Angular アプリケーションのコンパイル方法: JiT vs AoT
Angularには、Just-in-Time(JiT)コンパイルとAhead-of-Time(AoT)コンパイルという2種類のコンパイル方法があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解することは、開発効率とパフォーマンス向上に役立ちます。
Just-in-Time(JiT)コンパイル
概要
JiTコンパイルは、ブラウザで実行時にテンプレートとTypeScriptコードをJavaScriptコードに変換する方法です。開発時に利用されることが多く、以下のようなメリットがあります。
- 開発効率の向上: ブラウザで直接コードを実行できるため、コード変更の反映が迅速で、開発サイクルが短縮されます。
- デバッグの容易さ: エラーが発生した場合、ブラウザの開発者ツールを使ってコードを直接デバッグできます。
デメリット
一方で、JiTコンパイルには以下のようなデメリットがあります。
- パフォーマンスの低下: ブラウザが実行時にコンパイルを行うため、アプリケーションの起動時間が遅くなります。
- コードサイズ増加: テンプレートとTypeScriptコードがそのままJavaScriptコードに変換されるため、コードサイズが大きくなります。
利用シーン
JiTコンパイルは、以下の様な場合に適しています。
- 開発初期段階で、コード変更を頻繁に行う場合
- アプリケーションの規模が小さい場合
- デバッグを容易に行いたい場合
Ahead-of-Time(AoT)コンパイル
- セキュリティの向上: コードが事前にコンパイルされているため、一部の攻撃手法に対するリスクが軽減されます。
- 開発効率の低下: コード変更を反映するためには、ビルドを再実行する必要があります。
- 開発完了後の本番環境
- パフォーマンスを重視する場合
Just-in-Time(JiT)コンパイルとAhead-of-Time(AoT)コンパイルは、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。開発環境やアプリケーションの要件に合わせて、適切なコンパイル方法を選択することが重要です。
Just-in-Time(JiT)コンパイル
<h1>{{ title }}</h1>
<p>This is the main component.</p>
// コンポーネントファイル (app.component.ts)
import { Component } from '@angular/core';
@Component({
selector: 'my-app',
templateUrl: './app.component.html',
})
export class AppComponent {
title = 'Angular App';
}
Ahead-of-Time(AoT)コンパイル
AoTコンパイルを使用する場合、ng build
コマンドを実行することで、app.component.html
とapp.component.ts
は事前にJavaScriptコードに変換されます。
ng build
ビルドが完了すると、dist
フォルダにJavaScriptコードを含むファイルが生成されます。これらのファイルを本番環境にデプロイすることで、アプリケーションを実行できます。
AoTコンパイルを使用する場合は、@angular/compiler-cli
パッケージをプロジェクトにインストールする必要があります。
npm install @angular/compiler-cli --save
上記サンプルコードは、Just-in-Time(JiT)コンパイルとAhead-of-Time(AoT)コンパイルの基本的な動作を示しています。これらのコンパイル方法の詳細については、上記の参考情報をご覧ください。
Angularアプリケーションのコンパイル方法
Webpackは、JavaScriptモジュールバンドラーであり、Angularアプリケーションのコンパイルにも使用できます。Webpackを使用すると、Angularアプリケーションのコードを分割して、複数のファイルにまとめることができます。これにより、アプリケーションの読み込み速度を向上させることができます。
Rollupは、JavaScriptモジュールバンドラーであり、Webpackと同様にAngularアプリケーションのコンパイルにも使用できます。Rollupは、Webpackよりも軽量で高速なモジュールバンドラーとして知られています。
Parcelは、JavaScript、CSS、HTMLなどのWebフロントエンドのファイルを単一のファイルにバンドルするためのツールです。Parcelは、WebpackやRollupよりも使いやすく、開発環境でのみ使用したい場合に適しています。
Angular CLIは、Angularアプリケーションの作成、開発、デプロイを支援するコマンドラインツールです。Angular CLIには、ng build
コマンドを使用してアプリケーションをコンパイルする機能があります。
Angularアプリケーションをコンパイルするには、いくつかの方法があります。それぞれの方法には、メリットとデメリットがあります。開発環境やアプリケーションの要件に合わせて、適切な方法を選択することが重要です。
angular compilation