Angular2 コンポーネント間関数呼び出し
Angular2でコンポーネントの関数を呼び出す方法
Angular2では、コンポーネント間で関数を呼び出す方法がいくつかあります。以下に主な方法を説明します。
@Input()デコレータを使用する
- 子コンポーネントで入力プロパティを使用して、親コンポーネントから受け取った値に基づいて関数を呼び出します。
- 親コンポーネントで子コンポーネントの入力プロパティを設定します。
- 親コンポーネントから子コンポーネントに値を渡す
例
// parent.component.ts
<child-component [childProperty]="parentValue"></child-component>
// child.component.ts
@Input() childProperty: any;
childFunction() {
console.log(this.childProperty);
}
- 親コンポーネントで出力プロパティを購読し、イベントが発生したときに適切な関数を呼び出します。
- 子コンポーネントでイベントが発生したときに、出力プロパティにイベントデータをエミットします。
- 子コンポーネントで出力プロパティを定義します。
- 子コンポーネントから親コンポーネントにイベントを発行する
// child.component.ts
@Output() childEvent = new EventEmitter<any>();
emitEvent() {
this.childEvent.emit(data);
}
// parent.component.ts
<child-component (childEvent)="parentEventHandler($event)"></child-component>
parentEventHandler(eventData) {
console.log(eventData);
}
共有サービスを使用する
- コンポーネントで共有サービスをインジェクションし、サービスのメソッドを使用してデータにアクセスしたり、関数を呼び出したりします。
- 共有サービスを作成し、コンポーネント間で共有するデータを保持します。
- 複数のコンポーネント間でデータを共有する
// shared.service.ts
@Injectable()
export class SharedService {
data: any;
fetchData() {
// ...
}
}
// component1.ts
constructor(private sharedService: SharedService) {}
callSharedServiceFunction() {
this.sharedService.fetchData();
}
ビューチルドレンを使用する
- 親コンポーネントで子コンポーネントのメソッドを直接呼び出します。
- 親コンポーネントで
@ViewChild
デコレータを使用して子コンポーネントを参照します。
// parent.component.ts
@ViewChild(ChildComponent) childComponent: ChildComponent;
callChildFunction() {
this.childComponent.childFunction();
}
Angular2でのコンポーネント間関数呼び出しのコード例解説
親コンポーネント (parent.component.ts)
<child-component [childProperty]="parentValue"></child-component>
- 解説
<child-component>
タグで子コンポーネントを呼び出しています。
@Input() childProperty: any;
childFunction() {
console.log(this.childProperty);
}
- 解説
@Input() childProperty: any;
で、親コンポーネントから受け取るchildProperty
という名前の入力プロパティを定義しています。childFunction()
メソッド内で、受け取ったchildProperty
の値をコンソールに出力しています。
@Output() childEvent = new EventEmitter<any>();
emitEvent() {
this.childEvent.emit(data);
}
- 解説
@Output() childEvent = new EventEmitter<any>();
で、childEvent
という名前の出力プロパティを定義し、EventEmitter
を使ってイベントを発行できるようにしています。emitEvent()
メソッド内で、childEvent
にdata
というデータをエミットしています。
<child-component (childEvent)="parentEventHandler($event)"></child-component>
parentEventHandler(eventData) {
console.log(eventData);
}
- 解説
<child-component>
タグで子コンポーネントを呼び出し、(childEvent)="parentEventHandler($event)"
部分で、子コンポーネントのchildEvent
イベントが発生した際にparentEventHandler()
メソッドを呼び出すように設定しています。parentEventHandler()
メソッド内で、子コンポーネントから受け取ったイベントデータeventData
を処理しています。
共有サービス (shared.service.ts)
@Injectable()
export class SharedService {
data: any;
fetchData() {
// ...
}
}
- 解説
@Injectable()
デコレータで、このサービスをインジェクションできるようにしています。data
プロパティで共有データを保持し、fetchData()
メソッドでデータを取得するような処理を行います。
Subject/BehaviorSubject を利用した方法
Subject
やBehaviorSubject
を用いて、複数のコンポーネント間でデータを共有したり、イベントをトリガーしたりすることができます。- RxJS を利用して、オブザーバブルパターンでイベントを配信します。
// shared.service.ts
import { BehaviorSubject } from 'rxjs';
@Injectable({ providedIn: 'root' })
export class SharedService {
private dataSubject = new BehaviorSubject< any>(null);
data$ = this.dataSubject.asObservable();
updateData(data: any) {
this.dataSubject.next(data);
}
}
イベントバスパターン
- イベントバスは、中央集権的なイベント配信機構として機能します。
- カスタムイベントバス を作成し、コンポーネント間でイベントをブロードキャストします。
// event-bus.service.ts
import { Injectable } from '@angular/core';
import { Observable, Subject } from 'rxjs';
@Injectable({ providedIn: 'root' })
export cla ss EventBus {
private subject = new Subject<any>();
cast(event) {
this.subject.next(event);
}
on(event: string): Observable<any> {
return this.subject.asObservable().pipe(
filter(e => e.name === event)
);
}
}
State Management Library の利用
- グローバルな状態の変化をトリガーすることで、複数のコンポーネントに影響を与えることができます。
- NgRx や Akita などのステートマネジメントライブラリを利用して、アプリケーションの状態を一元管理します。
直接DOM操作 (非推奨)
- Angularの原則に反し、テストが難しくなるため、極力避けるべきです。
- ViewChild や ElementRef を使って、子コンポーネントのDOM要素に直接アクセスし、JavaScriptのメソッドを呼び出す方法です。
どの方法を選ぶべきか?
- テストの容易さ
Angularの原則に沿った方法を選ぶことで、テストが容易になります。 - リアルタイム性
リアルタイムな更新が必要な場合は、Subject/BehaviorSubjectが適しています。 - データの複雑さ
複雑な状態管理が必要な場合は、State Management Libraryが有効です。 - データの共有範囲
全てのコンポーネントで共有する場合は共有サービスやイベントバス、特定のコンポーネント間でやり取りする場合は@Input/@Outputが適しています。
Angular2でのコンポーネント間関数呼び出しには、様々な方法があります。それぞれの方法にメリット・デメリットがあり、適切な方法を選択することが重要です。
- 直接DOM操作
非推奨 - State Management Library
複雑な状態管理 - イベントバス
カスタムイベントのブロードキャスト - Subject/BehaviorSubject
リアルタイムなデータの更新 - 共有サービス
グローバルなデータの共有 - @Input/@Output
シンプルなデータのやり取り
選択のポイント
- テストの容易さ
テストが容易な方法を選ぶ - リアルタイム性
リアルタイムな更新が必要か - データの複雑さ
シンプルなデータか、複雑な状態管理が必要か - データの流れ
一方向か双方向か、複数のコンポーネントで共有したいか
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