TypeORM upsert解説

2024-10-19

TypeORMにおけるupsert: 存在しない場合は作成

TypeORMは、Node.jsアプリケーションでデータベース操作を行うための強力なORM(Object-Relational Mapper)です。その機能の一つに、upsertと呼ばれる操作があります。これは、データベースに特定のデータが存在する場合には更新し、存在しない場合は新規に作成する操作です。

TypeScriptでのupsert実装

以下は、TypeORMを使用してTypeScriptでupsertを実装する一般的な例です。

import { Entity, Column, PrimaryGeneratedColumn, getConnection } from 'typeorm';

@Entity()
export class User {
  @PrimaryGeneratedColumn()
  id: number;

  @Column()
  name: string;

  @Column()
  email: string;
}

async function upsertUser(user: User) {
  await getConnection().createQueryBuilder()
    .insert()
    .into(User)
    .values(user)
    .orUpdate(['email'])
    .execute();
}

コード解説

  1. createQueryBuilder()
    TypeORMのクエリビルダーを取得します。
  2. insert()
    データの挿入を開始します。
  3. into(User)
    Userエンティティに挿入します。
  4. values(user)
    userオブジェクトの値を挿入します。
  5. orUpdate(['email'])
    email列を条件として、存在する場合には更新します。
  6. execute()
    クエリを実行します。

動作原理

  1. TypeORMは、指定されたエンティティと値を使用してINSERTクエリを作成します。
  2. orUpdate()メソッドによって、指定された列(ここではemail)を条件として、レコードが存在する場合にはUPDATEクエリに変換されます。
  3. クエリが実行され、データが挿入または更新されます。

重要なポイント

  • 性能の観点から、大量のデータに対してupsertを行う場合は、データベースのインデックスを活用することが重要です。
  • orUpdate()メソッドは、指定された列の値が重複しないことを前提としています。重複する可能性がある場合は、適切な条件を追加する必要があります。



import { Entity, Column, PrimaryGeneratedColumn, getConnection } from 'typeorm';

@Entity()
export class User {
  @PrimaryGeneratedColumn()
  id: number;

  @Column()
  name: string;

  @Column()
  email: string;
}

async function upsertUser(user: User) {
  await getConnection().createQueryBuilder()
    .insert()
    .into(User)
    .values(user)
    .orUpdate(['email'])
    .execute();
}



TypeORMにおけるupsertの代替手法

TypeORMのupsert機能は、データベースにデータが存在する場合には更新し、存在しない場合は新規に作成する便利な方法を提供します。しかし、特定のユースケースやパフォーマンス要件によっては、他の手法がより適している場合があります。

手動チェックとトランザクション

最も基本的な方法は、手動でデータの存在をチェックし、存在しない場合は挿入、存在する場合は更新を行うことです。トランザクションを使用して、一連の操作をアトミックに実行し、データの整合性を確保します。

async function upsertUser(user: User) {
  const userRepository = getConnection().getRepository(User);

  try {
    await getConnection().transaction(async (entityManager) => {
      const existingUser = await entityManager.findOne(User, { where: { email: user.email } });

      if (existingUser) {
        existingUser.name = user.name;
        await entityManager.save(existingUser);
      } else {
        await entityManager.save(user);
      }
    });
  } catch (error) {
    // エラー処理
  }
}

SQLのON DUPLICATE KEY UPDATE

MySQLやPostgreSQLなどのデータベースでは、ON DUPLICATE KEY UPDATE句を使用して、重複するキーが存在する場合に更新を行うことができます。TypeORMでは、この句を直接使用することが可能です。

async function upsertUser(user: User) {
  await getConnection().createQueryBuilder()
    .insert()
    .into(User)
    .values(user)
    .orUpdate(['email'])
    .execute();
}

バッチ処理とupsert

大量のデータを処理する場合は、バッチ処理とupsertを組み合わせることができます。バッチ処理により、複数のレコードを一度に処理し、パフォーマンスを向上させることができます。

async function upsertUsers(users: User[]) {
  await getConnection().createQueryBuilder()
    .insert()
    .into(User)
    .values(users)
    .orUpdate(['email'])
    .execute();
}

カスタムレポジトリメソッド

特定のユースケースに合わせて、カスタムレポジトリメソッドを作成することもできます。これにより、コードの再利用性と可読性を向上させることができます。

@EntityRepository(User)
export class UserRepository extends Repository<User> {
  async upsert(user: User) {
    // カスタムのupsertロジック
  }
}

選択基準

最適な手法は、アプリケーションの要件やデータベースの特性によって異なります。以下は、各手法の利点と欠点を考慮する際のポイントです。

  • 柔軟性
    カスタムレポジトリメソッドは、複雑なユースケースに対応することができます。
  • 可読性
    手動チェックとトランザクションは、コードが読みやすくなります。
  • パフォーマンス
    バッチ処理とSQLのON DUPLICATE KEY UPDATEは、大量のデータを処理する場合にパフォーマンスが優れています。

typescript typeorm



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