TypeScriptでスイッチブロックの網羅性をチェックする方法:型ガードとエンドレスループによる徹底解説
TypeScriptにおけるスイッチブロックの網羅性チェック
この問題を防ぐために、スイッチブロックが網羅されていることを確認する必要があります。網羅性とは、すべての可能な値に対して処理が記述されている状態を指します。
ここでは、TypeScriptでスイッチブロックの網羅性をチェックする方法について解説します。
型ガードを使用する
型ガードを使用して、スイッチブロック内の各ケースが特定の型であることを確認できます。
function foo(x: unknown): string {
switch (x) {
case "a":
return "a";
case "b":
return "b";
// ここに `default` ケースを追加する必要があります。
}
}
const result = foo(1); // エラーが発生する: 型 'number' は 'string' に割り当てできません
上記の例では、foo
関数は x
の値に基づいて文字列を返します。x
は unknown
型なので、a
または b
以外の場合、エラーが発生します。
この問題を解決するには、default
ケースを追加して、すべての可能な値に対して処理を記述する必要があります。
function foo(x: unknown): string {
switch (x) {
case "a":
return "a";
case "b":
return "b";
default:
return "不明な値";
}
}
const result = foo(1); // "不明な値" が返される
エンドレスループを使用する
default
ケースを使用して、すべての可能な値に対して処理が記述されていることを確認することもできます。
function foo(x: unknown): void {
switch (x) {
case "a":
// 処理
break;
case "b":
// 処理
break;
default:
// エラーメッセージを出力
throw new Error("不明な値: " + x);
}
}
foo(1); // エラーが発生する: エラー: 不明な値: 1
上記の例では、foo
関数は x
の値に基づいて処理を実行します。x
が a
または b
以外の場合、エラーメッセージを出力する default
ケースが実行されます。
TypeScriptの機能を使用する
TypeScript 4.1以降では、never
型を使用してスイッチブロックの網羅性をチェックすることができます。
function foo(x: unknown): string {
switch (x) {
case "a":
return "a";
case "b":
return "b";
default:
// エラーが発生する: 型 'never' は 'string' に割り当てできません
}
}
const result = foo(1); // エラーが発生する
上記の例では、default
ケースの型に never
を指定しています。これは、x
が a
または b
以外の場合、決して到達しないことを意味します。
TypeScriptのスイッチブロックの網羅性をチェックするには、
- TypeScript 4.1以降の機能を使用する
などの方法があります。
これらの方法を組み合わせて、すべての可能な値に対して処理が記述されていることを確認しましょう。
- TypeScript 4.1以降を使用していない場合は、他の方法で網羅性チェックを行う必要があります。
- 網羅性チェックを行う際には、すべての可能な値を考慮する必要があります。
- 上記の例では、単純なケースを想定していますが、実際のコードではより複雑なケースが発生する可能性があります。
function foo(x: unknown): string {
switch (x) {
case "a":
return "a";
case "b":
return "b";
default:
return "不明な値";
}
}
const result = foo(1); // "不明な値" が返される
console.log(result);
function foo(x: unknown): void {
switch (x) {
case "a":
// 処理
break;
case "b":
// 処理
break;
default:
// エラーメッセージを出力
throw new Error("不明な値: " + x);
}
}
try {
foo(1);
} catch (error) {
console.error(error.message);
}
function foo(x: unknown): string {
switch (x) {
case "a":
return "a";
case "b":
return "b";
default:
// エラーが発生する: 型 'never' は 'string' に割り当てできません
}
}
const result = foo(1); // エラーが発生する
console.log(result); // エラーが発生するため、この行は実行されない
実行方法
tsc file.ts
生成された JavaScript ファイルを実行します。
node file.js
出力結果
不明な値
エラー: 不明な値: 1
TypeScript 4.1 以前でスイッチブロックの網羅性チェックを行う方法
エラーメッセージを確認する
スイッチブロック内のすべてのケースを網羅していない場合、コンパイル時にエラーメッセージが表示されます。
function foo(x: number): string {
switch (x) {
case 1:
return "a";
}
}
// エラーが発生する: 'case' 文が 'default' 文の前に記述されています。
上記の例では、foo
関数は x
の値が 1 の場合のみ処理を実行します。x
が 1 以外の場合は、default
ケースがないため、コンパイルエラーが発生します。
列挙型を使用する
スイッチブロックの対象となる値を列挙型で定義することで、網羅性チェックを行うことができます。
enum Color {
Red,
Green,
Blue
}
function foo(color: Color): string {
switch (color) {
case Color.Red:
return "赤";
case Color.Green:
return "緑";
// ここに `Color.Blue` のケースを追加する必要があります。
}
}
// エラーが発生する: 型 'never' は 'string' に割り当てできません
上記の例では、Color
列挙型を使用して、赤、緑、青の色を定義しています。foo
関数は color
の値に基づいて文字列を返します。
Color.Blue
のケースを追加していないため、color
が Color.Blue
の場合、never
型になり、エラーが発生します。
ライブラリを使用する
網羅性チェックを行うためのライブラリも存在します。
これらのライブラリを使用することで、より簡単に網羅性チェックを行うことができます。
TypeScript 4.1 以前では、
などの方法でスイッチブロックの網羅性チェックを行うことができます。
- ライブラリを使用する場合は、ライブラリのドキュメントをよく読んでから使用するようにしてください。
typescript