Angularでデバッグを容易にするng-reflect-*属性
Angular における ng-reflect-* 属性とは?
主な役割
- コンポーネント/ディレクティブに入力された値を可視化することで、デバッグを容易にする
- データバインディングが正しく行われていることを確認する
- テンプレートの構文エラーを特定する
属性の形式
ng-reflect-* 属性は、以下の形式で生成されます。
ng-reflect-<バインディング名>=<バインディング値>
例
以下のテンプレートの場合、
<my-component [name]="John Doe"></my-component>
DOM には以下のような ng-reflect-* 属性が生成されます。
<my-component ng-reflect-name="John Doe"></my-component>
注意点
- ng-reflect-* 属性は、デバッグモードでのみ生成されます。本番環境では生成されません。
- 属性値は、バインディング値の簡易的な表現であることに注意が必要です。複雑なオブジェクトの場合は、すべての情報が表示されない場合があります。
- ng-reflect-* 属性は、Angular によって内部的に使用されるため、直接操作することはできません。
補足
ng-reflect-* 属性以外にも、Angular にはデバッグに役立つ様々な機能が用意されています。詳細は、Angular ドキュメントのデバッグセクションを参照してください。
ng-reflect-* 属性のサンプルコード
<my-component [name]="John Doe"></my-component>
<my-component ng-reflect-name="John Doe"></my-component>
例2: 数値バインディング
<my-component [age]="30"></my-component>
<my-component ng-reflect-age="30"></my-component>
例3: オブジェクトバインディング
<my-component [person]="{'name': 'John Doe', 'age': 30}"></my-component>
<my-component ng-reflect-person="{"name":"John Doe","age":30}"></my-component>
例4: テンプレート参照変数
<input #myInput type="text">
<button (click)="onClick(myInput.value)">送信</button>
<input #myInput type="text" ng-reflect-name="myInput">
<button (click)="onClick(myInput.value)">送信</button>
<button (click)="onClick()">クリック</button>
<button (click)="onClick()">クリック</button>
上記の例はあくまでも一例であり、実際の ng-reflect-* 属性は、コンポーネントやディレクティブの定義内容によって異なります。
ng-reflect-* 属性は、デバッグに役立つ貴重な情報源ですが、本番環境では使用しないように注意してください。
Angular デバッグのその他の方法
Chrome DevTools は、Web 開発に不可欠なツールであり、Angular アプリケーションのデバッグにも強力な機能を提供しています。
- ソースパネル: コンポーネントの TypeScript コードを表示し、ブレークポイントを設定してデバッグすることができます。
- コンソールパネル: 式を評価したり、ログメッセージを表示したりすることができます。
- ネットワークパネル: アプリケーションが行うネットワークリクエストを表示し、詳細を確認することができます。
- パフォーマンスパネル: アプリケーションのパフォーマンスを分析することができます。
Angular CLI には、デバッグに役立ついくつかのコマンドが用意されています。
ng build --prod --sourceMap
: プロダクションビルドを行い、ソースマップを生成します。ソースマップを使用すると、 minified コードを元の TypeScript コードにマップすることができます。ng test
: ユニットテストとエンドツーエンドテストを実行します。ng serve --sourceMap
: 開発サーバーを起動し、ソースマップを生成します。
サードパーティ製ツール
Angular デバッグを支援するサードパーティ製ツールもいくつか存在します。
- Angular Batarang: Chrome 拡張機能で、コンポーネントツリーの可視化、コンポーネント状態の検査、変更検出の追跡などを行うことができます。
- Ng Inspector: Web ブラウザ用のデバッグツールで、コンポーネントツリーの可視化、コンポーネント状態の検査、パフォーマンスの分析などを行うことができます。
- Angular Live Edit: Web ブラウザ用のデバッグツールで、コードをリアルタイムに編集し、その結果をすぐに確認することができます。
ベストプラクティス
以下のベストプラクティスを実践することで、Angular アプリケーションをよりデバッグしやすくなります。
- コンポーネントを小さく、責任範囲を明確にする
- テスト駆動開発 (TDD) を実践する
- コードに十分なコメントを記述する
- バインディングと式を慎重に使用する
- 変更検出戦略を理解する
- パフォーマンスを監視する
これらの方法を組み合わせて使用することで、Angular アプリケーションを効率的にデバッグすることができます。
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