AngularでPipe()関数を理解する
AngularでPipe()関数を理解する
Pipe()関数は、データを1つ受け取り、別のデータに変換します。パイプは、テンプレート内の式の中で、パイプ記号 (|
) を使って適用されます。
{{ value | pipeName }}
上記の例では、value
はパイプ pipeName
に渡され、pipeName
は value
を別のデータに変換してテンプレートに表示します。
Pipe()関数は、以下の利点を提供します。
- コードの再利用性: パイプはテンプレート内で再利用でき、コードの冗長性を削減できます。
- テンプレートの簡潔性: パイプは複雑なロジックをテンプレートから分離し、テンプレートをより読みやすく、理解しやすいものにします。
- 保守性の向上: パイプはコードをよりモジュール化し、保守性を向上させます。
AngularでPipe()関数の使い方
Angularは、いくつかの組み込みパイプを提供しています。
- currency: 通貨フォーマット
- date: 日付フォーマット
- number: 数値フォーマット
- upperCase: 文字列を大文字に変換
これらのパイプは、テンプレート内で直接使用できます。
{{ price | currency }}
{{ date | date:'dd/MM/yyyy' }}
{{ number | number:'1.2-2' }}
{{ name | upperCase }}
{{ name | lowerCase }}
カスタムパイプの作成
独自のパイプを作成することもできます。
Pipe
デコレータを使ってパイプクラスを定義します。- パイプクラスで
transform
メソッドを定義します。 transform
メソッドは、データを処理し、フォーマットするロジックを実装します。
import { Pipe, PipeTransform } from '@angular/core';
@Pipe({
name: 'customPipe'
})
export class CustomPipe implements PipeTransform {
transform(value: any, args?: any): any {
// 独自の処理ロジックを実装
return value;
}
}
- テンプレート内でカスタムパイプを使用します。
{{ value | customPipe }}
Pipe()関数は、Angularテンプレート内でデータを処理し、フォーマットするための強力なツールです。パイプは、コードの再利用性、テンプレートの簡潔性、保守性の向上などの利点を提供します。
カスタムパイプ
custom-pipe.ts
import { Pipe, PipeTransform } from '@angular/core';
@Pipe({
name: 'upperCase'
})
export class UpperCasePipe implements PipeTransform {
transform(value: string): string {
return value.toUpperCase();
}
}
app.component.html
<h1>{{ name | upperCase }}</h1>
このコードを実行すると、name
変数の値がすべて大文字で表示されます。
<h1>{{ price | currency:'EUR' | number:'1.2-2' }}</h1>
このコードは、price
変数をユーロ通貨にフォーマットし、2桁小数点以下を表示します。
パイプに引数を渡すこともできます。
<h1>{{ date | date:'dd/MM/yyyy' | slice:0:10 }}</h1>
このコードは、date
変数を dd/MM/yyyy
フォーマットに変換し、最初の10文字のみを表示します。
Angularでデータを処理・フォーマットする他の方法
テンプレート内での式
単純な処理であれば、テンプレート内での式を使用してデータを処理・フォーマットできます。
<h1>{{ price * 1.1 }}</h1>
このコードは、price
変数を1.1倍して表示します。
コンポーネントクラス内での処理
複雑な処理の場合は、コンポーネントクラス内でデータを処理・フォーマットし、テンプレートに結果を渡すことができます。
export class AppComponent {
price: number = 100;
getFormattedPrice() {
return this.price * 1.1;
}
}
<h1>{{ formattedPrice }}</h1>
このコードは、price
変数を1.1倍して formattedPrice
変数に格納し、テンプレートに表示します。
サードパーティライブラリ
Moment.jsなどのサードパーティライブラリを使用して、日付や時間の処理を行うことができます。
import * as moment from 'moment';
export class AppComponent {
date: Date = new Date();
getFormattedDate() {
return moment(this.date).format('dd/MM/yyyy');
}
}
<h1>{{ formattedDate }}</h1>
- 単純な処理であれば、テンプレート内での式を使うのが最も簡単です。
- 複雑な処理の場合は、コンポーネントクラス内での処理か、サードパーティライブラリの使用を検討する必要があります。
- パイプは、テンプレート内でデータを処理・フォーマットするための便利な方法ですが、パフォーマンス上のオーバーヘッドが発生する可能性があります。
Angularでデータを処理・フォーマットするには、Pipe()関数の他にもいくつかの方法があります。どの方法を使うべきかは、処理の複雑さや要件によって異なります。
angular rxjs angular-pipe