型エイリアス、型ガード、ジェネリック型を活用!TypeScriptにおけるユニオン型と交差型の効果的な命名
TypeScriptにおけるユニオン型と交差型の命名
ユニオン型
ユニオン型は、値が複数の型のうち1つであることを表します。例えば、number | string
というユニオン型は、値が数値型または文字列型のいずれかであることを意味します。
ユニオン型に名前を付ける際には、以下の点に注意する必要があります。
- コード全体で一貫した命名規則を使用すること
- 読みやすく、理解しやすい名前であること
- 型に含まれるすべての型を反映する名前であること
例えば、以下の例は、ユニオン型に適切な名前を付ける方法を示しています。
type InputValue = number | string; // 数値型または文字列型のいずれかである値を表す
type UserId = number | string; // ユーザーIDを表す。数値型または文字列型である可能性がある
交差型
交差型は、値が複数の型のすべての特性を持つことを表します。例えば、{ name: string; age: number }
という交差型は、name
プロパティが文字列型で、age
プロパティが数値型のオブジェクトであることを意味します。
type Person = { name: string; age: number }; // 名前と年齢を持つ人物を表す
type UserDetails = Person & { email: string }; // 名前、年齢、電子メールを持つユーザーの詳細を表す
- ジェネリック型を使用して、ユニオン型または交差型をより汎用的にすることができます。
- 型ガードを使用して、ユニオン型または交差型内の特定の型に一致する値を識別することができます。
- 型エイリアスを使用すると、長いまたは複雑な型の定義をより短い、より読みやすい名前に置き換えることができます。
リソース
この例では、ファイルシステム操作を表す関数を定義します。この関数は、ファイルまたはディレクトリへのパスを受け取り、そのパスに関する情報を返します。
// ファイルまたはディレクトリを表すパスを表す型
type FilePath = string;
// ファイル情報を表す型
type FileInfo = {
name: string;
size: number;
type: string; // "file" または "directory"
};
// ディレクトリ情報を表す型
type DirectoryInfo = {
name: string;
children: FilePath[]; // ディレクトリ内のファイルとディレクトリへのパス
};
// ファイルまたはディレクトリへのパスを受け取り、そのパスに関する情報を含むオブジェクトを返す関数
function getFileInfo(path: FilePath): FileInfo | DirectoryInfo {
// ファイルまたはディレクトリが存在するかどうかを確認する
// ...
// ファイルの場合
if (isFile(path)) {
return {
name: getFileName(path),
size: getFileSize(path),
type: "file",
};
}
// ディレクトリの場合
else if (isDirectory(path)) {
return {
name: getDirectoryName(path),
children: getDirectoryContents(path),
type: "directory",
};
}
// ファイルもディレクトリでもない場合
else {
throw new Error(`Invalid path: ${path}`);
}
}
この例では、以下の型エイリアスを使用しています。
DirectoryInfo
: ディレクトリ情報を表す型FileInfo
: ファイル情報を表す型FilePath
: ファイルまたはディレクトリへのパスを表す型
これらの型エイリアスを使用することで、コードをより読みやすく、理解しやすくなっています。
検証処理
この例では、フォームの入力値を検証する関数を定義します。この関数は、入力値が特定の条件を満たしているかどうかを確認し、エラーメッセージを返します。
// ユーザー名を表す型
type Username = string;
// パスワードを表す型
type Password = string;
// ユーザー登録フォームの入力値を表す型
type RegistrationFormData = {
username: Username;
password: Password;
confirmPassword: Password;
};
// ユーザー登録フォームの入力値を検証し、エラーメッセージを含むオブジェクトを返す関数
function validateRegistrationForm(data: RegistrationFormData): { errors: string[] } {
const errors: string[] = [];
// ユーザー名が空かどうかを確認する
if (!data.username) {
errors.push("ユーザー名は必須です。");
}
// パスワードが空かどうかを確認する
if (!data.password) {
errors.push("パスワードは必須です。");
}
// 確認用パスワードが空かどうかを確認する
if (!data.confirmPassword) {
errors.push("確認用パスワードは必須です。");
}
// パスワードと確認用パスワードが一致しているかどうかを確認する
if (data.password !== data.confirmPassword) {
errors.push("パスワードと確認用パスワードが一致しません。");
}
return { errors };
}
RegistrationFormData
: ユーザー登録フォームの入力値を表す型Password
: パスワードを表す型Username
: ユーザー名を表す型
型ガードを使用して、ユニオン型または交差型内の特定の型に一致する値を識別することができます。これにより、型名をより明確にすることができます。
type InputValue = number | string;
function isNumber(value: InputValue): value is number {
return typeof value === "number";
}
function isString(value: InputValue): value is string {
return typeof value === "string";
}
function processInput(value: InputValue) {
if (isNumber(value)) {
// 数値として処理する
console.log(value.toFixed(2));
} else if (isString(value)) {
// 文字列として処理する
console.log(value.toUpperCase());
} else {
// エラー
throw new Error("Invalid input value: " + value);
}
}
この例では、isNumber
と isString
という型ガードを使用して、InputValue
型の値が数値型または文字列型であるかどうかを識別しています。これにより、processInput
関数内のコードをより明確にすることができます。
ジェネリック型を使用する
ジェネリック型を使用して、ユニオン型または交差型をより汎用的にすることができます。これにより、コードをより簡潔に、再利用しやすくすることができます。
type Operation = "add" | "subtract" | "multiply" | "divide";
type MathOperation<T extends number> = (x: T, y: T) => T;
function performOperation<T extends number>(operation: Operation, x: T, y: T): T {
switch (operation) {
case "add":
return x + y;
case "subtract":
return x - y;
case "multiply":
return x * y;
case "divide":
return x / y;
default:
throw new Error("Invalid operation: " + operation);
}
}
const addNumbers = performOperation<number>("add", 10, 20); // 30
const subtractNumbers = performOperation<number>("subtract", 20, 10); // 10
const multiplyNumbers = performOperation<number>("multiply", 5, 5); // 25
const divideNumbers = performOperation<number>("divide", 10, 2); // 5
この例では、MathOperation
というジェネリック型を使用して、数値に対する加算、減算、乗算、除算操作を表す関数を定義しています。これにより、さまざまな数値型に対して同じ関数を再利用することができます。
定数を活用する
定数を使用して、ユニオン型または交差型内の値を表すことができる場合もあります。これにより、コードをより読みやすく、理解しやすくなります。
enum UserRole {
Admin,
Moderator,
User,
}
type User = {
id: number;
name: string;
email: string;
role: UserRole;
};
function isAdmin(user: User): boolean {
return user.role === UserRole.Admin;
}
function isModerator(user: User): boolean {
return user.role === UserRole.Moderator;
}
function isUser(user: User): boolean {
return user.role === UserRole.User;
}
この例では、UserRole
という列挙型を使用して、ユーザーのロールを表す定数を定義しています。これにより、isAdmin
、isModerator
、isUser
などの関数のコードをより明確にすることができます。
これらの方法は、TypeScriptにおけるユニオン型と交差型の命名をさらに効果的に行うための追加的なヒントです。状況に応じて、これらの方法を組み合わせて使用することができます。
重要なポイント
- 一貫した命名規則を使用することが重要です。
- 型エイリアス、型ガード、ジェネリック型、定数を使用して、ユニオン型と交差型の命名を効果的に行うことができます。
- 適切な名前を付けることは、コードの読みやすさと理解しやすさを向上させるのに役立ちます。
typescript set boolean-logic