TypeScript コンパイラで「非同期処理には Promise が必要」エラーを解決:5つの方法

2024-04-28

TypeScript コンパイラで「ES5/ES3 の非同期関数またはメソッドには 'Promise' コンストラクターが必要です」とエラーが出る場合の解決策

このエラーは、TypeScript コンパイラで ES5 または ES3 をターゲットにして、async/await キーワードを使用した非同期処理を書いている場合によく発生します。

原因

ES5 以前の JavaScript にはネイティブの Promise 機能が搭載されていないため、このエラーが発生します。そのため、非同期処理を行うには、Promise コンストラクターを明示的に使用する必要があります。

解決策

このエラーを解決するには、以下のいずれかの方法を実行します。

target オプションを使用してターゲット JavaScript バージョンを設定する

tsconfig.json ファイルで target オプションを使用して、コンパイルする JavaScript のバージョンを設定できます。 以下の例では、ターゲットを ES6 に設定しています。

{
  "compilerOptions": {
    "target": "es6"
  }
}

Promise コンストラクターを明示的に使用する

非同期処理を行うコード内で、Promise コンストラクターを明示的に使用する必要があります。 以下の例では、async/await キーワードと組み合わせて Promise コンストラクターを使用する方法を示しています。

async function myFunction() {
  const result = await Promise.resolve('Hello, World!');
  console.log(result);
}

myFunction();

@types/node パッケージをインストールする

Node.js を使用している場合は、@types/node パッケージをインストールすることで、Promise コンストラクターを含む Node.js の標準ライブラリの型定義を利用できます。

npm install @types/node

Babel を使用して、ES6 コードを ES5 または ES3 などの古い JavaScript バージョンにトランスパイルできます。 以下の例では、Babelを使用して async/await キーワードを ES5 コードに変換する方法を示しています。

npm install babel @babel/core @babel/preset-env
npx babel src/index.ts -o dist/index.js --presets @babel/preset-env

補足

  • 上記の解決策に加えて、TypeScript コンパイラのオプションを使用して、エラーメッセージを抑制することもできます。 ただし、根本的な原因を解決していないため、これは推奨される解決策ではありません。
  • 新しいプロジェクトの場合は、ES6 またはそれ以降の JavaScript をターゲットにすることをお勧めします。 これにより、async/await キーワードなどの最新の機能を利用できます。



// ターゲット JavaScript バージョンを ES6 に設定
// tsconfig.json
{
  "compilerOptions": {
    "target": "es6"
  }
}

// Promise コンストラクターを明示的に使用する
function myFunction() {
  return new Promise((resolve, reject) => {
    setTimeout(() => {
      resolve('Hello, World!');
    }, 1000);
  });
}

myFunction().then(result => console.log(result));

// @types/node パッケージを使用する
const fetch = require('node-fetch');

async function myFunction() {
  const response = await fetch('https://jsonplaceholder.typicode.com/posts/1');
  const data = await response.json();
  console.log(data);
}

myFunction();

// Babel を使用する
// package.json
{
  "devDependencies": {
    "babel": "^7.18.2",
    "@babel/core": "^7.18.2",
    "@babel/preset-env": "^7.18.2"
  }
}

// script
npx babel src/index.ts -o dist/index.js --presets @babel/preset-env

上記は、TypeScript コンパイラのエラー "ES5/ES3 の非同期関数またはメソッドには 'Promise' コンストラクターが必要です" を解決するためのサンプルコードです。

それぞれの例では、さまざまな解決策を実装する方法を示しています。

  1. 最初の例では、tsconfig.json ファイルを使用してターゲット JavaScript バージョンを ES6 に設定する方法を示しています。 これにより、TypeScript コンパイラは ES6 の機能を認識し、async/await キーワードを正しくコンパイルします。
  2. 2 番目の例では、Promise コンストラクターを明示的に使用するコードを示しています。 これにより、非同期処理を明示的に制御できます。
  3. 3 番目の例では、@types/node パッケージを使用して、Node.js の標準ライブラリの型定義を利用する方法を示しています。 これにより、IntelliSense などの開発ツールでより良い開発体験を得ることができます。
  4. 4 番目の例では、Babel を使用して ES6 コードを ES5 コードに変換する方法を示しています。 これにより、古い JavaScript バージョンを使用している環境でも、async/await キーワードを使用することができます。

どの解決策が最適かは、プロジェクトの要件によって異なります。 新しいプロジェクトの場合は、ES6 またはそれ以降の JavaScript をターゲットにすることをお勧めします。 これにより、最新の機能を利用でき、コードが読みやすくなります。




Regenerator Runtime は、JavaScript で非同期処理をサポートするためのライブラリです。 このライブラリを使用すると、async/await キーワードを ES5 または ES3 などの古い JavaScript バージョンで使用することができます。

以下の手順で、Regenerator Runtime を使用してエラーを解決できます。

  1. regenerator-runtime パッケージをインストールします。
npm install regenerator-runtime
  1. コンパイルするすべての TypeScript ファイルの先頭に、以下のコードを追加します。
import 'regenerator-runtime/runtime';
  1. コード内で async/await キーワードを使用します。
async function myFunction() {
  const result = await Promise.resolve('Hello, World!');
  console.log(result);
}

myFunction();

TypeScript トランスパイラは、TypeScript コードを JavaScript コードに変換するツールです。 このツールを使用すると、async/await キーワードを含む TypeScript コードを、ES5 または ES3 などの古い JavaScript バージョンにトランスパイルできます。

  1. TypeScript トランスパイラ (例: tsc または webpack) をインストールします。
  2. トランスパイラを使用して、TypeScript コードを JavaScript コードに変換します。
tsc index.ts --target es5

Polyfill は、古いブラウザで欠けている機能を補うための JavaScript コードです。 Promise コンストラクターの polyfill を使用すると、ES5 または ES3 などの古い JavaScript バージョンで async/await キーワードを使用することができます。

  1. es6-promise などの Promise コンストラクターの polyfill パッケージをインストールします。
npm install es6-promise
import 'es6-promise/auto.js';
async function myFunction() {
  const result = await Promise.resolve('Hello, World!');
  console.log(result);
}

myFunction();

注意事項

  • 上記の方法は、いずれも ES5 または ES3 で async/await キーワードを使用するための代替手段です。 ただし、これらの方法は、ネイティブの Promise コンストラクターを使用するよりもパフォーマンスが劣る場合があることに注意してください。

typescript async-await


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