TypeScript 3 ビルドにおけるフォルダ構造維持
TypeScript 3 を使用してプロジェクトをビルドする場合、src
フォルダ内のファイル構造を維持したまま、dist
フォルダに出力することができます。これにより、プロジェクトの整理と管理が容易になります。
手順
-
tsconfig.json ファイルの設定
tsconfig.json
ファイルで、rootDir
とoutDir
プロパティを設定します。{ "compilerOptions": { "rootDir": "./src", "outDir": "./dist" } }
rootDir
: TypeScript コンパイラがソースファイルを検索するルートディレクトリを指定します。outDir
: コンパイルされた JavaScript ファイルを出力するディレクトリを指定します。
-
ビルドコマンドの実行
コマンドラインで次のコマンドを実行します:
tsc
これにより、
src
フォルダ内の TypeScript ファイルがコンパイルされ、dist
フォルダに同じ階層構造で JavaScript ファイルが出力されます。
例
src/
index.ts
components/
Button.tsx
Input.tsx
utils/
helper.ts
ビルド後、dist
フォルダは次のようになります:
dist/
index.js
components/
Button.js
Input.js
utils/
helper.js
- TypeScript の設定ファイル
tsconfig.json
の詳細については、公式ドキュメントを参照してください。 - ビルドプロセス中にエラーが発生した場合は、コンソールに出力されるエラーメッセージを確認してください。
outDir
プロパティを使用することで、コンパイルされた JavaScript ファイルがdist
フォルダに出力され、元のファイル構造が保持されます。rootDir
プロパティを使用することで、TypeScript コンパイラはsrc
フォルダ内のファイルのみを処理し、他のディレクトリ内のファイルは無視します。
Additional Notes
- Additional Build Tools
You can use additional build tools like webpack or Rollup to optimize and bundle your code further. - Source Maps
For debugging purposes, consider enabling source maps in yourtsconfig.json
to map generated JavaScript code back to original TypeScript code. - Module Resolution
Ensure yourtsconfig.json
has the correctmoduleResolution
setting to handle module imports and exports.
{
"compilerOptions": {
"rootDir": "./src",
"outDir": "./dist",
// その他のコンパイラオプション
"target": "es6",
"module": "commonjs",
// ...
}
}
- outDir: コンパイルされた JavaScript ファイルを出力するディレクトリを指定します。この例では、
dist
フォルダが指定されています。 - rootDir: TypeScript コンパイラがソースコードを検索するルートディレクトリを指定します。この例では、
src
フォルダが指定されています。
src/ フォルダの構造例
src/
index.ts
models/
User.ts
components/
Button.tsx
ビルド後の dist/ フォルダの構造
dist/
index.js
models/
User.js
components/
Button.js
コード例 (src/index.ts)
import User from './models/User';
import Button from './components/Button';
const user = new User('Alice', 30);
console.log(user.name);
const button = new Button('Click me');
button.render();
コード例 (src/models/User.ts)
export default class User {
constructor(public name: string, public age: number) {}
}
コード例 (src/components/Button.tsx)
export default class Button extends React.Component {
// ...
}
ビルドコマンド
tsc
解説
- src/ フォルダの構造
- ビルド
tsc
コマンドを実行すると、tsconfig.json
の設定に従ってコンパイルが実行され、dist
フォルダに JavaScript ファイルが出力されます。- 出力された JavaScript ファイルは、元の TypeScript ファイルと同じ階層構造を保ちます。
重要なポイント
- 型定義ファイル
外部ライブラリを使用する場合は、対応する型定義ファイル (.d.ts
) をプロジェクトに追加します。 - モジュール
使用しているモジュールシステム (CommonJS, ES Modules など) に合わせてtsconfig.json
のmodule
オプションを設定します。 - 相対パス
TypeScript ファイル内で他のファイルを参照する際は、rootDir
を基準とした相対パスを使用します。
TypeScript 3 を使用することで、src
フォルダの構造を維持したまま dist
フォルダに JavaScript ファイルを出力することができます。これにより、プロジェクトの管理が容易になり、大規模なアプリケーション開発にも適しています。
- 型チェック
TypeScript の強力な型システムを活用することで、開発中のエラーを早期に発見し、コードの品質向上に貢献できます。 - モジュールバンドラー
webpack や Rollup などのモジュールバンドラーと組み合わせることで、さらに高度なビルド処理を行うことができます。
TypeScript 3 ビルドにおけるフォルダ構造維持の代替方法
TypeScript 3 で src
フォルダの構造を dist
フォルダに維持する方法は、tsconfig.json
の rootDir
と outDir
プロパティを適切に設定することで実現できると説明しました。しかし、これ以外にもいくつかの方法やツールがあります。
モジュールバンドラーの利用
- Rollup
Rollup は、ES Modules を対象としたモジュールバンドラーです。webpack と同様に、出力設定を調整することでsrc
フォルダの構造を維持できます。 - webpack
webpack は、モジュールをバンドルし、最適化する強力なツールです。output.path
オプションで出力先ディレクトリを指定し、output.filename
オプションで出力ファイル名を制御することで、src
フォルダの構造を維持したままビルドできます。
npm scripts の活用
- カスタムスクリプト
package.json
のscripts
セクションにカスタムスクリプトを作成し、tsc
コマンドと組み合わせて、より複雑なビルド処理を実現できます。例えば、ビルド前に特定の処理を実行したり、ビルド後にファイルをコピーしたりすることができます。
- gulp
タスクランナーの gulp を利用して、TypeScript のコンパイルだけでなく、リソースのコピー、圧縮など、様々なビルドタスクを自動化できます。 - tsc-watch
TypeScript のファイルを監視し、変更があった場合に自動的にコンパイルするツールです。tsconfig.json
の設定を継承するため、rootDir
とoutDir
の設定も有効になります。
各方法の比較
方法 | 特徴 | 適しているケース |
---|---|---|
tsconfig.json の設定 | シンプルで使いやすい | 小規模から中規模のプロジェクト |
モジュールバンドラー (webpack, Rollup) | 高度な機能、最適化が可能 | 大規模なプロジェクト、複雑なビルド処理 |
npm scripts | カスタムスクリプトで柔軟なビルド処理が可能 | 特定の要件がある場合 |
その他のツール (tsc-watch, gulp) | 自動化、タスク管理 | 複雑なプロジェクト、チーム開発 |
選択のポイント
- チーム開発
チームで開発する場合は、ビルドプロセスを統一するために、npm scripts やタスクランナーを利用すると良いでしょう。 - 機能
モジュールバンドル、最適化、ソースマップ生成など、必要な機能に応じてツールを選択します。 - プロジェクト規模
小規模なプロジェクトであればtsconfig.json
の設定だけで十分な場合が多いですが、大規模なプロジェクトではモジュールバンドラーやタスクランナーが有効です。
より詳細な情報を得るためには、以下のキーワードで検索することをおすすめします
- gulp TypeScript
- npm scripts TypeScript
- webpack TypeScript
- TypeScript ビルド
typescript build tsc