ステートレスコンポーネントへの ref の渡し方

2024-10-28

React では、通常、ref は状態を持つクラスコンポーネントにアタッチされます。しかし、関数型コンポーネント(ステートレスコンポーネント)にも ref をアタッチする方法はあります。

方法 1: Callback Ref

  1. useRef Hook

    import { useRef, useCallback } from 'react';
    
    function MyStatelessComponent(props) {
      const ref = useRef(null);
    
      const handleRef = useCallback((node) => {
        ref.current = node;
      }, []);
    
      return <div ref={handleRef}>{/* ... */}</div>;
    }
    
  2. 親コンポーネントでのアクセス

    function ParentComponent() {
      const myRef = useRef(null);
    
      return (
        <div>
          <MyStatelessComponent ref={myRef} />
          {/* Access the DOM node: myRef.current */}
        </div>
      );
    }
    

方法 2: ForwardRef

  1. ForwardRef を使用したコンポーネントの定義

    const MyForwardRefComponent = React.forwardRef((props, ref) => {
      return <div ref={ref}>{/* ... */}</div>;
    });
    

注意

  • 可能であれば、状態やプロップの管理を通じて、ref の使用を最小限に抑えることを目指しましょう。
  • ref は、フォームのフォーカス制御、アニメーションのトリガー、サードパーティライブラリとの統合など、特定のシナリオで有用です。
  • ref は DOM ノードや React 要素への参照を取得するためのものです。不必要な場合は使用を避けてください。



ステートレスコンポーネントへの ref のアタッチメント:コード解説

なぜ ref をステートレスコンポーネントにアタッチしたいのか?

通常、ref は状態を持つクラスコンポーネントにアタッチして、DOM ノードへの直接的なアクセスを得ることが多いです。しかし、関数型コンポーネント(ステートレスコンポーネント)にも ref をアタッチしたいケースがあります。例えば、

  • サードパーティライブラリと連携したい
  • アニメーションをトリガーしたい
  • フォーカスを制御したい

といった場合です。

具体的な方法

方法 1: Callback Ref (useRef Hook)

import { useRef, useCallback } from 'react';

function MyStatelessComponent(props) {
  const ref = useRef(null);

  // useCallback を使って、ref の値を更新する関数をメモ化
  const handleRef = useCallback((node) => {
    ref.current = node;
  }, []);

  return <div ref={handleRef}>{/* ... */}</div>;
}
  • useCallback
    handleRef 関数をメモ化することで、不必要な再レンダリングを防ぎ、パフォーマンスを向上させます。
  • callbackRef
    ref プロパティに直接渡すのではなく、関数を渡します。この関数に、レンダリングされた DOM ノードが渡されます。
  • useRef Hook
    ref を作成します。 current プロパティに、ref が指す DOM ノードが格納されます。

<!-- end list -->

function ParentComponent() {
  const myRef = useRef(null);

  return (
    <div>
      <MyStatelessComponent ref={myRef} />
      {/* myRef.current で DOM ノードにアクセス */}
    </div>
  );
}
const MyForwardRefComponent = React.forwardRef((props, ref) => {
  return <div ref={ref}>{/* ... */}</div>;
});
  • props, ref
    コンポーネントに渡される props と、外部から渡される ref を受け取ります。
  • forwardRef
    関数型コンポーネントに ref を渡すための高階関数です。
function ParentComponent() {
  const myRef = useRef(null);

  return (
    <div>
      <MyForwardRefComponent ref={myRef} />
      {/* myRef.current で DOM ノードにアクセス */}
    </div>
  );
}

どちらの方法を選ぶべきか?

  • 複雑なコンポーネントで、再利用性が高い
    ForwardRef
  • シンプルで、DOM ノードへのアクセスが目的
    useCallback Ref

注意点

  • ref は、状態管理の代替ではありません。状態を管理したい場合は、useState や useReducer を使用してください。
  • ref は、DOM ノードへの直接的なアクセスを提供するため、誤った使い方をすると、意図しない副作用を引き起こす可能性があります。
  • ref は、React の宣言的なスタイルからは少し外れる概念です。過度な使用は避けるべきです。

ステートレスコンポーネントに ref をアタッチすることで、DOM ノードへの直接的なアクセスが可能になります。callback Ref と ForwardRef のどちらを使うかは、状況に応じて判断しましょう。

  • カスタムフック: useRef と useCallback を組み合わせたカスタムフックを作成することで、コードの再利用性を高めることができます。
  • TypeScript での型定義:
    interface MyRefObject {
      current: HTMLDivElement | null;
    }
    
    のように、ref.current の型を定義することで、より安全なコードを書くことができます。



カスタムフックによる抽象化


  • メリット
    • ref のロジックを再利用可能にする
    • コードの可読性を向上させる
import { useRef, useCallback } from 'react';

function useMyRef() {
  const ref = useRef(null);
  const setRef = useCallback((node) => {
    ref.current = node;
  }, []);

  return [ref, setRef];
}

function MyComponent() {
  const [myRef, setMyRef] = useMyRef();

  return <div ref={setMyRef}>{/* ... */}</div>;
}
  • 解説
    • カスタムフック useMyRef で ref の作成と更新のロジックをカプセル化します。
    • 他のコンポーネントでも useMyRef を呼び出すことで、同じ ref のロジックを共有できます。

Context API を利用した ref の共有

  • メリット
    • 深くネストされたコンポーネント間で ref を共有できる
    • グローバルな状態管理に似た形で ref を管理できる
import { createContext, useContext, useRef } from 'react';

const MyRefContext = createContext(null);

function MyComponent() {
  const myRef = useRef(null);

  return (
    <MyRefContext.Provider value={myRef}>
      {/* ... */}
    </MyRefContext.Provider>
  );
}

function ChildComponent() {
  const myRef = useContext(MyRefContext);

  return <div ref={myRef}>{/* ... */}</div>;
}
  • 解説
    • MyRefContext という Context を作成し、ref をその値として共有します。
    • 子コンポーネントで useContext を使って ref にアクセスします。

レンダープロップ (Render Props)

  • メリット
    • 柔軟なコンポーネントの構成が可能
    • 高度なカスタマイズに適している
function MyInputWithRef({ render }) {
  const ref = useRef(null);

  return render({ ref });
}

function MyComponent() {
  return (
    <MyInputWithRef
      render={({ ref }) => <input ref={ref} />}
    />
  );
}
  • 解説
    • MyInputWithRef コンポーネントが ref を持ち、render プロップを通じて子コンポーネントに ref を渡します。
    • 子コンポーネントは、render プロップで受け取った ref を自由に利用できます。
  • 高度なカスタマイズが必要で、柔軟な構成をしたい
    render props
  • 深い階層で ref を共有したい
    Context API
  • 再利用性と可読性を高めたい
    カスタムフック
  • シンプルで、コンポーネント内で完結する
    callback ref

選択のポイント

  • 柔軟性
    render props は、非常に柔軟なコンポーネントの構成を可能にします。
  • 共有範囲
    Context API は、グローバルな状態のように ref を共有したい場合に適しています。
  • 再利用性
    カスタムフックは、ref のロジックを再利用したい場合に便利です。
  • コードの複雑さ
    カスタムフックや Context API は、コードの複雑さを増す可能性があります。

ステートレスコンポーネントに ref をアタッチする方法には、様々な選択肢があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、状況に合わせて最適な方法を選択することが重要です。

  • TypeScript
    TypeScript を使用することで、ref の型を安全に定義できます。
  • React Hooks
    useRef 以外にも、useImperativeHandle など、ref に関連する Hook があります。

reactjs typescript jsx



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