Angular で Base64 エンコードされた画像を表示する際のセキュリティ対策
問題点
Base64 エンコードされた画像を直接 img
タグの src
属性に設定すると、XSS 攻撃などのセキュリティ上の脆弱性を引き起こす可能性があります。これは、悪意のあるユーザーが、img
タグに不正な URL を挿入し、アプリケーションを乗っ取ってしまう可能性があるためです。
解決策
DomSanitizer
サービスを使用して、Base64 エンコードされた画像を安全な URL に変換することで、この問題を解決できます。
具体的な手順
DomSanitizer
サービスをインポートします。
import { DomSanitizer } from '@angular/core';
const base64Image = 'data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';
const safeImageUrl = this.sanitizer.bypassSecurityTrustUrl(base64Image);
- 安全な URL を
img
タグのsrc
属性に設定します。
<img src="{{ safeImageUrl }}">
例
import { Component } from '@angular/core';
import { DomSanitizer } from '@angular/core';
@Component({
selector: 'app-root',
template: `
<img src="{{ safeImageUrl }}">
`
})
export class AppComponent {
private base64Image = 'data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';
constructor(private sanitizer: DomSanitizer) { }
get safeImageUrl() {
return this.sanitizer.bypassSecurityTrustUrl(this.base64Image);
}
}
bypassSecurityTrustUrl
メソッドは、安全な URL として信頼できることを明示的に示すために使用します。- 他の方法として、
DomSanitizer
サービスのsanitizeUrl
メソッドを使用して、Base64 エンコードされた画像を安全な URL に変換することもできます。ただし、sanitizeUrl
メソッドは、bypassSecurityTrustUrl
メソッドよりも厳格なチェックを行うため、すべての Base64 エンコードされた画像を安全な URL に変換できるとは限りません。
import { Component } from '@angular/core';
import { DomSanitizer } from '@angular/core';
@Component({
selector: 'app-root',
template: `
<img src="{{ safeImageUrl }}">
`
})
export class AppComponent {
private base64Image = 'data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';
constructor(private sanitizer: DomSanitizer) { }
get safeImageUrl() {
return this.sanitizer.bypassSecurityTrustUrl(this.base64Image);
}
}
このコードの説明
@Component
デコレータを使用して、コンポーネントを定義します。selector
プロパティを使用して、コンポーネントのセレクターを定義します。このセレクターは、HTML テンプレート内でコンポーネントを使用する方法を指定します。template
プロパティを使用して、コンポーネントのテンプレートを定義します。このテンプレートは、コンポーネントの HTML コードを定義します。AppComponent
クラスを定義します。base64Image
プロパティを使用して、Base64 エンコードされた画像データを格納します。constructor
メソッドで、DomSanitizer
サービスを DI し、base64Image
プロパティを初期化します。safeImageUrl
ゲッター メソッドを使用して、Base64 エンコードされた画像を安全な URL に変換します。このメソッドは、DomSanitizer
サービスのbypassSecurityTrustUrl
メソッドを使用して、Base64 エンコードされた画像データを安全な URL に変換します。img
タグを使用して、Base64 エンコードされた画像を表示します。src
属性には、safeImageUrl
ゲッター メソッドから取得した安全な URL を設定します。
- このコードを
app.component.ts
ファイルに保存します。 app.module.ts
ファイルで、AppComponent
コンポーネントをdeclarations
配列に追加します。app.component.css
ファイルで、コンポーネントの CSS を定義します。index.html
ファイルで、app-root
タグを使用してコンポーネントをインスタンス化します。
このコードを実行すると、Base64 エンコードされた画像が安全に表示されます。
- このコードは、デモ目的でのみ使用することを目的としています。本番環境で使用するには、コードを適切にカスタマイズする必要があります。
- Base64 エンコードされた画像を表示する際には、常に
DomSanitizer
サービスを使用して、潜在的なセキュリティ上の脆弱性を防ぐようにしてください。
FileReader
API を使用して、Base64 エンコードされた画像データを Blob
オブジェクトに変換し、img
タグの src
属性に設定できます。
import { Component } from '@angular/core';
@Component({
selector: 'app-root',
template: `
<img src="{{ imageDataUrl }}">
`
})
export class AppComponent {
private base64Image = 'data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';
constructor() { }
ngOnInit() {
const reader = new FileReader();
reader.onload = (event: ProgressEvent) => {
this.imageDataUrl = event.target.result as string;
};
reader.readAsDataURL(new Blob([this.base64Image.split(',')[1]], { type: 'image/png' }));
}
}
ng-base64 ディレクティブを使用する
ng-base64
ディレクティブは、サードパーティ製のライブラリであり、Base64 エンコードされた画像を安全に表示するために使用できます。
import { Component } from '@angular/core';
@Component({
selector: 'app-root',
template: `
<img [ngBase64]="base64Image">
`
})
export class AppComponent {
private base64Image = 'data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';
}
Base64Pipe パイプを使用する
Base64Pipe
パイプは、カスタムパイプであり、Base64 エンコードされた画像を安全な URL に変換するために使用できます。
import { Pipe, PipeTransform } from '@angular/core';
@Pipe({
name: 'base64'
})
export class Base64Pipe implements PipeTransform {
transform(base64Image: string): string {
return `data:image/png;base64,${base64Image}`;
}
}
@Component({
selector: 'app-root',
template: `
<img src="{{ base64Image | base64 }}">
`
})
export class AppComponent {
private base64Image = 'iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAAAEAAAABCAQAAAC1HAwCAAAAC0lEQVR42mNkYAAAAAYAAjCB0C9';
}
それぞれの方法の利点と欠点
DomSanitizer
サービスを使用する- 利点: 最も安全な方法です。
- 欠点: コードが冗長になる可能性があります。
FileReader
API を使用する- 利点: コードが簡潔になります。
- 欠点:
FileReader
API がすべてのブラウザでサポートされているわけではありません。
ng-base64
ディレクティブを使用する- 欠点: サードパーティ製のライブラリに依存する必要があります。
Base64Pipe
パイプを使用する- 欠点: カスタムパイプを作成する必要があります。
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