サンプルコード:package-lock.json に記載されている脆弱な npm パッケージを修正する
package-lock.json
に記載されている脆弱な npm パッケージを修正する方法
package-lock.json
ファイルは、プロジェクトで使用されているすべての npm パッケージとそのバージョンを記述したファイルです。これは、プロジェクトを別の環境に複製したり、他の開発者がプロジェクトに取り組んだりする際に、一貫した依存関係を確保するために役立ちます。
しかし、package-lock.json
に記載されている npm パッケージが脆弱であることが判明する場合があります。これは、セキュリティ上のリスクをもたらす可能性があるため、修正する必要があります。
問題
package-lock.json
に記載されている脆弱な npm パッケージが、package.json
ファイルに明示的に記載されていない場合があります。これは、依存関係の階層が深い場合や、間接的にインストールされるパッケージの場合によく発生します。
解決策
この問題を解決するには、以下の手順に従います。
- 脆弱性を特定する
npm audit
コマンドを使用して、プロジェクトの脆弱性を特定します。このコマンドを実行すると、package.json
および package-lock.json
ファイルに記載されているすべての npm パッケージがスキャンされ、既知の脆弱性がないかチェックされます。
npm audit
- 脆弱なパッケージを更新する
脆弱なパッケージを更新するには、npm install
コマンドと --save-dev
または --save-exact
フラグを使用します。これにより、package.json
ファイルと package-lock.json
ファイルが更新されます。
npm install <package-name> --save-dev # 開発依存関係の場合
npm install <package-name> --save-exact # プロダクション依存関係の場合
<package-name>
は、脆弱なパッケージの名前を置き換えます。
package-lock.json
ファイルを再生成する
npm install
コマンドを実行すると、package-lock.json
ファイルは自動的に更新されます。ただし、手動で再生成することもできます。
npm install
例
初期状態
{
"name": "my-project",
"version": "1.0.0",
"dependencies": {
"jquery": "^3.5.1"
}
}
{
"name": "my-project",
"version": "1.0.0",
"lockfileVersion": 2,
"packages": {
"jquery": {
"version": "3.5.1",
"resolved": "https://registry.npmjs.org/jquery/-/jquery-3.5.1.tgz",
"dependencies": {
"xml-parse": "^0.1.0"
}
},
"xml-parse": {
"version": "0.1.6",
"resolved": "https://registry.npmjs.org/xml-parse/-/xml-parse-0.1.6.tgz"
}
}
}
脆弱性スキャン
npm audit
...
[email protected]: XML parser library
Severity: high
Description: Insecure direct dependency: [email protected]
Recommended: Update to [email protected]
...
npm install [email protected] --save-exact
npm install
更新後
{
"name": "my-project",
"version": "1.0.0",
"dependencies": {
"jquery": "^3.5.1",
"xml-parse": "^0.2.0"
}
}
{
"name": "my-project",
"version": "1.0.0",
"lockfileVersion": 2,
"packages": {
"jquery": {
"version": "3.5.1",
"resolved": "https://registry.npmjs.org/jquery/-/jquery-
npm audit
...
[email protected]: XML parser library
Severity: high
Description: Insecure direct dependency: [email protected]
Recommended: Update to [email protected]
...
npm install [email protected] --save-exact
このコマンドは、xml-parse
パッケージをバージョン 0.2.0
に更新し、package.json
ファイルと package-lock.json
ファイルを更新します。
npm install
このコマンドは、package-lock.json
ファイルを手動で再生成します。
説明
npm audit
コマンドは、プロジェクトの依存関係にあるすべての npm パッケージをスキャンし、既知の脆弱性がないかチェックします。npm install
コマンドは、指定されたパッケージをインストールし、package.json
ファイルとpackage-lock.json
ファイルを更新します。--save-exact
フラグは、package.json
ファイルにインストールされたパッケージの正確なバージョンを記録するようにnpm install
コマンドに指示します。これにより、他の開発者がプロジェクトを複製したときに、同じバージョンのパッケージが確実にインストールされます。
注意事項
- この例では、
xml-parse
パッケージのみが脆弱であることを前提としています。実際のプロジェクトでは、複数の脆弱なパッケージが存在する可能性があります。 - 脆弱なパッケージを更新する前に、必ずそのパッケージのドキュメントを確認してください。新しいバージョンに互換性の無い変更が含まれている可能性があります。
- 脆弱性を修正した後、プロジェクトを再度テストして、すべてが正常に動作していることを確認してください。
npm audit fix
コマンドは、npm audit
コマンドで検出された脆弱性を自動的に修正するコマンドです。このコマンドは、単純な脆弱性に対してのみ有効であり、すべての脆弱性を修正できるとは限りません。
npm audit fix
脆弱なパッケージを特定したら、手動で更新することができます。これを行うには、npm install
コマンドと、--save-dev
または--save-exact
フラグを使用します。
npm install <package-name> --save-dev # 開発依存関係の場合
npm install <package-name> --save-exact # プロダクション依存関係の場合
パッケージをフォークする
修正が必要なパッケージがオープンソースの場合は、そのパッケージをフォークして修正を加え、自分のプロジェクトでそのフォークされたバージョンを使用することができます。
代替のパッケージを使用する
各方法の利点と欠点
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
npm audit fix | 簡単 | すべての脆弱性を修正できるとは限らない |
手動でパッケージを更新する | 柔軟性が高い | 時間と労力がかかる |
パッケージをフォークする | 完全な制御が可能 | 時間と労力がかかる、メンテナンスが必要 |
代替のパッケージを使用する | 簡単 | 必ずしも完全な代替品とは限らない |
最善の方法
最善の方法は、状況によって異なります。単純な脆弱性の場合、npm audit fix
コマンドを使用するだけでよい場合があります。より複雑な脆弱性の場合、手動でパッケージを更新したり、パッケージをフォークしたりする必要があるかもしれません。代替のパッケージが利用可能な場合は、それが最善の解決策となる可能性があります。
- 脆弱性管理は、継続的なプロセスであることを忘れないでください。定期的に
npm audit
コマンドを実行して、新しい脆弱性が発見されていないことを確認してください。
node.js npm