Angular 9 動的テンプレート参照変数解説

2024-10-29

Angular 9 では、*ngFor ディレクティブ内で動的なテンプレート参照変数を用いることで、繰り返し生成されるテンプレート要素を個別に参照し、操作することが可能になります。これは、ダイナミックな UI 要素やイベントハンドリングのシナリオにおいて非常に便利です。

基本的な例

<ng-template #myTemplate>
  <div>
    <input #myInput>
  </div>
</ng-template>

<div *ngFor="let item of items; let i = index">
  <ng-container *ngTemplateOutlet="myTemplate; context: { $implicit: item, index: i }"></ng-container>
</div>

この例では、myTemplate というテンプレート参照変数が定義されています。*ngFor ループ内で、*ngTemplateOutlet ディレクティブを使用して myTemplate を繰り返し出力し、context プロパティを使って各アイテムの情報を渡しています。

動的なテンプレート参照変数

動的なテンプレート参照変数を使用すると、*ngFor ループ内で生成される各テンプレート要素に対してユニークな参照名を与えることができます。これにより、各要素を個別に操作することが可能になります。

<ng-template #myTemplate let-item let-index="index">
  <div>
    <input #myInput_{{index}}>
  </div>
</ng-template>

<div *ngFor="let item of items; let i = index">
  <ng-container *ngTemplateOutlet="myTemplate; context: { $implicit: item, index: i }"></ng-container>
</div>

この例では、myInput_{{index}} という動的なテンプレート参照変数が使用されています。これにより、各入力要素に対してユニークな参照名 myInput_0, myInput_1, ... が生成されます。

ng-bootstrap との連携

ng-bootstrap は Angular 用の Bootstrap コンポーネントライブラリです。動的なテンプレート参照変数と組み合わせることで、ダイナミックなモーダルやツールチップなどのコンポーネントを作成することができます。

<ng-template #myModal let-item="item">
  <div class="modal-header">
    <h4 class="modal-title">{{ item.title }}</h4>
    <button type="button" class="close" aria-label="Close" (click)="modalRef.hide()">
      <span aria-hidden="true">&times;</span>
    </button>
  </div>
  <div class="modal-body   ">
    {{ item.content }}
  </div>
  <div class="modal-footer">
    <button type="button" class="btn btn-secondary" (   click)="modalRef.hide()">Close</button>
  </div>
</ng-template>

<button *ngFor="let item of items" (click)="openModal(item)">Open Modal</button>

この例では、myModal というテンプレート参照変数が定義されています。openModal メソッド内で、NgbModal サービスを使用してモーダルを開き、myModal テンプレートと item データを渡しています。




コード例の詳細解説

例1:基本的な使い方

<ng-template #myTemplate>
  <div>
    <input #myInput>
  </div>
</ng-template>

<div *ngFor="let item of items; let i = index">
  <ng-container *ngTemplateOutlet="myTemplate; context: { $implicit: item, index: i }"></ng-container>
</div>
  • #myInput
    myTemplate 内の入力要素にテンプレート参照変数を割り当てます。
  • *ngTemplateOutlet
    myTemplate を現在の位置に出力し、context プロパティで itemindex を渡します。
  • *ngFor
    items 配列の各要素に対して myTemplate を繰り返し出力します。
  • #myTemplate
    テンプレート参照変数を定義します。このテンプレートが *ngFor で繰り返し利用されます。

例2:動的なテンプレート参照変数の利用

<ng-template #myTemplate let-item let-index="index">
  <div>
    <input #myInput_{{index}}>
  </div>
</ng-template>

<div *ngFor="let item of items; let i = index">
  <ng-container *ngTemplateOutlet="myTemplate; context: { $implicit: item, index: i }"></ng-container>
</div>
  • #myInput_{{index}}
    index を使って動的なテンプレート参照変数を生成します。これにより、各入力要素にユニークな名前が付けられます。
<ng-template #myModal let-item="item">
  </ng-template>

<button *ngFor="let item of items" (click)="openModal(item)">Open Modal</button>
  • openModal(item)
    モーダルを開く際に、myModal テンプレートと item データを渡します。
  • #myModal
    モーダル用のテンプレート参照変数を定義します。

具体的なユースケース

  • モーダルやツールチップの動的な生成
    ng-bootstrap などのライブラリと組み合わせることで、データに応じてモーダルやツールチップを動的に生成できます。
  • リストアイテムの個別操作
    各リストアイテムにテンプレート参照変数を割り当てることで、クリックイベントやフォーカスイベントなどのイベントハンドリングを個別に設定できます。
  • 動的なフォームの生成
    *ngFor で複数の入力要素を生成し、各要素にユニークな名前を付けることで、フォームの動的な生成が可能になります。

動的なテンプレート参照変数は、Angular 9 でのテンプレートの柔軟な操作を可能にします。*ngFor と組み合わせることで、データに基づいて動的な UI を構築し、各要素を個別に制御することができます。

さらに詳しく知りたい方へ

  • ng-bootstrapドキュメント
    ng-bootstrap のコンポーネントと動的なテンプレート参照変数の連携方法が詳しく解説されています。
  • Angular公式ドキュメント
    テンプレート参照変数、*ngFor ディレクティブ、*ngTemplateOutlet ディレクティブの詳細な説明が記載されています。
  • 動的なテンプレート参照変数は、Angular のバージョンやライブラリによって、細かな実装が異なる場合があります。
  • 上記のコード例は簡略化されており、実際のアプリケーションでは、より複雑なロジックやスタイルが加わる場合があります。



ViewChildren クエリ


  • デメリット
  • メリット
    • テンプレート参照変数と同様に、各要素を個別に操作できます。
    • テンプレートの外から要素にアクセスできるため、コンポーネントロジックとの連携が容易です。
import { Component, ViewChildren, QueryList, ElementRef } from '@angular/core';

@Component({
  // ...
})
export class MyComponent {
  @ViewChildren('myInput') inputs: QueryList<ElementRef>;

  ngAfterViewInit() {
    this.inputs.forEach((input: ElementRef) => {
      // 各入力要素に対して処理を実行
      input.nativeElement.value = '初期値';
    });
  }
}

ng-template を使用しない

  • デメリット
    • テンプレートが複雑になると、可読性が低下する可能性があります。
    • テンプレート参照変数の機能を一部失う場合があります。
  • メリット
    • シンプルな構造で実装できます。
    • ng-template のオーバーヘッドを削減できます。
<div *ngFor="let item of items; let i = index">
  <input [id]="'myInput_' + i">
</div>

カスタムディレクティブ

  • デメリット
  • メリット
    • 再利用可能なロジックを作成できます。
    • 複雑な処理をカプセル化できます。
@Directive({
  selector: '[myDirective]'
})
export class MyDirective {
  @Input() index: number;
  // ...
}

どの方法を選ぶべきか

最適な方法は、以下の要素を考慮して決定する必要があります。

  • パフォーマンス
    大量の要素を扱う場合、パフォーマンスを考慮する必要があります。
  • 再利用性
    特定の機能を複数の場所で再利用したい場合は、カスタムディレクティブが適しています。
  • 要素へのアクセス方法
    コンポーネントから直接要素にアクセスしたい場合は、ViewChildren が便利です。
  • テンプレートの複雑さ
    シンプルなテンプレートであれば、ng-template を使用しない方法が適しているかもしれません。

動的なテンプレート参照変数は、Angular で柔軟なテンプレートを作成するための強力なツールですが、必ずしも唯一の選択肢ではありません。上記の代替方法を理解し、それぞれのメリット・デメリットを比較することで、最適な方法を選択することができます。

  • 上記以外にも、RxJS や状態管理ライブラリを活用した方法など、様々なアプローチが考えられます。
  • Angular のバージョンによって、詳細な実装が異なる場合があります。

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