Angularの不純パイプ解説

2024-10-30

Angularにおけるパイプは、テンプレート内のデータをフォーマットしたり、変換したりする機能を提供します。パイプには、純粋パイプと不純パイプの2種類があります。

純粋パイプ

  • パフォーマンスに優れています。
  • 入力が同じであれば、同じ出力を返します。
  • 入力値が変化した場合にのみ実行されます。

不純パイプ

  • パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  • 入力値が変化していなくても、毎回実行されます。
  • 変化検知サイクルごとに実行されます。

不純パイプの使用例

  • 複合オブジェクトの値の変化を検出する必要がある場合
  • 外部状態やデータに依存する出力

不純パイプの定義

@Pipe({
  name: 'myImpurePipe',
  pure: false // 不純パイプとしてマーク
})
export class MyImpurePipe implements PipeTransform {
  transform(value: any, ...args: any[]): any {
    // パイプのロジック
  }
}

注意

  • 不純パイプが必要な場合は、その理由を慎重に検討してください。
  • 多くの場合、純粋パイプで十分な機能を提供できます。
  • 不純パイプはパフォーマンスに影響を与える可能性があるため、慎重に使用してください。



// 純粋パイプの例
@Pipe({
  name: 'myPurePipe'
})
export class MyPurePipe implements PipeTransform {
  transform(value: number): string {
    return value.toFixed(2); // 小数点以下2桁に丸める
  }
}

// テンプレートでの使用
<p>{{ value | myPurePipe }}</p>

// 不純パイプの例
@Pipe({
  name: 'myImpurePipe',
  pure: false
})
export class MyImpurePipe implements PipeTransform {
  transform(value: any): any {
    // 外部データを取得したり、複雑な処理を行う
    const externalData = this.http.get('https://api.example.com/data');
    // ...その他の処理

    return value + externalData;
  }
}

// テンプレートでの使用
<p>{{ value | myImpurePipe }}</p>

解説

    • myImpurePipe は外部データを取得したり、複雑な処理を行うパイプです。
    • pure プロパティを false に設定することで、不純パイプとしてマークしています。
    • 変化検知サイクルごとに実行されるため、入力値が変化していなくても、毎回実行されます。
    • テンプレートで value | myImpurePipe と使用すると、パイプが毎回実行され、最新の値が表示されます。
    • myPurePipe は入力値 value を小数点以下2桁に丸めるパイプです。
    • pure プロパティがデフォルトの true のため、入力値が変化した場合にのみ実行されます。

注意

  • 不純パイプを使用する場合は、その理由を慎重に検討し、パフォーマンスへの影響を最小限に抑えるように実装してください。
  • 必要な場合にのみ不純パイプを使用し、可能な限り純粋パイプを使用することを推奨します。



純粋パイプの活用

  • 可能な限り純粋パイプを使用
    • 入力値のみを基に計算するパイプは、純粋パイプとして定義できます。
    • 複雑なロジックでも、中間結果を純粋パイプで処理することで、パフォーマンスを向上させることができます。

Observablesの活用

  • 外部データの取得と更新
    • HttpClient や RxJS を使用して、外部データを取得する Observable を作成します。
    • テンプレートでは async パイプを使用して、Observable の値を非同期に取得し、表示します。
// Component
import { Observable } from 'rxjs';

@Component({
  // ...
})
export class MyComponent {
  externalData$: Observable<any>;

  constructor(private http: HttpClient) {
    this.externalData$ = this.http.get('https://api.example.com/data');
  }
}

// Template
<p>{{ externalData$ | async }}</p>

Change Detectionの最適化

  • OnPush Change Detection Strategy
    • コンポーネントの ChangeDetectionStrategyOnPush に設定することで、デフォルトの Default よりも効率的な変化検知を行います。
    • コンポーネントの入力値や Observable の値が変化した場合にのみ、コンポーネントのレンダリングがトリガーされます。
@Component({
  // ...
  changeDetection: ChangeDetectionStrategy.OnPush
})
export class MyComponent {
  // ...
}

Custom Change Detection Strategies

  • カスタム ChangeDetectorRef
    • ChangeDetectorRef を注入して、手動でコンポーネントのレンダリングをトリガーすることができます。
    • 複雑なケースで、より細かい制御が必要な場合に使用します。

選択のポイント

  • 細かい制御が必要な場合
    カスタム ChangeDetectorRef
  • コンポーネントの効率的なレンダリング
    OnPush Change Detection Strategy
  • 外部データの取得と更新
    Observables
  • 単純なデータ変換
    純粋パイプ

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