TypeScriptとVue.jsのエラー解説

2024-09-01

TypeScriptとVue.jsにおける「Property does not exist on type 'never'」エラー

エラーの意味
このエラーは、TypeScriptの型チェックシステムが、特定のプロパティが「never」型のオブジェクトに存在しないことを検出したときに発生します。「never」型は、決して値を返さない関数や、決して到達しないコードブロックの型です。

原因
このエラーは、以下のような状況で発生することがあります。

  1. 関数の戻り値が「never」型
    • 関数が例外を投げたり、無限ループに陥ったりする場合、その戻り値は「never」型になります。
    • そのような関数の戻り値に対して、存在しないプロパティにアクセスすると、このエラーが発生します。
function throwError(): never {
  throw new Error("Something went wrong");
}

const result = throwError();
console.log(result.property); // Error: Property 'property' does not exist on type 'never'
  1. 条件分岐のすべての場合が「never」型
    • 条件分岐のすべての条件が常に偽になる場合、その分岐の後のコードは到達不可能となり、その型は「never」型になります。
function checkValue(value: never): void {
  if (typeof value === "string") {
    // This code will never be reached
    console.log(value.length); // Error: Property 'length' does not exist on type 'never'
  }
}
  1. Vue.jsのテンプレートで「never」型のデータを使用
    • Vue.jsのテンプレートで、プロパティが「never」型のデータにバインドされている場合、そのプロパティにアクセスすると、このエラーが発生します。
    • これは通常、データの型が正しく指定されていないことが原因です。

解決方法

  • Vue.jsのテンプレートで使用するデータの型を正しく指定する。
  • 条件分岐のすべての条件が常に偽にならないようにする。
  • 関数の戻り値が「never」型になることを防ぐ。



関数の戻り値が「never」型の場合

function throwError(): never {
  throw new Error("Something went wrong");
}

const result = throwError();
console.log(result.property); // Error: Property 'property' does not exist on type 'never'
  • result変数には「never」型の値が格納されるため、その値に対して存在しないプロパティであるpropertyにアクセスするとエラーが発生します。
  • throwError関数は例外を投げ、決して値を返さないため、その戻り値は「never」型になります。

条件分岐のすべての場合が「never」型の場合

function checkValue(value: never): void {
  if (typeof value === "string") {
    // This code will never be reached
    console.log(value.length); // Error: Property 'length' does not exist on type 'never'
  }
}
  • 存在しないプロパティであるlengthにアクセスするとエラーが発生します。
  • そのため、条件分岐内のコードは決して実行されず、そのコードブロック内のvalueは「never」型になります。
  • checkValue関数の引数valueは「never」型であり、常に偽になる条件が設定されています。

Vue.jsのテンプレートで「never」型のデータを使用する場合

<template>
  <div>
    {{ data.property }}
  </div>
</template>

<script>
export default {
  data() {
    return {
      data: never // Assuming 'never' is a type or value that never exists
    };
  }
};
</script>
  • しかし、dataオブジェクトの型が「never」である場合、そのプロパティは存在しないためエラーが発生します。
  • Vue.jsのテンプレートで、dataオブジェクトのプロパティであるpropertyにアクセスしています。



「Property does not exist on type 'never'」エラーの代替方法

関数の戻り値を適切な型にする

  • 例外を投げる場合
function throwError(): Error {
  throw new Error("Something went wrong");
}
  • 無限ループの場合
function infiniteLoop(): number {
  let count = 0;
  while (true) {
    count++;
    if (count > 100) {
      break;
    }
  }
  return count;
}

条件分岐の条件を適切に設定する

  • 条件分岐の条件を常に偽にならないようにする
    • 条件分岐の条件を適切に設定し、すべての条件が常に偽にならないようにします。
function checkValue(value: string | number): void {
  if (typeof value === "string") {
    console.log(value.length);
  } else if (typeof value === "number") {
    console.log(value.toFixed(2));
  } else {
    // Handle other cases
  }
}
  • データの型を適切に指定する
<template>
  <div>
    {{ data.property }}
  </div>
</template>

<script>
export default {
  data() {
    return {
      data: {
        property: "value"
      }
    };
  }
};
</script>

typescript vue.js



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