TypeScript 非同期関数エラー解決
問題
TypeScript コンパイラから、ES5 または ES3 のターゲット環境で非同期関数やメソッドを使用している際に、Promise
コンストラクタが要求されるというエラーが発生します。これは、ES5/ES3 では async/await
シンタックスが直接サポートされていないためです。
解決方法
-
ターゲット環境の更新
-
lib オプションの設定
- TypeScript コンパイラオプションの
lib
オプションを使用して、es2015.promise
を指定します。これにより、Promise
オブジェクトが利用可能になります。
// tsconfig.json { "compilerOptions": { "target": "es5", "lib": ["es2015.promise"] } }
- TypeScript コンパイラオプションの
-
Promise ライブラリの使用
注意
- ターゲット環境の制限やプロジェクトの要件に応じて、最適な解決方法を選択してください。
- Promise ライブラリを使用する場合、そのライブラリの使用方法を理解し、適切に設定する必要があります。
コード例
// ES6 以降のターゲット環境
async function fetchData() {
const response = await fetch('https://api.example.com/data');
const data = await response.json();
return dat a;
}
// ES5/ES3 ターゲット環境、`lib` オプション設定の場合
function fetchData() {
return fetch('https://api.example.com/data')
.then(response => response.json())
.then(data => {
// 使用する
});
}
問題
TypeScript コンパイラで、ES5 または ES3 のターゲット環境で async/await
を使用すると、このエラーが発生します。これは、ES5/ES3 が async/await
を直接サポートしていないためです。
// tsconfig.json
{
"compilerOptions": {
"target": "es5",
"lib": ["es2015.promise"]
}
}
- ターゲット環境が ES5/ES3 で更新できない場合、Promise ライブラリ(Bluebird、Q など)を使用できます。これにより、
async/await
をエミュレートできますが、複雑になる可能性があります。
ES6 以降のターゲット環境
async function fetchData() {
const response = await fetch('https://api.example.com/data');
const data = await response.json();
return dat a;
}
ES5/ES3 ターゲット環境、lib オプション設定の場合
function fetchData() {
return fetch('https://api.example.com/data')
.then(response => response.json())
.then(data => {
// 使用する
});
}
- Promise ライブラリを使用する場合は、ライブラリのドキュメントを参照して適切に設定してください。
- 非同期操作の結果を処理するために、コールバック関数を使用します。
function fetchData(callback: (data: any) => void) {
fetch('https://api.example.com/data')
.then(response => response.json())
.then(data => callback(data))
.catch(error => console.error(error));
}
fetchData((data) => {
// data を使用する
});
Promise
Promise
オブジェクトを使用して、非同期操作の結果を表現します。
function fetchData(): Promise<any> {
return new Promise((resolve, reject) => {
fetch('https://api.example.com/data')
.then(response => response.json())
.then(data => resolve(data))
.catch(error => reject(error));
});
}
fetchData().then(da ta => {
// data を使用する
}).catch(error => {
// エラー処理
});
Async/Await (Transpilation)
- Babel などのトランスパイラを使用して、
async/await
を ES5/ES3 に変換することができます。ただし、この方法は追加のツールや設定が必要となります。
選択基準
- Async/Await (Transpilation)
モダンな非同期プログラミングスタイルを維持できますが、追加のツールや設定が必要となります。 - Promise
非同期操作をよりエレガントに表現でき、複数の非同期操作を連鎖させることができます。ただし、コードが少し複雑になる可能性があります。 - コールバック関数
シンプルな非同期操作の場合に適していますが、複数の非同期操作を連鎖させる場合、いわゆる「コールバック地獄」と呼ばれる複雑なコード構造になる可能性があります。
最適な方法
- ES5/ES3 ターゲット環境
Promise を使用することが一般的に推奨されます。コールバック関数も使用できますが、コードの可読性や保守性に影響を与える可能性があります。 - ES6 以降のターゲット環境
async/await
を直接使用することを推奨します。
typescript async-await