TypeScript で Enum を拡張する

2024-10-28

TypeScript では、Enum を直接拡張することはできません。しかし、いくつかの手法を用いて、ある Enum をベースに新たな Enum を作成することができます。これにより、コードの再利用性と保守性を向上させることができます。

手法 1: Enum の再定義と拡張

  1. 元の Enum を定義

    enum Color {
        Red,
        Green,
        Blue
    }
    
  2. 新しい Enum を定義し、元の Enum の値をコピー

    enum ExtendedColor {
        Red = Color.Red,
        Green = Color.Green,
        Blue = Color.Blue,
        Yellow,
        Purple
    }
    

この方法により、新しい Enum ExtendedColor には、元の Color の値に加えて、新たな値 YellowPurple が追加されています。

手法 2: Union Type と Literal Type の活用

  1. 元の Enum の値を Literal Type として定義

    type Color = 'Red' | 'Green' | 'Blue';
    
  2. 新しい Enum を Union Type として定義

    type ExtendedColor = Color | 'Yellow' | 'Purple';
    

この方法では、元の Enum の値を Union Type に組み込むことで、拡張を実現しています。ただし、この方法では、元の Enum の値を直接継承するのではなく、新たな値を追加する形になります。

どちらの方法を選ぶべきか

  • 手法 2
    より柔軟な拡張が必要な場合や、文字列の値を直接使用したい場合に適しています。
  • 手法 1
    元の Enum の値を直接継承したい場合や、数値の連番を維持したい場合に適しています。

注意

  • 上記の手法は、あくまでも Enum の拡張のシミュレーションであり、厳密な継承ではありません。
  • TypeScript の Enum はコンパイル時に数値に変換されるため、直接の継承はできません。

TypeScript-Typings

TypeScript-Typings は、TypeScript の型定義ファイルの集合です。これにより、サードパーティライブラリや JavaScript ライブラリを TypeScript でよりスムーズに利用することができます。Enum の拡張に関しても、サードパーティライブラリが提供する Enum を拡張する場合には、そのライブラリの型定義ファイルを参照し、適切な方法で拡張する必要があります。




// 元の Enum
enum Color {
    Red,
    Green,
    Blue
}

// 拡張された Enum
enum ExtendedColor {
    Red = Color.Red,
    Green = Color.Green,
    Blue = Color.Blue,
    Yellow,
    Purple
}
// 元の Enum の値を Literal Type として定義
type Color = 'Red' | 'Green' | 'Blue';

// 拡張された Enum を Union Type として定義
type ExtendedColor = Color | 'Yellow' | 'Purple';

この方法では、元の Enum の値を Union Type に組み込むことで、拡張を実現しています。

使用例

function getColorName(color: ExtendedColor): string {
    switch (color) {
        case ExtendedColor.Red:
            return '赤';
        case ExtendedColor.Green:
            return '緑';
        case ExtendedColor.Blue:
            return '青';
        case ExtendedColor.Yellow:
            return '黄';
        case ExtendedColor.Purple:
            return '紫';
        default:
            return '不明';
    }
}

console.log(getColorName(ExtendedColor.Red)); // 出力: 赤
console.log(getColorName(ExtendedColor.Yellow)); // 出力: 黄



この手法では、インターフェースを使用して Enum の形状を定義し、マッピング型を使って新しい Enum を作成します。

interface Color {
    Red: string;
    Green: string;
    Blue: string;
}

type ExtendedColor = Color & {
    Yellow: string;
    Purple: string;
};

const extendedColor: ExtendedColor = {
    Red: '赤',
    Green: '緑',
    Blue: '青',
    Yellow: '黄',
    Purple: '紫'
};

文字列型によるアプローチ

この手法では、Enum の値を文字列として定義し、新しい Enum を作成します。

enum Color {
    Red = 'Red',
    Green = 'Green',
    Blue = 'Blue'
}

enum ExtendedColor {
    Red = Color.Red,
    Green = Color.Green,
    Blue = Color.Blue,
    Yellow = 'Yellow',
    Purple = 'Purple'
}

継承とミックスインによるアプローチ

この手法は、TypeScript のクラス継承とミックスインの概念を利用して、Enum のような振る舞いを模倣します。

class BaseColor {
    static Red = 'Red';
    static Green = 'Green';
    static Blue = 'Blue';
}

class ExtendedColor extends BaseColor {
    static Yellow = 'Yellow';
    static Purple = 'Purple';
}

選択する手法

  • 継承とミックスイン
    クラスベースのオブジェクト指向アプローチを好む場合に適していますが、やや複雑な実装が必要になります。
  • 文字列型
    シンプルな拡張方法ですが、型チェックの厳密さが多少低下します。
  • インターフェースとマッピング型
    より柔軟な拡張が可能で、型安全性を確保できます。

typescript typescript-typings



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