TypeScriptのneverキーワードで型システムを強化! エラーを防ぐ使い方とサンプルコード
TypeScriptにおけるnever
キーワードの使い道
never
キーワードは、主に以下の2つの場面で使用されます。
例外をスローする関数の場合
function error(message: string): never {
throw new Error(message);
}
上記の例では、error
関数は常に例外をスローするため、never
を返します。これは、コンパイラがこの関数が決して正常終了しないことを認識し、潜在的なエラーを防ぐのに役立ちます。
無限ループに陥る関数の場合
function infiniteLoop(): never {
while (true) {
// 無限ループ
}
}
上記以外にも、never
キーワードは様々な用途で使用できます。例えば、以下のようなケースが挙げられます。
- 非同期処理: 非同期処理の結果型として
never
を使用することができます。 - ジェネリック型における制約: ジェネリック型の制約として
never
を使用することで、その型が特定の条件を満たさないことを示すことができます。 - 未定義の値を扱う場合: 未定義の値を表す型として
never
を使用することができます。
never
キーワードを使用する利点
never
キーワードを使用する利点は、以下の通りです。
- ドキュメントの改善: コードの意図をより明確に伝えることができ、ドキュメントの改善に役立ちます。
- 型チェックの強化: コンパイラによる型チェックを強化し、潜在的なエラーを防ぐことができます。
- コードの明確性: コードが決して値を返さないことを明確に示すことができ、プログラムの理解しやすさを向上させることができます。
function error(message: string): never {
throw new Error(message);
}
try {
error("エラーが発生しました");
} catch (error) {
console.error(error.message);
}
この例では、error
関数は常に例外をスローするため、never
を返します。try-catch
ブロックを使用して、発生する可能性のある例外を処理しています。
function infiniteLoop(): never {
while (true) {
// 無限ループ
}
}
// infiniteLoop() 関数は呼び出さない方が良いです。
この例では、infiniteLoop
関数は無限ループに陥るため、never
を返します。この関数は呼び出さない方が安全です。
未定義の値を扱う場合
type NeverValue = never;
function getValue(): NeverValue {
// 常に未定義の値を返す
return undefined;
}
let value: NeverValue = getValue();
// value は常に undefined であることが保証される
console.log(value); // undefined
この例では、NeverValue
型をnever
を使用して定義し、常に未定義の値を返すgetValue
関数を定義しています。value
変数はNeverValue
型に割り当てられるため、常にundefined
であることが保証されます。
ジェネリック型における制約
type NeverFunction = (...args: any[]) => never;
function callNeverFunction(fn: NeverFunction): void {
fn(1, 2, 3);
}
// callNeverFunction() 関数は、引数に never 型の関数を渡す必要がある
callNeverFunction(error); // 正しい
callNeverFunction((a, b, c) => {
return a + b + c;
}); // エラー: 関数は決して値を返さない型である必要
この例では、NeverFunction
型をnever
を使用して定義し、引数にnever
型の関数を渡すことができるcallNeverFunction
関数を定義しています。callNeverFunction
関数は、常に例外をスローするerror
関数のように、決して値を返さない関数のみを受け入れることができます。
非同期処理
type AsyncResult<T> = Promise<T> | never;
async function fetchData(): AsyncResult<string> {
try {
const response = await fetch('https://example.com/data');
const data = await response.json();
return data;
} catch (error) {
console.error(error);
return Promise.reject(error);
}
}
fetchData().then(data => {
console.log(data);
}).catch(error => {
console.error(error);
});
void
型は、関数が値を返さないことを示すために使用できます。ただし、never
キーワードとは異なり、void
型は関数が例外をスローする可能性があることを示しません。
function logMessage(message: string): void {
console.log(message);
}
logMessage("Hello, world!"); // 値を返さない
上記の例では、logMessage
関数はvoid
型を返します。これは、関数が値を返さないことを示しますが、例外をスローする可能性があることを示しません。
関数が予期しないエラーが発生した場合、例外をスローすることができます。
function divide(x: number, y: number): number {
if (y === 0) {
throw new Error("Division by zero");
}
return x / y;
}
try {
const result = divide(10, 0);
console.log(result);
} catch (error) {
console.error(error.message);
}
上記の例では、divide
関数は0
で除算しようとすると例外をスローします。try-catch
ブロックを使用して、発生する可能性のある例外を処理しています。
ジェネリック型を使用する
ジェネリック型を使用して、関数が返す値の型を制約することができます。
type NeverOrNumber = never | number;
function square(x: number): NeverOrNumber {
if (x < 0) {
return never;
}
return x * x;
}
const result = square(-1); // never 型
const result2 = square(10); // number 型
上記の例では、NeverOrNumber
型をnever
またはnumber
として定義し、square
関数の戻り値の型を制約しています。square
関数は、引数が負の場合はnever
を返し、引数が0以上の場合は引数の平方を返します。
非同期処理の型を使用する
非同期処理の結果型を表すために、Promise
型またはAsyncResult
型を使用することができます。
async function fetchData(): Promise<string> {
// ...
}
fetchData().then(data => {
console.log(data);
}).catch(error => {
console.error(error);
});
上記の例では、fetchData
関数は成功時にデータのJSONオブジェクトを返
し、失敗時にエラーを返すPromise
型を返します。Promise.then()
とPromise.catch()
を使用して、非同期処理の結果を処理しています。
これらの方法は、それぞれ異なる状況で役立ちます。状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
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