Angular で Base64 エンコードされた画像を表示する際のセキュリティ対策

2024-07-27

問題点

Base64 エンコードされた画像を直接 img タグの src 属性に設定すると、XSS 攻撃などのセキュリティ上の脆弱性を引き起こす可能性があります。これは、悪意のあるユーザーが、img タグに不正な URL を挿入し、アプリケーションを乗っ取ってしまう可能性があるためです。

解決策

DomSanitizer サービスを使用して、Base64 エンコードされた画像を安全な URL に変換することで、この問題を解決できます。

具体的な手順

  1. DomSanitizer サービスをインポートします。
import { DomSanitizer } from '@angular/core';
const base64Image = 'data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';
const safeImageUrl = this.sanitizer.bypassSecurityTrustUrl(base64Image);
  1. 安全な URL を img タグの src 属性に設定します。
<img src="{{ safeImageUrl }}">

import { Component } from '@angular/core';
import { DomSanitizer } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-root',
  template: `
    <img src="{{ safeImageUrl }}">
  `
})
export class AppComponent {

  private base64Image = 'data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';

  constructor(private sanitizer: DomSanitizer) { }

  get safeImageUrl() {
    return this.sanitizer.bypassSecurityTrustUrl(this.base64Image);
  }

}
  • bypassSecurityTrustUrl メソッドは、安全な URL として信頼できることを明示的に示すために使用します。
  • 他の方法として、DomSanitizer サービスの sanitizeUrl メソッドを使用して、Base64 エンコードされた画像を安全な URL に変換することもできます。ただし、sanitizeUrl メソッドは、bypassSecurityTrustUrl メソッドよりも厳格なチェックを行うため、すべての Base64 エンコードされた画像を安全な URL に変換できるとは限りません。



import { Component } from '@angular/core';
import { DomSanitizer } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-root',
  template: `
    <img src="{{ safeImageUrl }}">
  `
})
export class AppComponent {

  private base64Image = 'data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';

  constructor(private sanitizer: DomSanitizer) { }

  get safeImageUrl() {
    return this.sanitizer.bypassSecurityTrustUrl(this.base64Image);
  }

}

このコードの説明

  1. @Component デコレータを使用して、コンポーネントを定義します。
  2. selector プロパティを使用して、コンポーネントのセレクターを定義します。このセレクターは、HTML テンプレート内でコンポーネントを使用する方法を指定します。
  3. template プロパティを使用して、コンポーネントのテンプレートを定義します。このテンプレートは、コンポーネントの HTML コードを定義します。
  4. AppComponent クラスを定義します。
  5. base64Image プロパティを使用して、Base64 エンコードされた画像データを格納します。
  6. constructor メソッドで、DomSanitizer サービスを DI し、base64Image プロパティを初期化します。
  7. safeImageUrl ゲッター メソッドを使用して、Base64 エンコードされた画像を安全な URL に変換します。このメソッドは、DomSanitizer サービスの bypassSecurityTrustUrl メソッドを使用して、Base64 エンコードされた画像データを安全な URL に変換します。
  8. img タグを使用して、Base64 エンコードされた画像を表示します。src 属性には、safeImageUrl ゲッター メソッドから取得した安全な URL を設定します。
  1. このコードを app.component.ts ファイルに保存します。
  2. app.module.ts ファイルで、AppComponent コンポーネントを declarations 配列に追加します。
  3. app.component.css ファイルで、コンポーネントの CSS を定義します。
  4. index.html ファイルで、app-root タグを使用してコンポーネントをインスタンス化します。

このコードを実行すると、Base64 エンコードされた画像が安全に表示されます。

  • このコードは、デモ目的でのみ使用することを目的としています。本番環境で使用するには、コードを適切にカスタマイズする必要があります。
  • Base64 エンコードされた画像を表示する際には、常に DomSanitizer サービスを使用して、潜在的なセキュリティ上の脆弱性を防ぐようにしてください。



FileReader API を使用して、Base64 エンコードされた画像データを Blob オブジェクトに変換し、img タグの src 属性に設定できます。

import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-root',
  template: `
    <img src="{{ imageDataUrl }}">
  `
})
export class AppComponent {

  private base64Image = 'data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';

  constructor() { }

  ngOnInit() {
    const reader = new FileReader();
    reader.onload = (event: ProgressEvent) => {
      this.imageDataUrl = event.target.result as string;
    };
    reader.readAsDataURL(new Blob([this.base64Image.split(',')[1]], { type: 'image/png' }));
  }

}

ng-base64 ディレクティブを使用する

ng-base64 ディレクティブは、サードパーティ製のライブラリであり、Base64 エンコードされた画像を安全に表示するために使用できます。

import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-root',
  template: `
    <img [ngBase64]="base64Image">
  `
})
export class AppComponent {

  private base64Image = 'data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';

}

Base64Pipe パイプを使用する

Base64Pipe パイプは、カスタムパイプであり、Base64 エンコードされた画像を安全な URL に変換するために使用できます。

import { Pipe, PipeTransform } from '@angular/core';

@Pipe({
  name: 'base64'
})
export class Base64Pipe implements PipeTransform {

  transform(base64Image: string): string {
    return `data:image/png;base64,${base64Image}`;
  }

}

@Component({
  selector: 'app-root',
  template: `
    <img src="{{ base64Image | base64 }}">
  `
})
export class AppComponent {

  private base64Image = 'iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';

}

それぞれの方法の利点と欠点

  • DomSanitizer サービスを使用する
    • 利点: 最も安全な方法です。
    • 欠点: コードが冗長になる可能性があります。
  • FileReader API を使用する
    • 利点: コードが簡潔になります。
    • 欠点: FileReader API がすべてのブラウザでサポートされているわけではありません。
  • ng-base64 ディレクティブを使用する
    • 欠点: サードパーティ製のライブラリに依存する必要があります。
  • Base64Pipe パイプを使用する
    • 欠点: カスタムパイプを作成する必要があります。

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