HTML、CSS、角丸デザインで陥りがちな落とし穴:border-radiusとborder-collapseの葛藤
HTML、CSS、角丸デザインで陥りがちな落とし穴:border-radiusとborder-collapseの葛藤
border-collapseプロパティは、表のセル間のボーダーを結合し、1つのボーダーとして表示します。一方、border-radiusプロパティは、要素の角を丸くします。一見相性の良さそうな2つのプロパティですが、実はborder-collapse: collapseが設定されている場合、border-radiusは無効化されてしまうのです。
つまり、border-collapse: collapseでセル間のボーダーを結合した状態で角丸デザインを適用することは、CSSの仕様上できないということになります。
では、どうすれば良いのでしょうか? 実は、諦める必要はありません。以下、border-collapseとborder-radiusを共存させ、角丸デザインを実現するための解決策をご紹介します。
解決策1:疑似要素と枠線で角を丸める
- セルと区切り線にそれぞれボーダーを設定します。
- セルに疑似要素 (
::before
または::after
) を追加し、背景色で疑似要素の領域を作成します。 - 疑似要素にborder-radiusを設定し、角を丸めます。
この方法では、疑似要素を利用して疑似的な枠線を生成し、そこにborder-radiusを適用することで、角丸デザインを実現します。
解決策2:隣接するセル同士のボーダーを調整する
- 隣接するセル同士のボーダーのみを残し、その他のボーダーを非表示にします。
この方法では、隣接するセル同士のボーダーのみを表示することで、あたかも角丸デザインのように見せることができます。
解決策3:JavaScriptライブラリを使用する
- border-radiusとborder-collapseを同時に適用できるJavaScriptライブラリを使用します。
- ライブラリが提供する関数を使用して、角丸デザインを生成します。
この方法では、ライブラリの機能を利用することで、border-radiusとborder-collapseの同時適用を実現します。
これらの解決策はそれぞれ一長一短があり、状況に応じて使い分けることが重要です。デザインの複雑さや互換性などを考慮し、最適な方法を選択しましょう。
補足情報
- 上記の解決策以外にも、CSSフレームワークやグリッドレイアウトシステムなどを利用することで、角丸デザインを実現する方法があります。
- それぞれの解決策の具体的なコード例については、以下の参考資料を参照してください。
HTML、CSS、角丸デザインで陥りがちな落とし穴:border-radiusとborder-collapseの葛藤 - サンプルコード
解決策1:疑似要素と枠線で角を丸める
<table>
<tr>
<th>項目1</th>
<th>項目2</th>
<th>項目3</th>
</tr>
<tr>
<td>データ1</td>
<td>データ2</td>
<td>データ3</td>
</tr>
<tr>
<td>データ4</td>
<td>データ5</td>
<td>データ6</td>
</tr>
</table>
table {
border-collapse: collapse;
width: 100%;
}
th, td {
border: 1px solid #ccc;
padding: 10px;
text-align: center;
}
th::before,
th::after,
td::before,
td::after {
content: '';
position: absolute;
top: 0;
left: 0;
width: 100%;
height: 100%;
border-radius: 5px;
background-color: #fff;
}
th::before,
td::before {
z-index: -1;
}
解決策2:隣接するセル同士のボーダーを調整する
<table>
<tr>
<th>項目1</th>
<th>項目2</th>
<th>項目3</th>
</tr>
<tr>
<td>データ1</td>
<td>データ2</td>
<td>データ3</td>
</tr>
<tr>
<td>データ4</td>
<td>データ5</td>
<td>データ6</td>
</tr>
</table>
table {
border-collapse: collapse;
width: 100%;
}
th, td {
border: none;
padding: 10px;
text-align: center;
}
th:first-child,
td:first-child {
border-left: 1px solid #ccc;
}
th:last-child,
td:last-child {
border-right: 1px solid #ccc;
}
tr:first-child th,
tr:first-child td {
border-top: 1px solid #ccc;
}
tr:last-child th,
tr:last-child td {
border-bottom: 1px solid #ccc;
}
th:first-child::before,
th:last-child::before,
td:first-child::before,
td:last-child::before {
content: '';
position: absolute;
top: 0;
left: 0;
width: 50%;
height: 100%;
border-radius: 5px;
background-color: #fff;
}
th:first-child::before,
td:first-child::before {
left: auto;
right: 0;
}
th:last-child::before,
td:last-child::before {
left: 0;
right: auto;
}
解決策3:JavaScriptライブラリを使用する
Border Radius CollapseというJavaScriptライブラリを使用する例を紹介します。
HTML
<table>
<tr>
<th>項目1</th>
<th>項目2</th>
<th>項目3</th>
</tr>
<tr>
<td>データ1</td>
<td>データ2</td>
<td>データ3</td>
</tr>
<tr>
<td>データ4</td>
<td>データ5</td>
<td>データ6</td>
</tr>
</table>
CSS
table {
border-collapse: collapse;
width: 100%;
}
th, td {
border: none;
padding: 10px;
text-align: center;
}
HTML、CSS、角丸デザインで陥りがちな落とし穴:border-radiusとborder-collapseの葛藤 - その他の方法
方法4:CSSフレームワークを利用する
BootstrapやFoundationなどのCSSフレームワークには、角丸デザインを簡単に生成できるユーティリティクラスが用意されています。これらのクラスを利用することで、コードを簡潔に記述することができます。
方法5:グリッドレイアウトシステムを利用する
CSS Grid LayoutやFlexboxなどのグリッドレイアウトシステムを利用することで、より柔軟な角丸デザインを実現することができます。それぞれのセルを個別にスタイリングすることで、複雑なデザインにも対応できます。
方法6:SVGを利用する
SVG(Scalable Vector Graphics)を利用することで、より高精度な角丸デザインを実現することができます。SVGはベクター画像形式なので、拡大縮小しても画質が劣化しません。
背景画像に角丸デザインを施した画像を利用することで、疑似的な角丸デザインを実現することができます。この方法は、比較的簡単に実装できますが、デザインの自由度が低くなります。
それぞれの方法のメリットとデメリット
上記で紹介した方法はそれぞれ、メリットとデメリットがあります。
- 解決策1:疑似要素と枠線で角を丸める
- メリット:比較的シンプルなコードで実装できる。
- デメリット:疑似要素の重ね合わせ処理が複雑になる場合がある。
- 解決策2:隣接するセル同士のボーダーを調整する
- メリット:疑似要素を使用しないので、コードがシンプルになる。
- デメリット:デザインの自由度が低くなる。
- 解決策3:JavaScriptライブラリを使用する
- メリット:複雑な角丸デザインにも対応できる。
- デメリット:JavaScriptライブラリの読み込みが必要になる。
- 方法4:CSSフレームワークを利用する
- デメリット:CSSフレームワークに依存することになる。
- 方法5:グリッドレイアウトシステムを利用する
- デメリット:グリッドレイアウトシステムの知識が必要になる。
- 方法6:SVGを利用する
- デメリット:SVGの知識が必要になる。
- 方法7:背景画像を利用する
html css rounded-corners