TypeScriptプロジェクトでライブラリを参照するその他の方法

2024-04-09

TypeScriptのtsconfigオプション "lib" とは?

lib オプションは、TypeScriptコンパイラがコードを理解し、型チェックを行う際に必要なライブラリを指定します。 具体的には、以下の機能を提供します。

  • 標準ライブラリの提供: lib オプションを指定することで、DOMNode.js などの標準ライブラリへのアクセスを可能にします。
  • 外部ライブラリの参照: lib オプションを使用して、@types パッケージのような外部ライブラリをプロジェクトに参照することができます。
  • 型定義ファイルの指定: .d.ts 型定義ファイルのパスを直接指定することで、特定のライブラリの型情報をコンパイラに提供できます。

lib オプションには、以下の値を指定することができます。

  • 文字列の配列: 使用するライブラリの名前を文字列の配列として指定します。 例えば、["dom", "es2015"] と指定すると、DOMES2015 の標準ライブラリが使用可能になります。
  • true: すべての標準ライブラリと、@types パッケージで提供されているすべての型定義ファイルを使用可能にします。
  • false: 標準ライブラリを使用不可にします。

lib オプションの例

以下は、lib オプションの使用例です。

例1: 標準ライブラリと外部ライブラリを使用する

{
  "compilerOptions": {
    "lib": ["dom", "es2015", "@types/jquery"]
  }
}

この例では、DOMES2015 標準ライブラリと、jQuery ライブラリの型定義ファイルを使用可能にしています。

例2: すべての標準ライブラリを使用する

{
  "compilerOptions": {
    "lib": true
  }
}

まとめ

tsconfig.json ファイルの lib オプションは、プロジェクトで使用可能なライブラリを指定するために使用されます。 オプションの値には、文字列の配列、truefalse を指定することができます。 適切な lib オプションを設定することで、コンパイルエラーを防ぎ、コードの型安全性と信頼性を向上させることができます。




index.ts

// DOMへのアクセス
const element = document.getElementById("my-element");

// jQueryの使用
$(document).ready(() => {
  $("#my-element").on("click", () => {
    alert("クリックされました!");
  });
});

tsconfig.json

{
  "compilerOptions": {
    "target": "es5",
    "lib": ["dom", "@types/jquery"]
  }
}

このコードを実行するには、tsc コマンドを使用して index.ts ファイルをコンパイルする必要があります。

tsc index.ts

コンパイルが成功すると、index.js という名前のJavaScriptファイルが生成されます。 このファイルをブラウザで実行すると、my-element 要素をクリックすると "クリックされました!" というアラートが表示されます。

  • lib オプションを使用して、ES2015 モジュールのサポートを有効にするサンプルコード:
{
  "compilerOptions": {
    "target": "es5",
    "module": "es2015",
    "lib": ["es2015"]
  }
}
  • lib オプションを使用して、@types/node パッケージを介して Node.js 標準ライブラリを使用するサンプルコード:
{
  "compilerOptions": {
    "target": "es5",
    "lib": ["dom", "@types/node"]
  }
}

これらのサンプルコードは、lib オプションを使用して、さまざまなライブラリを TypeScript プロジェクトに含める方法を示しています。




lib オプション以外のライブラリの参照方法

import ステートメントを使用して、JavaScript ファイルや型定義ファイルから直接ライブラリをインポートすることができます。

例:

import * as $ from "jquery";

// jQueryの使用
$(document).ready(() => {
  $("#my-element").on("click", () => {
    alert("クリックされました!");
  });
});

この例では、jquery ライブラリを import ステートメントを使用してインポートしています。

npm パッケージを使用して、ライブラリをインストールしてプロジェクトに参照することができます。

npm install --save @types/jquery

このコマンドを実行すると、@types/jquery パッケージがインストールされます。

その後、tsconfig.json ファイルの lib オプションに "@types/jquery" を追加することで、プロジェクトで jQuery ライブラリを使用することができます。

CDN (Content Delivery Network) からライブラリを直接参照することができます。

<script src="https://code.jquery.com/jquery-3.6.0.min.js"></script>

<script>
// jQueryの使用
$(document).ready(() => {
  $("#my-element").on("click", () => {
    alert("クリックされました!");
  });
});
</script>

この例では、CDN から jQuery ライブラリを直接参照しています。

型定義ファイル

ライブラリに型定義ファイルがない場合は、自分で作成することができます。

declare module "my-library" {
  export function myFunction(): void;
}

// ライブラリの使用
import { myFunction } from "my-library";

myFunction();

この例では、my-library ライブラリの型定義ファイルを作成し、myFunction という関数を宣言しています。

参照パス

tsconfig.json ファイルの paths プロパティを使用して、ライブラリの参照パスを指定することができます。

{
  "compilerOptions": {
    "paths": {
      "my-library": ["path/to/my-library"]
    }
  }
}

この例では、my-library ライブラリの参照パスを path/to/my-library に設定しています。

lib オプション以外にも、さまざまな方法で TypeScript プロジェクトにライブラリを参照することができます。 どの方法を使用するかは、プロジェクトの要件と環境によって異なります。


typescript


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