Angularアプリ本番環境バンドル方法
Angularアプリを本番環境向けにバンドルする方法
Angular, Webpack, SystemJSについて
Webpackを使ったバンドル
Angularアプリを本番環境向けにバンドルする最も一般的な方法は、Webpackを使用することです。Webpackは、コンパイル、バンドリング、最適化などのタスクを自動化します。
手順
-
プロジェクトの作成
ng new my-angular-app
-
ビルド
ng build --prod
このコマンドは、Angularアプリを最適化して、dist
フォルダにバンドルされたファイルを作成します。
SystemJSを使ったバンドル
SystemJSは、Webpackよりも柔軟性がありますが、手動の設定が必要となります。
-
SystemJSのインストール
npm install systemjs --save
Webpack vs. SystemJS
特徴 | Webpack | SystemJS |
---|---|---|
柔軟性 | 低 | 高 |
設定 | 自動化 | 手動 |
パフォーマンス | 優れている | 劣る |
人気 | 高 | 低 |
一般的に、WebpackはAngularアプリを本番環境向けにバンドルする最も推奨される方法です。しかし、特定のユースケースでは、SystemJSが適している場合があります。
備考
- Lazy loadingを使用して、必要なモジュールのみをロードすることで、初期ロード時間を短縮することができます。
- AOTコンパイルを使用することで、ビルド時間を短縮し、パフォーマンスを向上させることができます。
- ng buildコマンドのオプションを使用して、バンドルされたファイルのサイズや最適化レベルを調整することができます。
angular.json の設定
{
"$schema": "./node_modules/@angular/cli/lib/config/schema.json",
"version": 1,
"newProjectRoot": "projects",
"projects": {
"my-angular-app": {
"projectType": "application",
"schematics": {},
"root": "",
"sourceRoot ": "src",
"architect": {
"build": {
"builder": "@angular-devkit/build-angular:browser",
"options": {
"outputPath": "dist/my-angular-app",
"index": "src/index.html",
"main": "src/main.ts",
"polyfills": "src/polyfills.ts",
"tsConfig": "tsconfig.app.json",
"aot": true , // AOTコンパイルを有効化
"optimization": true, // バンドル最適化を有効化
"budgets": [
{
"type": "initial",
"maximumWarning": "2mb",
"maximumError": "5mb"
}
]
},
"configurations": {
"production": {
"fileReplacements": [
{
"replace": "src/environments/environment.ts",
"with": "src/environments/environment .prod.ts"
}
],
"optimization": true,
"outputHashing": "all",
"sourceMap": false,
"extractCss": true,
"namedChunks": false,
"aot": true,
"extractLicenses": true,
"vendorChunk": false,
"buildOptimizer": tru e
}
}
}
}
}
}
}
- production構成
本番環境向けのビルド設定を定義します。- fileReplacements
環境変数を切り替えるための設定です。 - outputHashing
ファイル名にハッシュ値を追加し、キャッシュ制御を最適化します。 - extractCss
CSSを別ファイルに抽出します。 - buildOptimizer
Angularのビルド最適化ツールを有効化します。
- fileReplacements
- budgets
バンドルサイズの制限を設定し、大きくなりすぎないように制御します。 - optimization
Tree shakingやDead code eliminationなどの最適化を有効化し、バンドルサイズを削減します。 - ao t
Ahead-of-Timeコンパイルを有効化し、実行時のコンパイルを減らします。
ビルドコマンド
ng build --prod
このコマンドを実行すると、angular.json
のproduction
構成に基づいて、最適化されたビルドファイルがdist
フォルダに出力されます。
重要なポイント
- CSSの抽出
CSSのロードパフォーマンスを向上させます。 - 環境変数の切り替え
開発環境と本番環境で異なる設定を使用できます。 - バンドル最適化
バンドルサイズを削減し、ロード時間を短縮します。 - AOTコンパイル
実行時パフォーマンスの向上に貢献します。
- ソースマップ
開発時にはソースマップを生成し、デバッグを容易にすることができます。 - サードパーティライブラリのバンドル
Webpackのローダーを使用して、サードパーティライブラリをバンドルできます。 - Webpack設定のカスタマイズ
webpack.config.js
ファイルを作成することで、Webpackの設定を細かくカスタマイズできます。
// index.html
<script src="systemjs.config.js"></script>
<script>
System.import('app').catch(console.error.bind(console));
</script>
// systemjs.config.js
System.config({
packages: {
app: {
main: 'main.js',
defaultExtension: 'js'
}
}
});
SystemJSは、モジュールの依存関係を記述した設定ファイルに基づいて、モジュールを動的にロードします。
どちらを使うべきか?
一般的に、Angularアプリを本番環境向けにバンドルする際は、Webpackが推奨されます。Webpackは、Angular CLIと統合されており、多くの設定が自動化されているため、簡単に使用できます。
SystemJSは、より細かい制御が必要な場合や、既存のシステムとの連携が必要な場合に適しています。
Angularアプリを本番環境向けにバンドルする方法は、WebpackとSystemJSの2つが主な選択肢です。Webpackは、Angular CLIと統合されており、多くの機能が提供されているため、初心者でも簡単に使用できます。SystemJSは、より柔軟な設定が可能ですが、設定が複雑になる場合があります。
どちらのツールを選ぶかは、プロジェクトの規模、複雑さ、および開発者の経験によって異なります。
Angularアプリの本番環境向けバンドル方法:代替案とその解説
Angularアプリを本番環境向けにバンドルする方法は、Webpackが主流ですが、他にも様々な選択肢があります。それぞれの方法には、メリットとデメリットがあり、プロジェクトの規模や要件によって最適な方法が変わってきます。
Rollup
- デメリット
- Webpackほど成熟しておらず、プラグインやコミュニティが小さい
- 設定が複雑になる可能性がある
- メリット
- 高度なカスタマイズが可能
- 小さなバンドルサイズ
- 特徴
- ESモジュールに特化しており、Webpackよりも小さなバンドルサイズを実現できる可能性があります。
- TypeScriptやJSXに対応しており、Angularプロジェクトとの相性も良いです。
- Webpackよりも柔軟な設定が可能です。
Parcel
- デメリット
- カスタマイズ性が低い
- 大規模なプロジェクトには不向きな場合がある
- メリット
- 設定が簡単
- 高速なビルド
- 特徴
- ゼロコンフィグで、非常に簡単にバンドルを作成できます。
ESBuild
- デメリット
- まだ新しいツールであり、コミュニティが小さい
- Webpackほど多くの機能が実装されていない
- メリット
- 非常に高速なビルド
- TypeScriptサポート
- 特徴
- Goで書かれており、非常に高速なビルドが可能です。
- TypeScriptやJSXに対応しています。
Vite
- デメリット
- Vue.jsに特化しているため、Angularとの相性は完璧とは言えない
- メリット
- 高速な開発サーバ
- HMRが高速
- 特徴
- Vue.jsの作者が開発した、Vue.js向けのビルドツールですが、Angularでも使用可能です。
- HMR(Hot Module Replacement)が高速で、開発体験が向上します。
- ESBuildをベースにしているため、高速なビルドが可能です。
Angular CLI (カスタムWebpack設定)
- デメリット
- メリット
- Angular CLIの機能をそのまま利用できる
- Webpackの柔軟性
- 特徴
各ツールの比較
ツール | 特徴 | メリット | デメリット | 適しているプロジェクト |
---|---|---|---|---|
Webpack | 汎用性が高い、多くのプラグインがある | 柔軟性が高い、大規模プロジェクトに対応 | 設定が複雑になる可能性がある | 大規模なAngularプロジェクト |
Rollup | ESモジュールに特化、小さなバンドルサイズ | 高度なカスタマイズが可能、小さなバンドルサイズ | 設定が複雑、コミュニティが小さい | 小規模から中規模のプロジェクト、ESモジュールを重視するプロジェクト |
Parcel | ゼロコンフィグ、高速ビルド | 設定が簡単、高速ビルド | カスタマイズ性が低い、大規模プロジェクトには不向き | 小規模なプロジェクト、素早くプロトタイプを作成したい場合 |
ESBuild | 高速ビルド、TypeScriptサポート | 非常に高速なビルド | まだ新しいツール、機能が限られている | 高速なビルドを重視するプロジェクト |
Vite | 高速な開発サーバ、HMRが高速 | 高速な開発体験 | Vue.jsに特化、コミュニティが小さい | Vue.jsプロジェクト、Angularでも使用可能 |
Angular CLI (カスタムWebpack) | Angular CLIの機能をそのまま利用できる | Webpackの柔軟性 | Webpackの設定が複雑になる可能性がある | Angular CLIを使用しているプロジェクトで、Webpackの設定を細かく調整したい場合 |
どのツールを選ぶかは、プロジェクトの規模、開発者のスキル、チームの好み、そして重視するポイントによって異なります。
- Viteは、高速な開発体験を求める場合や、Vue.jsの開発経験がある場合に適しています。
- Parcelは、簡単な設定で迅速にプロジェクトを立ち上げたい場合に便利です。
- RollupやESBuildは、より小さなバンドルサイズや高速なビルドを重視する場合に適しています。
- Webpackは、Angularプロジェクトで最も一般的な選択肢であり、多くのプラグインやコミュニティサポートがあります。
重要なのは、それぞれのツールの特徴を理解し、プロジェクトに最適なツールを選ぶことです。
より詳しい情報については、各ツールの公式ドキュメントを参照してください。
例えば、
- チームのメンバーはどのツールに慣れていますか?
- どの程度のカスタマイズが必要ですか?
- どの程度のビルド速度を求めていますか?
- プロジェクトの規模はどのくらいですか?
angular webpack systemjs