Angular 2でSPAを構築するためのベストプラクティス:サブモジュールルーティングとネストされた<router-outlet>の重要性
Angular 2におけるサブモジュールルーティングとネストされた<router-outlet>:詳細解説
サブモジュールとルートの概念
まず、サブモジュールとルートの概念を明確にすることが重要です。
- ルート
アプリケーション内の特定の画面またはコンポーネントを表すURLパターンです。ルートは、ユーザーがアプリケーション内で移動するパスを定義します。
サブモジュールルーティングとは?
サブモジュールルーティングは、サブモジュール内に独自の一連のルートを定義することを指します。これにより、各サブモジュールは、その機能に関連する個別URL構造を持つことができます。
サブモジュールルーティングの利点は以下の通りです。
- URLの明確性
サブモジュールの機能を反映した明確で分かりやすいURL構造を構築することができます。 - 再利用性
共通の機能をサブモジュールとして作成し、異なる部分で再利用することができます。 - モジュールの分離
サブモジュールごとにルートを定義することで、コードベースを論理的に分割し、保守しやすくなります。
ネストされた<router-outlet>とは?
ネストされた<router-outlet>
は、親コンポーネント内に子コンポーネントのルーティングを表示するために使用されます。これにより、親コンポーネント内で子コンポーネントのルートを階層的に配置することができます。
ネストされた<router-outlet>
を使用する利点は以下の通りです。
- コードの簡潔性
ルーティングロジックを親コンポーネントに集中させることで、子コンポーネントのコードを簡潔にすることができます。 - 柔軟性
複雑なUI構造を構築し、URLの変化に応じて動的に表示を切り替えることができます。 - UIの構造化
親コンポーネントをレイアウトコンテナーとして使用し、子コンポーネントをURLによって動的に表示することができます。
サブモジュールルーティングとネストされた<router-outlet>の実装
サブモジュールルーティングとネストされた<router-outlet>
を実装するには、以下の手順に従います。
サブモジュールを作成
ng generate module
コマンドを使用して、サブモジュールを作成します。
サブモジュールのルートを定義
- サブモジュールのコンポーネントをルートコンポーネントとして指定します。
RouterModule.forChild()
を使用して、サブモジュールのルートを定義します。- サブモジュールの
routing.module.ts
ファイルを作成します。
親コンポーネントにネストされた<router-outlet>を追加
<router-outlet>
タグを適切な位置に配置します。- 親コンポーネントのテンプレートに
<router-outlet>
タグを追加します。
サブモジュールをインポートし、ルーティングを設定
AppRoutingModule
のimports
配列にサブモジュールのルーティングモジュールを追加します。- 親コンポーネントの
app.module.ts
ファイルで、サブモジュールをインポートします。
アプリケーションルートでサブモジュールパスを定義
- サブモジュールのパスを
loadChildren
プロパティで指定し、サブモジュールのルーティングモジュールをロードするように設定します。 AppRoutingModule
のroutes
配列で、サブモジュールへのパスを定義します。
例
以下の例は、サブモジュールルーティングとネストされた<router-outlet>
を使用して、シンプルなブログアプリケーションを作成する方法を示しています。
app.module.ts
import { NgModule } from '@angular/core';
import { BrowserModule } from '@angular/platform-browser';
import { AppComponent } from './app.component';
import { AppRoutingModule } from './app-routing.module';
import { PostsModule } from './posts/posts.module';
@NgModule({
declarations: [
AppComponent
],
imports:
import { NgModule } from '@angular/core';
import { BrowserModule } from '@angular/platform-browser';
import { AppComponent } from './app.component';
import { AppRoutingModule } from './app-routing.module';
import { PostsModule } from './posts/posts.module';
@NgModule({
declarations: [
AppComponent
],
imports: [
BrowserModule,
AppRoutingModule,
PostsModule
],
providers: [],
bootstrap: [AppComponent]
})
export class AppModule { }
app-routing.module.ts
import { NgModule } from '@angular/core';
import { RouterModule, Routes } from '@angular/router';
const routes: Routes = [
{ path: '', redirectTo: '/posts', pathMatch: 'full' },
{
path: 'posts',
loadChildren: () => import('./posts/posts.module').then(m => m.PostsModule)
}
];
@NgModule({
imports: [RouterModule.forRoot(routes)],
exports: [RouterModule]
})
export class AppRoutingModule { }
posts.module.ts
import { NgModule } from '@angular/core';
import { RouterModule, Routes } from '@angular/router';
import { PostsListComponent } from './posts-list.component';
import { PostDetailComponent } from './post-detail.component';
const postsRoutes: Routes = [
{ path: '', component: PostsListComponent },
{ path: ':id', component: PostDetailComponent }
];
@NgModule({
declarations: [
PostsListComponent,
PostDetailComponent
],
imports: [
RouterModule.forChild(postsRoutes)
],
exports: [RouterModule]
})
export class PostsModule { }
posts-list.component.html
<div class="posts-list">
<h2>記事一覧</h2>
<ul>
<li *ngFor="let post of posts">
<a routerLink="/posts/{{post.id}}">{{post.title}}</a>
</li>
</ul>
</div>
<div class="post-detail">
<h2>{{post.title}}</h2>
<p>{{post.content}}</p>
</div>
この例でどのようにサブモジュールルーティングとネストされた<router-outlet>
が実装されているのか、詳細を説明します。
-
PostsModule
をインポートし、imports
配列に追加することで、サブモジュールをアプリケーションモジュールに組み込みます。AppRoutingModule
のimports
配列にPostsModule
のルーティングモジュールを追加することで、サブモジュールのルートをアプリケーションのルートにマッピングします。
-
/posts
パスへのアクセスをPostsModule
のルートにリダイレクトするように設定します。loadChildren
プロパティを使用して、PostsModule
を非同期にロードし、そのルーティングを設定します。
-
PostsListComponent
とPostDetailComponent
コンポーネントを宣言します。/
パスはPostsListComponent
にマップされ、記事のリストを表示します。:id
パラメーターを含むパスはPostDetailComponent
にマップされ、特定の記事の詳細を表示します。
-
*ngFor
ディレクティブを使用して、posts
プロパティから記事のリストを反復処理します。- 各記事のタイトルに
routerLink
ディレクティブを使用して、記事詳細ページへのリンクを作成します。
-
post
プロパティを使用して、現在表示されている記事の詳細を表示します。
- 短所
- ルーティングロジックが複雑になる可能性があります。
- コンポーネントコードにロジックを追加する必要があるため、コンポーネントが煩雑になる可能性があります。
- 長所
- 特定のルートへのアクセスを制御することができます。
- 認証や認可ロジックを実装するのに役立ちます。
例
canActivate: [AuthGuard]
カスタムルーティングモジュールを使う
- 短所
- 設定が複雑になる可能性があります。
- アプリケーションのモジュール構造が複雑になる可能性があります。
- 長所
- 再利用可能なルーティングロジックをカプセル化することができます。
- コードをよりモジュール化し、保守しやすくなります。
import { NgModule } from '@angular/core';
import { RouterModule, Routes } from '@angular/router';
const routes: Routes = [
{ path: 'posts', loadChildren: () => import('./posts/posts.routing.module').then(m => m.PostsRoutingModule) }
];
@NgModule({
imports: [RouterModule.forRoot(routes)],
exports: [RouterModule]
})
export class AppRoutingModule { }
Lazy Loading with ngrx-store
- 短所
- Ngrx Storeライブラリを使用する必要があるため、学習曲線が大きくなります。
- 長所
- コンポーネントとモジュールを非同期にロードすることで、パフォーマンスを向上させることができます。
- コード分割を改善し、アプリケーションのサイズを小さくすることができます。
import { Injectable } from '@angular/core';
import { Store } from '@ngrx/store';
import { Actions, of } from '@ngrx/effects';
@Injectable()
export class PostsEffects {
constructor(private actions$: Actions, private store: Store<AppState>) { }
loadPosts() {
this.store.dispatch(of({ type: '[Posts] Load Posts' }));
}
}
UI Routerを使う
- 短所
- Angularとの統合が複雑になる可能性があります。
- 学習曲線が大きくなります。
- 長所
- Angularの公式ルーターよりも強力で柔軟な機能を提供します。
- ネストされたステート、パラメーター、クエリ文字列など、高度なルーティング機能をサポートしています。
import { UIRouter, states } from '@uirouter/core';
const router = new UIRouter({
states: [
{
name: 'posts',
url: '/posts',
component: PostsListComponent,
resolve: {
posts: () => this.postsService.getPosts()
}
},
{
name: 'post',
url: '/posts/:id',
component: PostDetailComponent,
resolve: {
post: (stateParams) => this.postsService.getPost(stateParams.id)
}
}
]
});
サブモジュールルーティングとネストされた<router-outlet>
を実現する方法はいくつかあります。それぞれの方法には長所と短所があるため、アプリケーションの要件と開発者の好みを考慮して最適な方法を選択する必要があります。
- サードパーティ製のルーティングライブラリを使用する
NgRx RouterやNgSimpleRouterなどのライブラリは、Angularの公式ルーターよりも多くの機能を提供する場合があります。 - Angular CLIのng generate routeコマンドを使用する
このコマンドは、基本的なサブモジュールルーティングの設定をすばやく簡単に生成するのに役立ちます。
angular routes