Angularで要素の表示・非表示を自由自在に操る! 〜 *ngIf、[hidden]、そしてその他のテクニックを使いこなそう〜
Angularにおける*ngIfと[hidden]の違い
*ngIf
- 構造ディレクティブであり、真の式の場合にのみ要素を生成・挿入します。
- 偽の場合、要素は生成されず、DOMにも存在しません。
- 要素の生成・破棄を伴うため、頻繁な切り替えには適していません。
- 初回レンダリングのみで判定されるため、動的な条件で表示・非表示を切り替えるのには適しています。
例:
<div *ngIf="show">
コンテンツ
</div>
[hidden]
- 偽の場合、要素は非表示になりますが、DOMには残ります。
- 表示・非表示の切り替えが頻繁に行われる場合に適しています。
- 要素の生成・破棄を伴わないため、パフォーマンスに優れています。
- CSSの
display
プロパティを変更するため、他のCSSルールと干渉する可能性があります。
<div [hidden]="!show">
コンテンツ
</div>
使い分け
- 表示・非表示の切り替え頻度が低い場合は
*ngIf
- 初回レンダリングのみで判定される場合は
*ngIf
- 動的な条件で表示・非表示を切り替える場合は
*ngIf
- パフォーマンスが重要の場合は
[hidden]
補足
ngIf
は要素を生成・破棄するため、コンポーネントの初期化処理や破棄処理が実行されます。[hidden]
は要素を非表示にするだけであり、コンポーネントのライフサイクルには影響しません。- 最新のAngularでは、パフォーマンス向上のため
ngIf
よりも[hidden]
の使用が推奨されています。
シナリオ:
- 商品リストページにおいて、在庫切れの商品のみを非表示にする
HTML
<div class="product-list">
<div *ngFor="let product of products" class="product">
<div class="name">{{ product.name }}</div>
<div class="price">{{ product.price }}</div>
<div *ngIf="product.stock === 0" class="out-of-stock">在庫切れ</div>
<div [hidden]="product.stock > 0" class="in-stock">在庫あり</div>
</div>
</div>
TypeScript
export class ProductListComponent {
products = [
{ name: '商品A', price: 1000, stock: 5 },
{ name: '商品B', price: 2000, stock: 0 },
{ name: '商品C', price: 3000, stock: 10 },
];
}
CSS
.product-list {
display: flex;
flex-wrap: wrap;
}
.product {
margin: 10px;
padding: 10px;
border: 1px solid #ccc;
}
.name {
font-weight: bold;
}
.price {
color: #999;
}
.out-of-stock {
color: red;
}
.in-stock {
color: green;
}
説明
*ngFor
を使って、products
配列内の各商品に対してproduct
という変数に代入し、product
テンプレートを繰り返しレンダリングします。product.name
とproduct.price
は、商品の名前と価格を表示します。*ngIf
を使って、product.stock
が0の場合のみ在庫切れ
というメッセージを表示します。- CSSを使って、各要素のスタイルを設定しています。
ポイント
- この例では、
*ngIf
と[hidden]
を組み合わせて使用することで、在庫切れの商品のみを非表示にしています。 *ngIf
と[hidden]
はそれぞれ異なる挙動を持つため、状況に応じて適切なものを選択することが重要です。
このサンプルコードを参考に、*ngIf
と[hidden]
を使いこなして、より効率的でパフォーマンスの高いAngularアプリケーションを開発してください。
Angularで要素の表示・非表示を切り替えるその他の方法
ngSwitch
- 複数の条件に基づいて要素を切り替える場合に適しています。
case
ラベルを使って、それぞれの条件に対応する要素を定義します。*ngSwitchCase
ディレクティブを使って、どの条件に一致したかを判断します。
<div [ngSwitch]="condition">
<div *ngSwitchCase="'A'">コンテンツA</div>
<div *ngSwitchCase="'B'">コンテンツB</div>
<div *ngSwitchDefault>デフォルトコンテンツ</div>
</div>
ngClass
- 条件に応じて要素にCSSクラスを付与することで、表示・非表示を切り替える方法です。
ngClass
ディレクティブを使って、条件に基づいて追加・削除するCSSクラスを指定します。- CSSの
display
プロパティをnone
に設定することで、要素を非表示にします。
<div [ngClass]="{'hidden': show}">コンテンツ</div>
スタイルバインディング
- 条件に応じて要素のスタイルを直接変更する方法です。
<div [style.display]="show ? 'block' : 'none'">コンテンツ</div>
TemplateRef
TemplateRef
を使って、表示・非表示を切り替えるテンプレートを定義します。ngTemplateOutlet
ディレクティブを使って、条件に応じてテンプレートを挿入・削除します。
<ng-container *ngIf="show">
<ng-template #contentTemplate>コンテンツ</ng-template>
<ng-template ngTemplateOutlet="contentTemplate"></ng-template>
</ng-container>
それぞれの方法の利点と欠点
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
*ngIf | シンプルでわかりやすい | 要素の生成・破棄を伴うため、頻繁な切り替えには適していない |
[hidden] | パフォーマンスが良い | CSSのdisplay プロパティを変更するため、他のCSSルールと干渉する可能性がある |
ngSwitch | 複数の条件に基づいて要素を切り替えられる | 記述量が多くなる |
ngClass | 柔軟性が高い | CSSの知識が必要 |
スタイルバインディング | シンプルでわかりやすい | 複雑なロジックには向いていない |
TemplateRef | 複雑なロジックに対応できる | 記述量が多くなる |
Angularで要素の表示・非表示を切り替える方法は、状況に応じて適切なものを選択することが重要です。それぞれの方法の特徴を理解し、使い分けることで、より効率的でパフォーマンスの高いアプリケーションを開発することができます。
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