Node.jsヘッダーエラー解説
「ERR_HTTP_HEADERS_SENT: Cannot set headers after they are sent to the client」の日本語解説 (Node.js, Express, Mongoose)
エラーの意味
このエラーは、HTTP レスポンスのヘッダーがすでにクライアントに送信された後に、さらにヘッダーを設定しようとした場合に発生します。つまり、一度送信されたレスポンスの情報を変更することはできません。
原因
- 非同期処理のタイミング
Node.js の非同期処理の性質により、レスポンスが送信される前にヘッダーを設定するべきタイミングで設定が遅れることがあります。 - 誤ったヘッダー設定
コード内でヘッダーの設定が間違っている場合、複数のヘッダーが設定されたり、不正なヘッダーが設定されたりして、このエラーが発生することがあります。 - レスポンスの送信後
ヘッダーはレスポンスの最初の部分として送信されます。一度送信されると、変更することはできません。
解決方法
-
ヘッダー設定のタイミング
- レスポンスを送信する前に、すべてのヘッダーを設定してください。
- 非同期処理のコールバック関数や Promise の then ブロック内でヘッダーを設定する場合は、レスポンスの送信後にヘッダーを設定しないように注意してください。
-
ヘッダー設定の確認
- コード内でヘッダーを設定している箇所をすべて確認し、誤った設定がないかチェックしてください。
- 複数のヘッダーが設定されていないか、不正なヘッダーが設定されていないかを確認してください。
-
非同期処理の管理
- 必要に応じて、非同期処理の順序を制御するために、async/await や Promise.all を使用することもできます。
具体例 (Express)
const express = require('express');
const app = express();
app.get('/users', (req, res) => {
// すべてのヘッダーを設定してからレスポンスを送信
res.setHeader('Content-Type', 'application/json');
res.setHeader('X-API-Key', 'your-api-key');
// ここでレスポンスを送信
res.send({ users: [{ name: 'John Doe' }] });
// この行はエラーになります
// res.setHeader('X-Custom-Header', 'value');
});
このコードでは、すべてのヘッダーを設定してからレスポンスを送信しているため、エラーは発生しません。
「ERR_HTTP_HEADERS_SENT」のコード例
正しい例
const express = require('express');
const app = express();
app.get('/users', (req, res) => {
// すべてのヘッダーを設定してからレスポンスを送信
res.setHeader('Content-Type', 'application/json');
res.setHeader('X-API-Key', 'your-api-key');
// ここでレスポンスを送信
res.send({ users: [{ name: 'John Doe' }] });
// この行はエラーになります
// res.setHeader('X-Custom-Header', 'value');
});
誤った例
const express = require('express');
const app = express();
app.get('/users', (req, res) => {
// レスポンスを送信してからヘッダーを設定
res.send({ users: [{ name: 'John Doe' }] });
// この行はエラーになります
res.setHeader('Content-Type', 'application/json');
});
このコードでは、レスポンスを送信してからヘッダーを設定しているため、エラーが発生します。
「Node.jsヘッダーエラー解説」のコード例
非同期処理のタイミング
const express = require('express');
const app = express();
app.get('/users', (req, res) => {
// 非同期処理
setTimeout(() => {
// レスポンスを送信してからヘッダーを設定
res.send({ users: [{ name: 'John Doe' }] });
res.setHeader('X-Custom-Header', 'value');
}, 1000);
});
このコードでは、非同期処理のコールバック関数内でヘッダーを設定しているため、レスポンスの送信後にヘッダーを設定することになり、エラーが発生します。
ヘッダーの重複
const express = require('express');
const app = express();
app.get('/users', (req, res) => {
// 同じヘッダーを複数回設定
res.setHeader('Content-Type', 'text/plain');
res.setHeader('Content-Type', 'application/json');
// レスポンスを送信
res.send({ users: [{ name: 'John Doe' }] });
});
このコードでは、同じヘッダーを複数回設定しているため、エラーが発生します。
不正なヘッダー
const express = require('express');
const app = express();
app.get('/users', (req, res) => {
// 不正なヘッダーを設定
res.setHeader('Invalid-Header', 'value');
// レスポンスを送信
res.send({ users: [{ name: 'John Doe' }] });
});
「ERR_HTTP_HEADERS_SENT」と「Node.jsヘッダーエラー解説」の代替手法
代替手法
ヘッダーの設定タイミングの調整
- 非同期処理の適切なタイミング
app.get('/users', async (req, res) => { // 非同期処理 const data = await fetchData(); // レスポンスの送信前にヘッダーを設定 res.setHeader('Content-Type', 'application/json'); // ここでレスポンスを送信 res.send(data); });
- レスポンスの送信前にすべてを設定
const express = require('express'); const app = express(); app.get('/users', (req, res) => { // すべてのヘッダーを設定してからレスポンスを送信 res.setHeader('Content-Type', 'application/json'); res.setHeader('X-API-Key', 'your-api-key'); // ここでレスポンスを送信 res.send({ users: [{ name: 'John Doe' }] }); });
ヘッダーの統合
- 複数のヘッダーを1つのヘッダーに統合
サーバー側でヘッダーを解析し、必要に応じて処理します。res.setHeader('Custom-Header', 'value1,value2,value3');
クライアント側でのヘッダーの処理
- クライアント側にヘッダー情報を提供
クライアント側でヘッダー情報を取得し、適切に処理します。res.send({ headers: { 'Content-Type': 'application/json', 'X-API-Key': 'your-api-key' }, data: { users: [{ name: 'John Doe' }] } });
HTTPステータスコードの変更
- エラーが発生した場合に適切なステータスコードを返します
クライアント側でステータスコードを確認し、エラーが発生した場合に適切な処理を行います。if (error) { res.status(500).send('Internal Server Error'); } else { res.send(data); }
注意
- エラーが発生した場合には、適切なステータスコードを返すことでクライアント側でエラーを適切に処理できるようにしてください。
- クライアント側でヘッダー情報を処理する場合は、セキュリティ上のリスクを考慮し、適切な対策を講じてください。
- ヘッダーを統合する場合は、サーバー側でヘッダーを適切に解析する必要があります。
- ヘッダーの設定タイミングを適切に調整し、非同期処理のコールバック関数や Promise の then ブロック内でヘッダーを設定しないようにしてください。
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