「Property '...' has no initializer and is not definitely assigned in the constructor」エラーの解決方法

2024-04-02

AngularとTypeScriptにおける「プロパティ '...' に初期化子がなく、コンストラクターで確実に割り当てられていない」エラー

原因

このエラーは、以下の2つの原因によって発生します。

  1. strictPropertyInitialization オプションが有効

TypeScript 2.7以降では、strictPropertyInitialization オプションがデフォルトで有効になっています。このオプションが有効だと、undefined を許容していないプロパティが、宣言時またはコンストラクタで初期化されていない場合、コンパイルエラーが発生します。

  1. プロパティが初期化されていない

クラスのプロパティが、宣言時またはコンストラクタで初期化されていない場合、このエラーが発生します。

解決策

このエラーを解決するには、以下の3つの方法があります。

  1. コンストラクタで初期化

コンストラクタでプロパティを初期化することで、このエラーを解決できます。

class MyClass {
  private property: string;

  constructor() {
    this.property = '初期値';
  }
}
  1. 初期化子で初期化

プロパティ宣言時に初期化子を使用することで、このエラーを解決できます。

class MyClass {
  private property = '初期値';
}
  1. ? オプショナルプロパティで undefined を許容

? オプショナルプロパティを使用することで、プロパティが undefined であることを許容できます。

class MyClass {
  private property?: string;
}
  • コンストラクタで初期化するのが最も安全な方法です。
  • 初期値が決まっている場合は、初期化子を使用するのが簡潔です。
  • プロパティが undefined である可能性がある場合は、? オプショナルプロパティを使用するのが適切です。
  • strictPropertyInitialization オプションを無効にすることで、このエラーを回避できます。ただし、このオプションを無効にすると、潜在的なバグを見逃す可能性があるため、注意が必要です。
  • --noImplicitAny オプションを有効にすると、型が推論できない変数に対して any 型が自動的に割り当てられなくなります。これにより、このエラーが発生する可能性が高くなります。



// コンストラクタで初期化

class MyClass {
  private property: string;

  constructor() {
    this.property = '初期値';
  }
}

// 初期化子で初期化

class MyClass {
  private property = '初期値';
}

// ? オプショナルプロパティで undefined を許容

class MyClass {
  private property?: string;
}

エラーメッセージ

以下のエラーメッセージが表示されます。

Property '...' has no initializer and is not definitely assigned in the constructor.

解決方法

上記のサンプルコードを参考に、以下の方法でエラーを解決できます。

class MyClass {
  private property: string;

  constructor() {
    this.property = '初期値';
  }
}
class MyClass {
  private property = '初期値';
}
class MyClass {
  private property?: string;
}



「Property '...' has no initializer and is not definitely assigned in the constructor」エラーのその他の解決方法

! 非nullアサーション演算子を使用することで、プロパティが null または undefined でないことを保証できます。ただし、この演算子は実際には値をチェックしないため、誤って使用すると実行時エラーが発生する可能性があります。

class MyClass {
  private property!: string;

  constructor() {
    // 何かしらの処理
  }
}

as 型キャストを使用することで、プロパティを特定の型にキャストできます。ただし、このキャストは実際には型のチェックを行わないため、誤って使用すると実行時エラーが発生する可能性があります。

class MyClass {
  private property: any;

  constructor() {
    // 何かしらの処理
  }

  public getPropertyValue(): string {
    return this.property as string;
  }
}

?? null coalescing 演算子を使用することで、プロパティが null または undefined の場合はデフォルト値を返すことができます。

class MyClass {
  private property: string | null;

  constructor() {
    // 何かしらの処理
  }

  public getPropertyValue(): string {
    return this.property ?? 'デフォルト値';
  }
}

注意事項

上記の方法は、いずれも潜在的なバグを隠蔽する可能性があるため、注意して使用する必要があります。

  • ! 非nullアサーション演算子は、プロパティが実際に null または undefined でないことを保証するものではありません。
  • as 型キャストは、プロパティが実際に指定された型であることを保証するものではありません。
  • ?? null coalescing 演算子は、デフォルト値が常に適切な値であるとは限りません。

「Property '...' has no initializer and is not definitely assigned in the constructor」エラーを解決するには、状況に応じて適切な方法を選択する必要があります。

  • 安全性を重視する場合は、コンストラクタで初期化するか、初期化子を使用するのがおすすめです。
  • 簡潔性を重視する場合は、? オプショナルプロパティを使用するのも良いでしょう。
  • その他の方法を使用する場合は、潜在的なバグを隠蔽する可能性があることに注意する必要があります。

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