し、dangerouslySetInnerHTMLでレンダリングしています。

React.jsでHTMLを安全にレンダリングするには、様々な方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、状況に合わせて適切な方法を選択することが重要です。

安全性を第一に考え、必要に応じてサニタイズ処理やカスタムコンポーネントなどの対策を講じるようにしましょう。


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