Angular ダブルクリック処理

2024-10-28

Angular では、同じ HTML 要素に対してシングルクリックとダブルクリックを区別してイベント処理を行うことができます。これを実現する一般的な手法は、debounceTime オペレーターを用いた RxJS のテクニックです。

RxJS の debounceTime オペレーター

コードの実装例

import { Component } from '@angular/core';
import { fromEvent, debounceTime, filter, map } from 'rxjs';

@Component({
  selector: 'app-my-component',
  template: `
    <button (click)="onClick($event)">Click me</button>
  `
})
export class MyComponent {
  private clickStream$ = fromEvent(document, 'click');

  onClick(event: MouseEvent) {
    this.clickStream$
      .pipe(
        debounceTime(300), // 300ms 以内のクリックをまとめる
        filter(() => event.target === event.currentTarget), // クリックされた要素がボタン自身であることを確認
        map(() => event.type === 'dblclick' ? 'double click' : 'single click')
      )
      .subscribe(clickType => {
        console.log(clickType);
        // シングルクリックまたはダブルクリックに応じた処理を行う
      });
  }
}

コード解説

  1. fromEvent
    document オブジェクトの click イベントを RxJS の Observable に変換します。
  2. debounceTime(300)
    300ミリ秒以内に連続してクリックされた場合、最後のクリックのみを流します。
  3. filter()
    クリックされた要素がボタン自身である場合のみイベントを処理します。
  4. map()
    クリックのタイプを判定し、'single click' または 'double click' の文字列に変換します。
  5. subscribe()
    サブスクライブして、クリックのタイプに応じて処理を実行します。

ポイント

  • RxJS のパイプラインを使って、イベントストリームを柔軟に処理できます。
  • クリックイベントのターゲットがボタン自身であることを確認することで、誤ったイベントトリガーを防ぎます。
  • debounceTime の値は、ブラウザのデフォルトのダブルクリック時間 (通常は 300ms) より短い値に設定することをおすすめします。



import { Component } from '@angular/core';
import { fromEvent, debounceTime, filter, map } from 'rxjs';

@Component({
  selector: 'app-my-component',
  template: `
    <button (click)="onClick($event)">Click me</button>
  `
})
export class MyComponent {
  private clickStream$ = fromEvent(document, 'click');

  onClick(event: MouseEvent) {
    this.clickStream$
      .pipe(
        debounceTime(300), // 300ms 以内のクリックをまとめる
        filter(() => event.target === event.currentTarget), // クリックされた要素がボタン自身であることを確認
        map(() => event.type === 'dblclick' ? 'double click' : 'single click')
      )
      .subscribe(clickType => {
        console.log(clickType);
        // シングルクリックまたはダブルクリックに応じた処理を行う
      });
  }
}

解説

  • fromEvent(document, 'click'): ドキュメントのクリックイベントを Observable に変換します。

(dblclick) ディレクティブを用いた方法

<button (click)="onSingleClick()" (dblclick)="onDoubleClick()">Click me</button>
@Component({
  // ...
})
export class MyComponent {
  onSingleClick() {
    console.log('Single click');
    // シングルクリック時の処理
  }

  onDoubleClick() {
    console.log('Double click');
    // ダブルクリック時の処理
  }
}
  • (click) ディレクティブは、シングルクリックイベントをトリガーします。

注意

  • ブラウザのデフォルトのダブルクリック時間は通常 300ms 程度です。
  • ダブルクリックは、シングルクリックの後に短い時間内に再度クリックされたと判断されます。



@Component({
  // ...
})
export class MyComponent {
  private clickTimer: any;

  onClick(event: MouseEvent) {
    clearTimeout(this.clickTimer);
    this.clickTimer = setTimeout(() => {
      // シングルクリックの処理
    }, 300); // 300ms 後にシングルクリックと判断

    if (event.detail === 2) {
      clearTimeout(this.clickTimer);
      // ダブルクリックの処理
    }
  }
}
  • タイマーがタイムアウトした場合、シングルクリックと判断します。
  • タイマーがタイムアウトする前に再度クリックされた場合、ダブルクリックと判断します。
  • クリックイベントが発生したときにタイマーを設定します。

HammerJS ライブラリを用いた方法

HammerJS はジェスチャーイベントを扱うためのライブラリです。これを利用して、シングルクリックとダブルクリックを区別することができます。

import { Component } from '@angular/core';
import Hammer from 'hammerjs';

@Component({
  // ...
})
export class MyComponent {
  ngOnInit() {
    const hammertime = new Hammer(document.getElementById('myElement'));
    hammertime.on('tap', () => {
      // シングルクリックの処理
    });
    hammertime.on('doubletap', () => {
      // ダブルクリックの処理
    });
  }
}
  • tap イベントと doubletap イベントをリスナーとして登録します。
  • Hammer オブジェクトを作成し、ターゲット要素にアタッチします。
  • HammerJS をインストールして、コンポーネントでインポートします。
  • HammerJS はライブラリを追加する必要があるため、プロジェクトの規模や複雑さに応じて検討してください。
  • タイマーを用いた方法は、ブラウザのデフォルトのダブルクリック時間とタイマーの設定時間に依存するため、誤動作する可能性があります。

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