【決定版】AngularにおけるvendorChunkのすべて:メリット・デメリット、設定方法、代替手段まで

2024-06-20

Angularにおける「vendorChunk」の利用:詳細解説

Angularのビルドプロセスにおいて、「vendorChunk」は、サードパーティライブラリ(Bootstrap、jQueryなど)とアプリケーションコードを別々のチャンクに分割するオプションです。開発環境ではデフォルトで有効化されていますが、本番環境では状況に応じて有効化・無効化を判断する必要があります。

「vendorChunk」の利点と欠点

利点

  • キャッシュの向上: サードパーティライブラリは変更頻度が低いため、別々のチャンクとして配信することで、ブラウザが一度ダウンロードしたライブラリをキャッシュし、再読み込みを抑制できます。これにより、ページの読み込み速度が向上します。
  • 開発効率の向上: 開発中にアプリケーションコードを変更した場合、「vendorChunk」が有効であれば、サードパーティライブラリを再ダウンロードする必要がなくなり、ビルド時間が短縮されます。

欠点

  • バンドルサイズ増加: 「vendorChunk」を有効化すると、ビルドされるバンドルサイズが大きくなります。これは、特に小型のアプリケーションにおいては問題となる可能性があります。
  • メンテナンスの複雑化: 「vendorChunk」を有効化すると、ビルド設定やコード管理が複雑化します。また、本番環境と開発環境で設定を切り替える必要が生じる場合もあります。

本番環境において「vendorChunk」を利用するかどうかは、以下の要素を考慮する必要があります。

  • アプリケーションのサイズ: アプリケーションのサイズが大きい場合、「vendorChunk」を利用することでキャッシュ効果がより顕著になり、パフォーマンスが向上する可能性があります。
  • サードパーティライブラリの更新頻度: サードパーティライブラリが頻繁に更新される場合、「vendorChunk」を利用すると、ブラウザが古いライブラリを使い続ける可能性があり、問題が発生する可能性があります。
  • 開発頻度: 開発頻度が高い場合、「vendorChunk」を利用すると、ビルド時間が長くなる可能性があります。

一般的には、以下の状況で「vendorChunk」を無効化することが推奨されています。

  • アプリケーションのサイズが小さい
  • サードパーティライブラリが頻繁に更新される
  • 開発頻度が高い

「vendorChunk」の利用を判断するツールとして、以下のようなものがあります。

    「vendorChunk」は、Angularのビルドプロセスにおける便利なオプションですが、本番環境では状況に応じて利用を判断する必要があります。上記の利点と欠点、そしてアプリケーションの状況を考慮し、最適な設定を選択してください。

    補足

    • Angular CLI 8以降では、「vendorChunk」はデフォルトで無効化されています。



    Angularにおける「vendorChunk」のサンプルコード

    {
      "projects": {
        "my-app": {
          "architect": {
            "build": {
              "options": {
                "vendorChunk": true
              }
            }
          }
        }
      }
    }
    

    この設定の場合、ng build コマンドを実行すると、vendor.jsという名前の別々のチャンクにサードパーティライブラリがビルドされます。

    以下のコードは、vendor.jsチャンクをHTMLファイルに読み込む例です。

    <script src="vendor.js"></script>
    

    上記はあくまで一例であり、実際のプロジェクトでは状況に応じて設定を調整する必要があります。




      Angularにおける「vendorChunk」以外の方法

      Tree Shakingは、未使用のコードをビルドから排除する手法です。Angular CLIはデフォルトでTree Shakingを有効化していますが、さらに設定を調整することで、より多くの未使用コードを排除することができます。

      Lazy Loadingは、必要なモジュールのみを動的に読み込む手法です。これにより、ページの読み込み速度を向上させることができます。

      HTTP/2は、HTTP/1.1よりも高速で効率的なプロトコルです。HTTP/2を使用することで、ページの読み込み速度を向上させることができます。

      CDNの利用

      CDN (Content Delivery Network) を利用することで、サードパーティライブラリをユーザーに近いサーバーから配信することができます。これにより、サードパーティライブラリの読み込み速度を向上させることができます。

      Brotli圧縮は、gzip圧縮よりも効率的な圧縮アルゴリズムです。Brotli圧縮を使用することで、バンドルサイズを削減し、ページの読み込み速度を向上させることができます。

      プリレンダリングは、サーバー側でHTMLをレンダリングし、クライアントに送信する手法です。これにより、クライアント側の処理を減らし、ページの読み込み速度を向上させることができます。

      Service Workersは、オフラインアクセスやプッシュ通知などの機能を提供するブラウザAPIです。Service Workersを利用することで、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。

      これらの方法は、「vendorChunk」と併用することで、より効果的にパフォーマンスを向上させることができます。

      具体的な方法は、アプリケーションの状況によって異なります。以下は、いくつかの参考情報です。


        angular


        アンカーリンクでスムーズなページ内移動!Angular2 でハッシュタグルーティングを使いこなす

        ルート設定: まず、app. routing. ts ファイルでルート設定を更新する必要があります。useHash プロパティを true に設定することで、ハッシュタグによるルーティングを有効にします。 const routes: Routes = [ { path: '', component: HomeComponent }, { path: 'about', component: AboutComponent }, { path: 'contact', component: ContactComponent } ]; @NgModule({...


        JSON.stringify と JSON.parse を使用してオブジェクトを深くコピーする

        lodash ライブラリを使用するlodash は、JavaScript でよく使用されるユーティリティライブラリであり、cloneDeep 関数を使用してオブジェクトを深くコピーする便利な方法を提供しています。手動で再帰的にコピーするlodash ライブラリを使用しない場合は、再帰関数を使用してオブジェクトを深くコピーすることもできます。...


        routeReuseStrategy プロパティを使用して常に新しいコンポーネントインスタンスを作成する

        Angularで、同じURLのページ間を遷移しても、ngOnInitライフサイクルフックが呼び出されないという問題が発生することがあります。これは、Angularのルーティング機能がデフォルトで同じURLに対するコンポーネントの再利用を行うためです。...


        Angular テンプレートをスッキリさせる!パイプとタップメソッドの使い分け

        パイプは、データの変換や書式設定を行うための機能です。テンプレート内で直接データにアクセスする代わりに、パイプを使用してデータを変換してから表示することができます。例:上記の例では、name 変数を大文字に変換してから表示するために、uppercase パイプを使用しています。...


        JavaScript、Angular、Nginx の専門家が語る:Angular キャッシュクリアの秘訣

        Angular アプリケーションをデプロイした後、キャッシュをクリアする必要がある場合があります。これは、新しいバージョンが正しく表示されるようにするため、およびパフォーマンスを向上させるためです。キャッシュクリアの必要性Angular は、パフォーマンスを向上させるために、テンプレート、コンポーネント、スタイルシートなどの静的ファイルをキャッシュします。しかし、新しいバージョンをデプロイした場合、キャッシュされたファイルは古いバージョンのままとなり、新しい機能や修正が反映されない可能性があります。...