Angular変更検出メソッド解説

2024-10-21

AngularにおけるmarkForCheck()detectChanges()の違い

Angularのコンポーネントの変更検出メカニズムにおいて、markForCheck()detectChanges()は、変更を検出してレンダリングをトリガーするための重要なメソッドです。

markForCheck()


  • import { Component, ChangeDetectorRef } from '@angular/core';
    
    @Component({
      selector: 'my-component',
      template: `
        <p>{{ value }}</p>
      `
    })
    export class MyComponent {
      value: number = 0;
    
      constructor(private changeDetectorRef: ChangeDetectorRef) {}
    
      updateValue() {
        this.value++;
        this.changeDetectorRef.markForCheck();
      }
    }
    
  • 副作用
    コンポーネントとその子コンポーネントが次の変更検出サイクルでチェックされるようになります。
  • タイミング
    通常、コンポーネントのロジック内で、変更が発生した後に呼び出されます。
  • 機能
    コンポーネントとその子コンポーネントを変更検出サイクルに登録します。

detectChanges()

  • 副作用
    コンポーネントとその子コンポーネントが即座にレンダリングされます。
  • タイミング
    一般的に、コンポーネントのロジック内で、変更が発生した後に、すぐにレンダリングが必要な場合に呼び出されます。
  • 機能
    コンポーネントとその子コンポーネントに対して、即座に変更検出を実行し、レンダリングをトリガーします。
  • detectChanges()は、即座に変更検出を実行し、レンダリングをトリガーします。
  • markForCheck()は、変更を検出サイクルに登録し、次の変更検出サイクルでレンダリングをトリガーします。



import { Component, ChangeDetectorRef } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-component',
  template: `
    <p>{{ value }}</p>
  `
})
export class MyComponent {
  value: number = 0;

  constructor(private changeDetectorRef: ChangeDetectorRef) {}

  updateValue() {
    this.value++;
    this.changeDetectorRef.markForCheck();
  }
}
  • 説明
    • updateValue()メソッド内で、valueプロパティの値をインクリメントします。
    • markForCheck()メソッドを呼び出すことで、コンポーネントとその子コンポーネントを次の変更検出サイクルに登録します。
    • 次の変更検出サイクルで、valueプロパティの変更が検出され、テンプレートが更新されます。
import { Component, ChangeDetectorRef } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-component',
  template: `
    <p>{{ value }}</p>
  `
})
export class MyComponent {
  value: number = 0;

  constructor(private changeDetectorRef: ChangeDetectorRef) {}

  updateValue() {
    this.value++;
    this.changeDetectorRef.detectChanges();
  }
}
  • 説明
    • detectChanges()メソッドを呼び出すことで、コンポーネントとその子コンポーネントに対して、即座に変更検出を実行し、テンプレートを更新します。



OnPush 変更検出戦略

  • 注意点
    コンポーネント内部で直接DOMを操作する場合や、外部のライブラリを使用する場合など、OnPush戦略がうまく機能しないケースもあります。
  • メリット
    不要な変更検出を減らし、パフォーマンスを向上させることができます。
@Component({
  selector: 'my-component',
  template: `
    <p>{{ value }}</p>
  `,
  changeDetection: ChangeDetectionStrategy.OnPush
})
export class MyComponent {
  // ...
}

AsyncPipe

  • 注意点
    複雑なロジックには適さない場合があります。
  • メリット
    ObservableやPromiseから得られるデータを簡単にバインドできます。
<p>{{ myObservable$ | async }}</p>

Immutability Helpers

  • 注意点
    既存のコードとの整合性を考慮する必要があります。
  • メリット
    変更検出のオーバーヘッドを減らすことができます。
import { ImmutableArray } from '@angular/core';

const originalArray = [1, 2, 3];
const newArray = [...originalArray, 4]; // 新しい配列を作成

ViewChild/ContentChild

  • 注意点
    過度に使用すると、コンポーネント間の結合度が高くなってしまいます。
  • メリット
    親コンポーネントから子コンポーネントの状態を制御できます。
@ViewChild('myChild') myChild: MyChildComponent;

NgZone

  • 注意点
    誤った使い方をすると、パフォーマンス問題を引き起こす可能性があります。
  • メリット
    Angularの外側のコードから変更検出をトリガーできます。
import { NgZone } from '@angular/core';

constructor(private ngZone: NgZone) {}

runOutsideAngular(() => {
  // Angularの変更検出ゾーンの外で実行
});

カスタム変更検出戦略

  • 注意点
    実装が複雑になる可能性があります。
  • メリット
    特殊なケースに対応した変更検出戦略を構築できます。

パフォーマンスチューニング

  • 具体例
    • *ngIf*ngForディレクティブの最適化
    • OnPush戦略の活用
    • PurePipeの使用
    • ChangeDetectionStrategy.OnPushとの組み合わせ

Angularの変更検出は、アプリケーションのパフォーマンスに大きく影響するため、適切な方法を選択することが重要です。上記の方法は、状況に応じて使い分けることで、より効率的な変更検出を実現することができます。

選択のポイント

  • 複雑さ
    カスタム変更検出戦略は、複雑なロジックに対応する場合に有効ですが、実装難易度が高いです。
  • パフォーマンス
    OnPush戦略やパフォーマンスチューニングは、パフォーマンスを重視する場合に有効です。
  • 変更の頻度
    頻繁に変更されるデータには、AsyncPipeやImmutability Helpersが有効です。
  • プロジェクトの規模
    プロジェクトの規模や複雑さによって、最適な方法が異なります。
  • Angularのバージョン
    Angularのバージョンによって、変更検出の挙動が異なる場合があります。

注意

  • markForCheck()は、OnPush戦略を使用している場合に有効ですが、誤った使い方をすると無限ループに陥る可能性があります。
  • detectChanges()は、頻繁に呼び出すとパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。

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