Express.js アプリケーション構造解説

2024-10-12

Express.js アプリケーションの構造について (日本語)

Express.js は、Node.js のウェブアプリケーションフレームワークです。効率的なアプリケーション開発を支援するために、特定の構造に従うことが推奨されます。以下では、Express.js アプリケーションの一般的な構造について説明します。

プロジェクトディレクトリ

  • public: 静的ファイル(CSS、JavaScript、画像)を保存するディレクトリ。
  • models: モデルファイル。データベースとのインタラクションを定義します。
  • controllers: コントローラーファイル。ビジネスロジックを処理し、ビューやレスポンスを生成します。
  • routes: ルーティングに関するファイル。HTTPリクエストを適切なハンドラーにマッピングします。
  • app.js: エントリーポイントファイル。アプリケーションの起動とルーティング設定を行います。

app.js ファイルの例

const express = require('express');
const app = express();
const path = require('path');

// 静的ファイルのパスを設定
app.use(express.static(path.join(__dirname, 'public')));

// ルーティング設定
app.use('/', require('./routes/index'));

// ポートの設定とリスニング
const port = process.env.PORT || 3000;
app.listen(port, () => {
  console.log(`Server listening on port ${port}`);
});

ルーティングファイル (routes/index.js) の例

const express = require('express');
const router = express.Router();

// GETリクエストへの処理
router.get('/', (req, res) => {
  res.render('index', { title: 'Express' });
});

module.exports = router;

ビューファイル (views/index.pug) の例

html
  head
    title= title
  body
    h1 Express

重要なポイント

  • 静的ファイル: CSS、JavaScript、画像などの静的ファイルを適切に管理します。
  • モデル: データベースとのインタラクションを定義します。
  • コントローラー: ビジネスロジックを処理し、ビューやレスポンスを生成します。
  • ルーティング: HTTPリクエストを適切なハンドラーにマッピングします。
  • モジュール化: 各ファイルは特定の機能を担当し、再利用性を高めます。



Express.js アプリケーションの構造コード解説

コード例の詳細解説

先ほどのコード例をより詳しく解説していきます。

app.js

  • app.listen(port, () => { ... });: 指定されたポート (デフォルトは 3000) でサーバーを起動します。
  • app.use('/', require('./routes/index'));: ルート / に対するリクエストを routes/index.js ファイルに委譲します。
  • app.use(express.static(path.join(__dirname, 'public')));: public ディレクトリを静的ファイルのルートとして設定します。これにより、ブラウザから直接 CSS、JavaScript、画像ファイルにアクセスできるようになります。
  • const path = require('path');: Node.js の path モジュールをインポートし、ファイルパスを操作するために使用します。
  • const app = express();: Express アプリケーションを作成します。
  • const express = require('express');: Express モジュールをインポートします。

routes/index.js

  • res.render('index', { title: 'Express' });: index.pug という名前のビューファイルをレンダリングし、title 変数に Express を渡します。
  • router.get('/', (req, res) => { ... });: GET メソッドで / にアクセスされた場合に実行される処理を定義します。
  • const router = express.Router();: Router オブジェクトを作成し、ルーティングの設定を行います。

views/index.pug

  • h1 Express: h1 タグで "Express" と表示
  • body: body セクション
  • title= title: title タグに title 変数の値を設定
  • head: head セクション
  • html: HTML ドキュメントの開始タグ

コードの動作

  1. リクエスト
    ブラウザから / にアクセスすると、リクエストは app.js に到達します。
  2. ルーティング
    app.js はリクエストを routes/index.js に転送します。
  3. 処理
    routes/index.jsindex.pug をレンダリングし、HTML を生成します。
  4. レスポンス
    生成された HTML がブラウザに送信され、画面に表示されます。
  • 静的ファイル
    express.static() を使用して、静的ファイルを配信します。
  • テンプレートエンジン
    Pug (または EJS など) を使用して、動的な HTML を生成します。
  • ルーティング
    app.use()router.get() などのメソッドを使って、HTTP メソッドと URL パスを関連付けます。
  • MVCパターン
    Express.js は MVC (Model-View-Controller) パターンに基づいた構造を採用しています。
    • Model
      データベースとのやり取り (この例では実装されていません)
    • View
      ユーザーインターフェース (pug ファイル)
    • Controller
      ビジネスロジック (routes ファイル)

この構造は、Express.js アプリケーションの基本的な構成を示しています。より複雑なアプリケーションでは、ミドルウェア、エラー処理、データベース接続などの機能を追加していくことになります。

  • データベース
    MongoDB、MySQL、PostgreSQL など、様々なデータベースと接続できます。
  • テンプレートエンジン
    Pug の他にも、EJS、Handlebars など様々なテンプレートエンジンが利用できます。
  • ミドルウェア
    リクエストとレスポンスの間に挟んで処理を行う関数です。認証、ログ、エラー処理などに利用されます。

より深く学ぶために

  • チュートリアル
    Qiita や YouTube などには、多くの Express.js のチュートリアルがあります。



従来の構造の復習

代替手法

しかし、全てのケースにおいてこの構造が最適とは限りません。プロジェクトの規模や特性、開発チームのスキルなどに応じて、様々な代替手法が考えられます。

マイクロサービスアーキテクチャ

  • デメリット
    • 分散システム特有の複雑さがある
    • サービス間の通信オーバーヘッドが発生する
  • メリット
    • スケーラビリティが高い
    • 各サービスを独立して開発、デプロイできる
    • 技術選択の自由度が高い
  • 特徴
    アプリケーションを小さな独立したサービスに分割し、各サービスが独自の技術スタックで実装されます。

サーバーレスアーキテクチャ

  • デメリット
    • コールドスタートの問題がある
    • 関数間の連携が複雑になる場合がある
  • メリット
    • サーバー管理の負担が軽減される
    • コスト効率が良い
  • 特徴
    サーバーの管理をクラウドプロバイダーに任せ、イベント駆動型の関数で処理を実行します。

モノリシックアーキテクチャ

  • デメリット
    • スケールアウトが難しい
    • コードベースが肥大化しやすい
  • メリット
    • 開発初期段階では迅速に開発できる
    • デプロイが簡単

フレームワークの選択

  • 考慮点
    • コミュニティの規模
    • 提供されている機能
    • 学習コスト
  • Express.js以外
    Koa.js, Hapi.jsなど、他のNode.jsフレームワークには独自の構造や特徴があります。

各手法の選択基準

  • 開発期間
    短期間で開発を完了させる必要がある場合は、モノリシックアーキテクチャが選択肢に入るかもしれません。
  • スケーラビリティ
    大規模なトラフィックに対応する必要がある場合は、マイクロサービスやサーバーレスアーキテクチャが有効です。
  • パフォーマンス要求
    高いパフォーマンスが要求される場合は、サーバーレスアーキテクチャが適している場合があります。
  • 開発チームのスキル
    マイクロサービスやサーバーレスアーキテクチャは、高度な技術力が必要となります。
  • プロジェクト規模
    小規模なプロジェクトであれば、モノリシックアーキテクチャでも十分な場合もあります。

Express.jsアプリケーションの構造は、プロジェクトの要件に合わせて柔軟に選択することが重要です。一つの手法に固執せず、様々な選択肢を検討し、最適なアーキテクチャを選択しましょう。

  • 各フレームワークのドキュメント
    Koa.js, Hapi.jsなどの公式ドキュメント
  • サーバーレスアーキテクチャ
    AWS Lambda、Google Cloud Functionsなどのドキュメント
  • マイクロサービス
    Martin Fowlerの「Microservices」

node.js express



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