Angular entryComponents の解説
entryComponents は、Angular アプリケーションで動的に読み込まれるコンポーネントを指定するためのものです。これらは、テンプレート内で直接参照されるのではなく、コード内でプログラム的に作成されるコンポーネントです。
主な使用ケース
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ルートコンポーネントのブートストラップ
- アプリケーションの初期化時に、ルートコンポーネントは
@NgModule
のbootstrap
配列に指定されます。 - このコンポーネントは、Angular によって動的に読み込まれ、DOM にレンダリングされます。
- アプリケーションの初期化時に、ルートコンポーネントは
-
ルーティングによる動的コンポーネントの読み込み
- ルーティングモジュールで定義されたルートに、動的に読み込むコンポーネントを指定できます。
- ユーザーが特定の URL にアクセスすると、該当するコンポーネントが動的に読み込まれ、表示されます。
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ダイアログやモーダルウィンドウの表示
- ダイアログやモーダルウィンドウなどのコンポーネントは、ユーザーの特定のアクションに応じて表示されます。
- これらのコンポーネントは、コード内で動的に作成され、表示されます。
Angular 9 以降の変更
- 動的に読み込むコンポーネントは、直接参照されるか、
ComponentFactoryResolver
を使用してファクトリを取得することで、動的に作成できます。 - Ivy コンパイラとランタイムの導入により、
entryComponents
の使用は不要になりました。
entryComponents
は、動的に読み込まれるコンポーネントを指定するためのものです。
注意
- Angular 9 以降は、できるだけ
entryComponents
を使用しないようにしましょう。 - 動的コンポーネントの読み込みには、適切なタイミングと方法を選択することが重要です。
entryComponents
の誤用は、ビルドサイズの増加やパフォーマンスの低下につながる可能性があります。
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@NgModule({ declarations: [AppComponent], imports: [BrowserModule], bootstrap: [AppComponent], // ルートコンポーネントをブートストラップ }) export class AppModule {}
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const routes: Routes = [ { path: 'dynamic', component: DynamicComponent } ]; @NgModule({ imports: [RouterModule.forRoot(routes)], exports: [RouterModule] }) export class AppRoutingModule {}
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import { ComponentFactoryResolver, ViewContainerRef } from '@angular/core'; @Component({ selector: 'app-modal', template: `` }) export class ModalComponent {} @Component({ selector: 'app-root', template: ` <button (click)="openModal()">開く</button> ` }) export class AppComponent { constructor(private componentFactoryResolver: ComponentFactoryResolver, private viewContainerRef: ViewContainerRef) {} openModal() { const componentFactory = this.componentFactoryResolver.resolveComponentFactory(ModalComponent); const componentRef = this.viewContainerRef.createComponent (componentFactory); } }
Angular 9 以降、Ivy コンパイラとランタイムの導入により、entryComponents
の使用は不要になりました。動的に読み込むコンポーネントは、直接参照されるか、ComponentFactoryResolver
を使用してファクトリを取得することで、動的に作成できます。
@Component({
selector: 'app-dynamic-component',
template: `
<ng-container *ngIf="showDynamicComponent">
<app-dynamic-component></app-dynamic-component>
</ng-container>
`
})
export class MyComponent {
showDynamicComponent = false;
toggleDynamicComponent() {
this.showDynamicComponent = !this.showDynamicComponent;
}
}
この方法では、動的コンポーネントを直接テンプレート内で参照します。*ngIf
ディレクティブを使用して、条件に応じてコンポーネントを表示または非表示にします。
ComponentFactoryResolver による動的コンポーネントの読み込み
import { ComponentFactoryResolver, ViewContainerRef } from '@angular/core';
@Component({
selector: 'app-dynamic-component',
template: `
`
})
export class DynamicComponent {
// ...
}
@Component({
selector: 'app-my-component',
template: `
<button (click)="loadDynamicComponent()">Load Dynamic Component</button>
<div #dynamicComponentContainer></div>
`
})
export class MyComponent {
constructor(private componentFactoryResolver: ComponentFactoryResolver, private viewContainerRef: ViewContainer Ref) {}
loadDynamicComponent() {
const componentFactory = this.componentFactoryResolver.resolveComponentFactory(DynamicComponent);
const componentRef = this.viewContainerRef.createCompone nt(componentFactory, 0, this.viewContainerRef.injector);
// Access the dynamic component instance
const dynamicComponentInstance = componentRef.instance;
// You can now interact with the dynamic component instance
}
}
この方法では、ComponentFactoryResolver
を使用して動的コンポーネントのファクトリを取得し、ViewContainerRef
を使用してコンポーネントを動的に作成します。この方法により、より柔軟な動的コンポーネントの読み込みが可能になります。
どちらの方法を選択すべきか
- ComponentFactoryResolver
より複雑なシナリオや動的にコンポーネントを作成し、操作する場合に適しています。 - 直接参照
シンプルなケースやコンポーネントの表示/非表示を切り替える場合に適しています。
- 過剰な動的コンポーネントの使用は、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
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