【徹底解説】TypeScriptで配列を扱う!「Array<string>」と「string[]」の違いと使い分け
TypeScriptにおける Array<string>
と string[]
の違い
Array<string>
と string[]
は、どちらも「文字列の配列」を表す型であり、機能面 で 違いはありません。
どちらを使うべきかは、好み の問題 です。
詳細
string[]
は配列リテラルを用いた書き方です。こちらはより簡潔で分かりやすい表記です。Array<string>
はジェネリック構文を用いた書き方です。ジェネリックとは、型を抽象化して様々なデータ型に適用できるようにする仕組みです。
例
// ジェネリック構文
let numbers: Array<number> = [1, 2, 3];
let words: Array<string> = ['hello', 'world'];
// 配列リテラル
let numbers2: number[] = [1, 2, 3];
let words2: string[] = ['hello', 'world'];
- しかし、多くの開発者は依然として
string[]
を使用しており、特に問題はありません。 - 公式ドキュメントでは、
string
のみを使用するべきと推奨されています。これは、String
はプリミティブ型ではなくオブジェクトであり、ほとんど適切に使用されないためです。
配列の宣言と初期化
// ジェネリック構文
let numbers: Array<number> = [1, 2, 3];
let words: Array<string> = ['hello', 'world'];
// 配列リテラル
let numbers2: number[] = [1, 2, 3];
let words2: string[] = ['hello', 'world'];
説明
- 上記のコードでは、2つの配列を宣言しています。
numbers
はArray<number>
型で、数値リテラル[1, 2, 3]
で初期化されています。words
はArray<string>
型で、文字列リテラル['hello', 'world']
で初期化されています。numbers2
はnumber[]
型で、numbers
と同じ値で初期化されています。words2
はstring[]
型で、words
と同じ値で初期化されています。
配列への要素の追加
// ジェネリック構文
numbers.push(4);
words.push('!');
// 配列リテラル
numbers2.push(5);
words2.push('?');
- 上記のコードでは、既存の配列に要素を追加しています。
numbers.push(4)
は、numbers
配列に数値4
を追加します。words.push('!')
は、words
配列に文字列!
を追加します。
配列要素へのアクセス
// ジェネリック構文
console.log(numbers[0]); // 1 を出力
console.log(words[1]); // world を出力
// 配列リテラル
console.log(numbers2[0]); // 1 を出力
console.log(words2[1]); // world を出力
- 上記のコードでは、配列の要素にアクセスしています。
console.log(numbers[0])
は、numbers
配列の最初の要素 (1
) をコンソールに出力します。console.log(words[1])
は、words
配列の 2 番目の要素 (world
) をコンソールに出力します。
配列の長さ
// ジェネリック構文
console.log(numbers.length); // 3 を出力
console.log(words.length); // 2 を出力
// 配列リテラル
console.log(numbers2.length); // 3 を出力
console.log(words2.length); // 2 を出力
配列のループ処理
// ジェネリック構文
for (let i = 0; i < numbers.length; i++) {
console.log(numbers[i]);
}
for (let word of words) {
console.log(word);
}
// 配列リテラル
for (let i = 0; i < numbers2.length; i++) {
- ただし、変数の型が明確でない場合、コンパイルエラーが発生する可能性があります。
- TypeScript の型推論機能を活用することで、型注釈を省略してコードを簡潔に記述できます。
let numbers = [1, 2, 3]; // 型推論により `number[]` となる
let words = ['hello', 'world']; // 型推論により `string[]` となる
readonly 修飾子
- 要素の追加や変更を禁止したい場合に有効です。
readonly
修飾子を用いることで、配列を 読み取り専用 にすることができます。
let numbers: readonly number[] = [1, 2, 3];
let words: readonly string[] = ['hello', 'world'];
シンボル型
- 異なる種類のデータを含む配列を区別したい場合に有効です。
- シンボル型を用いることで、ユニークな型を持つ配列を作成できます。
const numberSymbol = Symbol('number');
const stringSymbol = Symbol('string');
let numbers: symbol[] = [1, 2, 3]; // 型 `symbol[]` となるが、実際は `number[]` と同等
let words: symbol[] = ['hello', 'world']; // 型 `symbol[]` となるが、実際は `string[]` と同等
タプル型
- 要素の型と順番を厳密に定義したい場合に有効です。
type MyTuple = [number, string];
let data: MyTuple = [1, 'hello'];
ジェネリック型
- 柔軟性と汎用性を求める場合に有効です。
- ジェネリック型を用いることで、様々な型を持つ要素を含む配列を作成できます。
function createArray<T>(items: T[]): T[] {
return items;
}
let numbers = createArray([1, 2, 3]); // 型 `number[]` となる
let words = createArray(['hello', 'world']); // 型 `string[]` となる
typescript typescript-generics