CSSでテキストを省略表示する
HTML、CSSにおける「overflow: ellipsis」の解説
日本語
HTMLとCSSの組み合わせでは、複数の行を含むブロック要素のテキストが溢れた場合に、末尾に省略記号(...)を表示させることができます。これは、CSSのoverflow
プロパティを使用して、ellipsis
値を指定することで実現されます。
コード例
<div class="overflow-ellipsis">
This text is very long and will overflow.
</div>
.overflow-ellipsis {
overflow: hidden;
text-overflow: ellipsis;
white-space: nowrap;
}
解説
- overflow: hidden
溢れたテキストを隠します。 - text-overflow: ellipsis
溢れたテキストの末尾に省略記号(...)を表示します。 - white-space: nowrap
テキストを一行に収めるようにします。
ポイント
overflow: hidden
と組み合わせることで、溢れたテキストを完全に隠すことができます。
用途
- 長いテキストを短いスペースに収める必要がある場合。
注意
- 複雑なレイアウトやフォントを使用する場合には、適切な調整が必要になることがあります。
- すべてのブラウザで完全にサポートされているわけではない場合があります。
CSSで複数行のテキストを省略表示する際のコード例解説
overflow: hidden, text-overflow: ellipsis, white-space: nowrap を組み合わせる
.overflow-ellipsis {
overflow: hidden;
text-overflow: ellipsis;
white-space: nowrap;
}
- white-space: nowrap
- overflow: hidden
- 要素の内容が領域からはみ出したときに、はみ出した部分を隠します。
この組み合わせの働き
- テキストが要素の幅を超えると、
overflow: hidden
によってはみ出した部分が隠されます。 white-space: nowrap
によって、テキストが一行に収まるように強制されるため、省略記号が効果的に表示されます。
-webkit-line-clamp を使用する(WebKit系ブラウザで有効)
.clamp {
display: -webkit-box;
-webkit-line-clamp: 2;
-webkit-box-orient: vertical;
overflow: hidden;
}
- -webkit-box-orient: vertical
- ボックス内の要素を縦方向に並べます。
- -webkit-box
- -webkit-line-clamp
- 表示する行数を指定します。この例では2行です。
この方法のメリット
- より柔軟なレイアウト制御が可能です。
- 複数行のテキストを指定行数で切り詰め、省略記号を表示できます。
-webkit-line-clamp
はWebKit系のブラウザ(Safari、Chromeなど)でしかサポートされていません。他のブラウザでは動作しません。
どちらを使うべきか?
- 複数行のテキストを指定行数で切り詰めたい場合
2つ目の方法が適しています。ただし、ブラウザの互換性には注意が必要です。 - 単純に一列のテキストを省略したい場合
1つ目の方法が簡単です。
- CSS Modules
- JavaScriptによる実装
どちらの方法を選ぶかは、デザインや実装の状況によって異なります。
-webkit-line-clamp
は、W3Cで標準化が検討されているline-clamp
プロパティの前身です。将来はline-clamp
がより広くサポートされるようになることが期待されています。
より詳細な情報や、具体的な実装例については、MDN Web Docsなどのリファレンスサイトを参照してください。
MDN Web Docs
text-overflow
: <https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/CSS/text-overflow>
CSSでテキストを省略表示する代替方法
CSSでテキストを省略表示する方法として、overflow: hidden
, text-overflow: ellipsis
, white-space: nowrap
の組み合わせが一般的ですが、これ以外にも様々な方法があります。それぞれの方法には特徴や注意点があり、状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
JavaScriptによる文字数制限
CSSではなく、JavaScriptを使用してテキストの文字数を制限する方法です。
function truncateText(element, maxLength) {
const text = element.textContent;
if (text.length > maxLength) {
element.textContent = text.substring(0, maxLength) + '...';
}
}
特徴
- イベントとの連携
文字数制限をトリガーに、他の処理を実行することができます。 - 柔軟性
文字数を動的に変更したり、特定の文字で切り詰めたりすることができます。
- ブラウザ互換性
JavaScriptの実行環境によっては、異なる挙動を示す場合があります。 - パフォーマンス
DOM操作を伴うため、大量の要素に対して実行するとパフォーマンスが低下する可能性があります。
SVGを利用したマスク
SVG (Scalable Vector Graphics) を利用して、テキストをマスクすることで、任意の形状でテキストを切り出すことができます。
.svg-mask {
overflow: hidden;
}
.svg-mask svg {
position: absolute;
top: 0;
left: 0;
width: 100%;
height: 100%;
}
- アニメーション
SVGの特性を生かして、アニメーションを付与することができます。 - 柔軟性
複雑な形状でテキストを切り出すことができます。
- ブラウザ互換性
SVGのサポート状況を確認する必要があります。 - 実装の複雑さ
SVGの知識が必要になります。
CSS Grid/Flexboxを利用したレイアウト
CSS GridやFlexboxを利用して、要素のレイアウトを調整し、意図的にテキストを隠す方法です。
.container {
display: flex;
overflow: hidden;
}
.text {
flex: 1;
}
- 応用範囲
テキストだけでなく、画像や他の要素にも適用できます。 - レイアウトの自由度
レイアウトを柔軟に調整できます。
- 複雑なレイアウトの場合
複雑なレイアウトになるほど、CSSの記述が煩雑になる可能性があります。
CSS ModulesやStyled ComponentsなどのCSS-in-JS
CSS ModulesやStyled ComponentsなどのCSS-in-JSを用いることで、CSSをJavaScriptで管理し、より柔軟なスタイリングを実現できます。
- 動的なスタイル
JavaScriptの変数や関数を利用して、動的なスタイルを生成できます。 - コンポーネント指向
コンポーネント単位でスタイルを管理できます。
- 学習コスト
新しい概念を学ぶ必要があります。
どの方法を選ぶべきか?
- レイアウトの調整
CSS GridやFlexboxを利用する方法が有効です。 - 複雑な形状での切り出し
SVGを利用する方法が適しています。 - 単純な文字数制限
JavaScriptによる文字数制限が簡単です。
選択のポイントは、
- 開発環境
どのツールやライブラリを利用しているか - パフォーマンス
パフォーマンスへの影響 - 実現したいデザイン
どの程度の柔軟性が必要か
などを考慮して決定しましょう。
- ブラウザの互換性や、最新のCSS仕様にも注意が必要です。
- 各方法には、さらに細かい設定や組み合わせが可能です。
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