let-* をマスターして Angular テンプレートをレベルアップ
Angular テンプレートにおける let-* の役割
let-* の基本的な使い方
let-*
は、let
キーワードと変数名、そして =
記号、そして式の順で記述します。式は、ループ変数、プロパティ、関数呼び出しなど、任意の式を指定できます。
例:
<ul>
<li *ngFor="let item of items">
{{ let-item }}
</li>
</ul>
この例では、items
配列の各要素を item
という変数に代入して、li
要素内で表示しています。
let-* のメリット
let-*
を使うことで、以下のメリットを得られます。
- コードの可読性向上: テンプレート内の変数名を自由に設定できるので、コードの意味を理解しやすくなります。
- スコープの明確化:
let-*
で定義された変数は、そのスコープ内でのみ有効なので、変数の名前空間を明確にできます。 - 複雑なテンプレートの簡潔化: 条件分岐やネストされたループなど、複雑なテンプレートを簡潔に記述できます。
let-*
は ng-if
と組み合わせて、条件分岐によって要素を表示・非表示を切り替える場合にも役立ちます。
<div *ngIf="item.visible">
<p>{{ let-item.name }}</p>
</div>
この例では、item.visible
が true
の場合のみ、p
要素が表示され、item.name
の値が表示されます。
let-* と PrimeNG の併用
PrimeNG は、Angular で利用できる UI コンポーネントライブラリです。let-*
は PrimeNG のコンポーネントと組み合わせて、コンポーネントの属性やデータにアクセスする場合にも利用できます。
<p-table [value]="data">
<ng-template pTemplate="body" let-item>
<tr>
<td>{{ let-item.name }}</td>
<td>{{ let-item.age }}</td>
</tr>
</ng-template>
</p-table>
この例では、PrimeNG の p-table
コンポーネントの body
テンプレートで let-item
を使って、data
配列の各要素にアクセスしています。
まとめ
let-*
は、Angular テンプレート内で変数を定義し、要素や属性をバインドするための便利な構文です。ループや条件分岐などの処理の中で、特定のスコープ内で変数を使い分ける場合に役立ちます。
let-*
を使いこなすことで、テンプレートの可読性、スコープの明確化、複雑なテンプレートの簡潔化などのメリットを得られます。
PrimeNG などの UI コンポーネントライブラリと組み合わせて、コンポーネントの属性やデータにアクセスする場合にも利用できます。
ループ処理と let-*
<ul>
<li *ngFor="let item of items">
{{ item.name }} - {{ item.age }}
</li>
</ul>
改良版:
<ul>
<li *ngFor="let item of items; let i = index">
{{ i + 1 }}: {{ item.name }} - {{ item.age }}
</li>
</ul>
この改良版では、let i = index
を使って、ループカウンタを i
という変数に代入しています。
条件分岐と let-*
<div *ngIf="item.visible">
<p>{{ item.name }}</p>
</div>
<div *ngIf="item.visible; let visible = item.visible">
<p *ngIf="visible">
{{ item.name }}
</p>
</div>
この改良版では、visible
という変数に item.visible
の値を代入し、ngIf
ディレクティブで 2 段階の条件分岐を行っています。
PrimeNG と let-*
<p-table [value]="data">
<ng-template pTemplate="body" let-item>
<tr>
<td>{{ item.name }}</td>
<td>{{ item.age }}</td>
</tr>
</ng-template>
</p-table>
このコードは、PrimeNG の p-table
コンポーネントを使って、data
配列のデータを表示します。
<p-table [value]="data">
<ng-template pTemplate="body" let-item let-i="rowIndex">
<tr>
<td>{{ i + 1 }}</td>
<td>{{ item.name }}</td>
<td>{{ item.age }}</td>
</tr>
</ng-template>
</p-table>
let-* 以外の方法
var
キーワードを使って、テンプレート内で変数を定義できます。
<ul>
<li *ngFor="let item of items">
{{ var itemVar = item; itemVar.name }}
</li>
</ul>
この例では、var
キーワードを使って itemVar
という変数を定義し、item
オブジェクトの name
プロパティにアクセスしています。
テンプレート参照変数を使って、テンプレート内の要素を参照し、その要素に関連する情報を取得できます。
<input type="text" #nameInput>
<p>{{ nameInput.value }}</p>
この例では、#nameInput
というテンプレート参照変数を使って、input
要素を参照し、その value
プロパティを取得しています。
コンポーネントプロパティを使って、コンポーネントクラスのプロパティをテンプレート内で参照できます。
<h1>{{ componentName }}</h1>
<p>{{ componentProp }}</p>
この例では、コンポーネントクラスの componentName
プロパティと componentProp
プロパティをテンプレート内で参照しています。
パイプを使って、テンプレート内でデータのフォーマットを変換したり、処理を行うことができます。
<p>{{ item.name | uppercase }}</p>
この例では、uppercase
パイプを使って、item.name
の文字列をすべて大文字に変換しています。
- シンプルな場合:
let-*
が最もシンプルで分かりやすい方法です。 - 複雑な場合:
var
キーワードやテンプレート参照変数を使うと、より柔軟なコードを書くことができます。 - コンポーネントプロパティ: コンポーネントクラスのプロパティを頻繁に使う場合は、テンプレート内で参照するとコードが簡潔になります。
- データの変換・処理: パイプを使うと、テンプレート内でデータの変換や処理を行うことができます。
それぞれの方法の特徴を理解して、状況に応じて使い分けることが重要です。
angular angular2-template primeng