TypeScript: 型パラメータの魔法: infer キーワードの使い方

2024-05-26

TypeScript: 型からジェネリックパラメータを抽出する方法

型からジェネリックパラメータを抽出する方法はいくつかありますが、最も一般的で強力な方法は、infer キーワードを使用する方法です。infer は、条件型と呼ばれる高度な型構文の一部であり、ジェネリック型から型パラメータを推論することができます。

以下に、infer を使用して型からジェネリックパラメータを抽出する方法の例を示します。

type MyGeneric<T> = Array<T> & { length: number };

function identity<T>(value: T): T {
  return value;
}

type ExtractedType = MyGeneric<infer U>; // U は `Array<T> & { length: number }` の T に相当

const myArray: MyGeneric<number> = [1, 2, 3];
const extractedValue: number = identity(myArray[0]); // extractedValue は number 型になる

この例では、MyGeneric というジェネリック型を定義しています。この型は、Array<T>{ length: number } の交差点型です。つまり、MyGeneric 型の値は、配列であるだけでなく、length プロパティを持つ必要があります。

次に、identity というジェネリック関数定義します。この関数は、引数として渡された値をそのまま返します。

ExtractedType という型エイリアスを使用して、MyGeneric 型から型パラメータ T を抽出します。infer U という構文を使用すると、UMyGeneric<T>T に相当する型になります。

最後に、myArray という変数に MyGeneric<number> 型の値を代入します。これは、数字の配列です。次に、identity 関数を使用して myArray の最初の要素を抽出し、extractedValue 変数に代入します。extractedValuenumber 型になることがわかります。これは、identity 関数は Tnumber として扱っているためです。

この例は、infer を使用して型からジェネリックパラメータを抽出する方法を単純化したものです。infer は、より複雑なジェネリック型や条件型で使用することもできます。

補足

  • infer を使用するには、TypeScript バージョン 4.0 以降が必要です。
  • infer は、条件型と呼ばれる高度な型構文の一部です。条件型について詳しくは、TypeScript のドキュメントを参照してください。



TypeScript: 型からジェネリックパラメータを抽出するサンプルコード

関数型

type Identity<T> = (value: T) => T;

function identity<T>(value: T): T {
  return value;
}

type ExtractedType = Identity<infer U>; // U は `T` に相当

const identityFunction: Identity<number> = identity;
const extractedValue: number = identityFunction(10); // extractedValue は number 型になる

オブジェクト型

type MyMap<K, V> = { [key: K]: V };

function mapKeys<K, V>(obj: MyMap<K, V>, fn: (key: K) => string): MyMap<string, V> {
  const newObj: MyMap<string, V> = {};
  for (const key in obj) {
    newObj[fn(key)] = obj[key];
  }
  return newObj;
}

type ExtractedKeyType = MyMap<infer K, number>[keyof MyMap<K, number>]; // K は `MyMap<K, number>` の K に相当

const myMap: MyMap<string, number> = {
  "a": 1,
  "b": 2,
  "c": 3,
};

const newMap: MyMap<string, number> = mapKeys(myMap, (key) => key.toUpperCase());
const extractedKey: ExtractedKeyType = Object.keys(newMap)[0]; // extractedKey は "A" になる

ジェネリック型

type MyGeneric<T> = Array<T> & { length: number };

function identity<T>(value: T): T {
  return value;
}

type ExtractedType = MyGeneric<infer U>; // U は `Array<T> & { length: number }` の T に相当

const myArray: MyGeneric<number> = [1, 2, 3];
const extractedValue: number = identity(myArray[0]); // extractedValue は number 型になる

条件型

type MyConditional<T extends string> = T extends `${infer Prefix}_${infer Suffix}` ? { prefix: Prefix; suffix: Suffix } : never;

function splitString<T extends string>(str: T): MyConditional<T> {
  const parts = str.split("_");
  if (parts.length === 2) {
    return { prefix: parts[0], suffix: parts[1] };
  } else {
    return never;
  }
}

type ExtractedPrefixType = MyConditional<infer T>["prefix"]; // T は `${infer Prefix}_${infer Suffix}` に相当

const myString: string = "hello_world";
const splitResult: MyConditional<typeof myString> = splitString(myString);
const extractedPrefix: ExtractedPrefixType = splitResult.prefix; // extractedPrefix は "hello" になる

これらの例は、TypeScript で型からジェネリックパラメータを抽出する方法のほんの一例です。infer キーワードと条件型を組み合わせることで、さまざまな複雑なジェネリック型から型パラメータを抽出することができます。

補足

  • サンプルコードは TypeScript バージョン 4.0 以降で動作します。
  • サンプルコードは、説明を目的としたものであり、実際のアプリケーションで使用するには調整が必要になる場合があります。
  • TypeScript のジェネリック型と条件型に関する詳細は、TypeScript のドキュメントを参照してください。



TypeScript で型からジェネリックパラメータを抽出するその他の方法

型ガードを使用して、ジェネリック型の具体的な型パラメータを確認できます。ただし、この方法は infer キーワードほど汎用性が高くありません。

type MyGeneric<T> = Array<T> & { length: number };

function identity<T>(value: T): T {
  if (Array.isArray(value) && typeof value.length === "number") {
    return value;
  } else {
    throw new Error("Invalid value");
  }
}

const myArray: MyGeneric<number> = [1, 2, 3];
const extractedValue: number = identity(myArray[0]); // extractedValue は number 型になる

型アサーションを使用して、ジェネリック型の具体的な型パラメータを明示的に指定できます。ただし、この方法は冗長になる可能性があり、コードの読みやすさを損なう可能性があります。

type MyGeneric<T> = Array<T> & { length: number };

function identity<T>(value: T): T {
  return value as MyGeneric<number>; // 型アサーションを使用する
}

const myArray: MyGeneric<number> = [1, 2, 3];
const extractedValue: number = identity(myArray[0]); // extractedValue は number 型になる

ヘルパー関数

ジェネリック型から型パラメータを抽出する専用のヘルパー関数を作成できます。ただし、この方法はコードを冗長にし、保守が難しくなる可能性があります。

type MyGeneric<T> = Array<T> & { length: number };

function getGenericParameter<T>(value: MyGeneric<T>): T {
  return value[0]; // 最初の要素を返す
}

const myArray: MyGeneric<number> = [1, 2, 3];
const extractedValue: number = getGenericParameter(myArray); // extractedValue は number 型になる

これらの方法は、infer キーワードよりも状況によっては使用しにくい場合がありますが、特定の状況では役立つことがあります。

infer キーワードは、TypeScript で型からジェネリックパラメータを抽出する最も一般的で強力な方法です。ただし、他の方法も状況によっては役立つことがあります。

最適な方法は、特定のニーズと要件によって異なります。


typescript


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