SubjectとBehaviorSubjectの違い

2024-09-30

Angular, TypeScript, RxJS での Subject と BehaviorSubject の違い

SubjectBehaviorSubject は、RxJS でイベントストリームを扱うための重要な概念です。どちらも Observable のサブタイプであり、値をエミットすることができます。しかし、その振る舞いには重要な違いがあります。

Subject

  • 多次元ブロードキャスト
    複数の購読者が同じ Subject を購読すると、各購読者は購読後のエミットされた値のみを受け取ります。
  • 過去の値は保持しない
    購読後にエミットされた値のみが購読者に配信されます。
  • 初期値を持たない
    Subject は、購読されるまで値をエミットしません。

コード例

import { Subject } from 'rxjs';

const subject = new Subject<number>();

subject.subscribe(value => console.log('Observer A:', value));

subject.next(1); // Observer A: 1

subject.subscribe(value => console.log('Observer B:', value));

subject.next(2); // Observer A: 2, Observer B: 2

BehaviorSubject

  • 過去の値を保持する
    購読時に最新の値がすぐに配信されます。
  • 初期値を持つ
    BehaviorSubject は、作成時に初期値を指定します。
import { BehaviorSubject } from 'rxjs';

const behaviorSubject = new BehaviorSubject<number>(0);

behaviorSubject.subscribe(value => console.log   ('Observer A:', value)); // Observer A: 0

behaviorSubject.next(1); // Observer A: 1

behaviorSubject.subscribe(value => console.log('Observer B:', value)); // Observer B: 1
  • BehaviorSubject
    購読時に最新の値を配信し、過去の値も保持する、初期値を持つ Observable。
  • Subject
    購読後にエミットされた値のみを配信する、初期値を持たない Observable。



Subject と BehaviorSubject のコード例解説

Subject のコード例

import { Subject } from 'rxjs';

const subject = new Subject<number>();

subject.subscribe(value => console.log('Observer A:', value));

subject.next(1); // Observer A: 1

subject.subscribe(value => console.log('Observer B:', value));

subject.next(2); // Observer A: 2, Observer B: 2
  • Subject の作成
    new Subject<number>() で、数値をエミットする Subject を作成します。



Observable.create()

  • 複雑性
    手動で購読管理やエラー処理を行う必要があるため、実装が複雑になることがあります。
  • 柔軟性
    任意のロジックを実装できるため、複雑なシナリオに対応できます。
  • 直接的な Observable の作成
    Observable.create() を使用して、Observable を直接作成し、購読者に値をエミットするロジックを記述することができます。
import { Observable } from 'rxjs';

const observable = new Observable<number>(observer => {
  // 購読時の処理
  observer.next(1);
  observer.next(2);
  observer.complete();
});

observable.subscribe(value => console.log(value));

ReplaySubject

  • メモリ消費
    多くの過去の値を保存する場合は、メモリ消費に注意が必要です。
  • バッファリング
    過去の値をバッファリングすることで、購読者が遅延した場合でも、最新の値を取得できます。
  • 過去の値の保存
    ReplaySubject は、指定されたウィンドウサイズ内の過去の値を保存し、新しい購読者に配信します。
import { ReplaySubject } from 'rxjs';

const replaySubject = new ReplaySubject<number>(2);

replaySubject.next(1);
replaySubject.next(2);
replaySubject.next(3);

replaySubject.subscribe(value => console.log(value)); // 2, 3

AsyncSubject

  • 遅延
    購読が完了するまで値を配信しないため、遅延が生じる可能性があります。
  • 非同期処理
    非同期処理の完了結果を通知する際に有用です。
  • 最後の値のみ
    AsyncSubject は、最後のエミットされた値のみを配信し、購読が完了した後にその値をエミットします。
import { AsyncSubject } from 'rxjs';

const asyncSubject = new AsyncSubject<number>();

asyncSubject.next(1);
asyncSubject.next(2);

asyncSubject.subscribe(value => console.log(value)); // 2

カスタム Observable

  • 独自の振る舞い
    必要に応じて、独自の Observable を作成し、特定のロジックを実装することができます。
import { Observable } from 'rxjs';

const customObservable = new Observable<number>(observer => {
  // カスタムのロジックを実装
  observer.next(1);
  setTimeout(() => {
    observer.next(2);
    observer.complete();
  }, 1000);
});

customObservable.subscribe(value => console.log(value));

angular typescript rxjs



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