Angularの不純パイプ解説
Angularにおけるパイプは、テンプレート内のデータをフォーマットしたり、変換したりする機能を提供します。パイプには、純粋パイプと不純パイプの2種類があります。
純粋パイプ
- パフォーマンスに優れています。
- 入力が同じであれば、同じ出力を返します。
- 入力値が変化した場合にのみ実行されます。
不純パイプ
- パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
- 入力値が変化していなくても、毎回実行されます。
- 変化検知サイクルごとに実行されます。
不純パイプの使用例
- 複合オブジェクトの値の変化を検出する必要がある場合
- 外部状態やデータに依存する出力
不純パイプの定義
@Pipe({
name: 'myImpurePipe',
pure: false // 不純パイプとしてマーク
})
export class MyImpurePipe implements PipeTransform {
transform(value: any, ...args: any[]): any {
// パイプのロジック
}
}
注意
- 不純パイプが必要な場合は、その理由を慎重に検討してください。
- 多くの場合、純粋パイプで十分な機能を提供できます。
- 不純パイプはパフォーマンスに影響を与える可能性があるため、慎重に使用してください。
// 純粋パイプの例
@Pipe({
name: 'myPurePipe'
})
export class MyPurePipe implements PipeTransform {
transform(value: number): string {
return value.toFixed(2); // 小数点以下2桁に丸める
}
}
// テンプレートでの使用
<p>{{ value | myPurePipe }}</p>
// 不純パイプの例
@Pipe({
name: 'myImpurePipe',
pure: false
})
export class MyImpurePipe implements PipeTransform {
transform(value: any): any {
// 外部データを取得したり、複雑な処理を行う
const externalData = this.http.get('https://api.example.com/data');
// ...その他の処理
return value + externalData;
}
}
// テンプレートでの使用
<p>{{ value | myImpurePipe }}</p>
解説
-
myImpurePipe
は外部データを取得したり、複雑な処理を行うパイプです。pure
プロパティをfalse
に設定することで、不純パイプとしてマークしています。- 変化検知サイクルごとに実行されるため、入力値が変化していなくても、毎回実行されます。
- テンプレートで
value | myImpurePipe
と使用すると、パイプが毎回実行され、最新の値が表示されます。
-
myPurePipe
は入力値value
を小数点以下2桁に丸めるパイプです。pure
プロパティがデフォルトのtrue
のため、入力値が変化した場合にのみ実行されます。
注意
- 不純パイプを使用する場合は、その理由を慎重に検討し、パフォーマンスへの影響を最小限に抑えるように実装してください。
- 必要な場合にのみ不純パイプを使用し、可能な限り純粋パイプを使用することを推奨します。
純粋パイプの活用
- 可能な限り純粋パイプを使用
- 入力値のみを基に計算するパイプは、純粋パイプとして定義できます。
- 複雑なロジックでも、中間結果を純粋パイプで処理することで、パフォーマンスを向上させることができます。
Observablesの活用
- 外部データの取得と更新
HttpClient
や RxJS を使用して、外部データを取得する Observable を作成します。- テンプレートでは
async
パイプを使用して、Observable の値を非同期に取得し、表示します。
// Component
import { Observable } from 'rxjs';
@Component({
// ...
})
export class MyComponent {
externalData$: Observable<any>;
constructor(private http: HttpClient) {
this.externalData$ = this.http.get('https://api.example.com/data');
}
}
// Template
<p>{{ externalData$ | async }}</p>
Change Detectionの最適化
- OnPush Change Detection Strategy
- コンポーネントの
ChangeDetectionStrategy
をOnPush
に設定することで、デフォルトのDefault
よりも効率的な変化検知を行います。 - コンポーネントの入力値や Observable の値が変化した場合にのみ、コンポーネントのレンダリングがトリガーされます。
- コンポーネントの
@Component({
// ...
changeDetection: ChangeDetectionStrategy.OnPush
})
export class MyComponent {
// ...
}
Custom Change Detection Strategies
- カスタム ChangeDetectorRef
ChangeDetectorRef
を注入して、手動でコンポーネントのレンダリングをトリガーすることができます。- 複雑なケースで、より細かい制御が必要な場合に使用します。
選択のポイント
- 細かい制御が必要な場合
カスタム ChangeDetectorRef - コンポーネントの効率的なレンダリング
OnPush Change Detection Strategy - 外部データの取得と更新
Observables - 単純なデータ変換
純粋パイプ
angular angular-pipe angular2-pipe