TypeScript: keyof と typeof で柔軟な型定義を行う

2024-06-13

TypeScript でオブジェクトのキーを推論し、値の型を定義する方法

しかし、オブジェクトのキーは推論できるものの、値の型は推論できない場合があります。そのような場合、オブジェクトの値の型を明示的に定義する必要があります。

この問題は、いくつかの方法で解決できます。

型注釈を使用する

最も単純な方法は、型注釈を使用してオブジェクトの値の型を明示的に定義することです。

let user: {
  name: string;
  age: number;
};

user = {
  name: "John Doe",
  age: 30
};

この例では、user 変数にオブジェクトリテラルを代入しています。オブジェクトリテラルには nameage という 2 つのプロパティがあり、それぞれ string 型と number 型であることが型注釈によって明示的に定義されています。

インターフェースを使用する

より複雑なオブジェクトリテラルを扱う場合は、インターフェースを使用すると便利です。インターフェースは、オブジェクトの構造を定義するための型エイリアスです。

interface User {
  name: string;
  age: number;
}

let user: User;

user = {
  name: "John Doe",
  age: 30
};

この例では、User という名前のインターフェースを定義しています。このインターフェースには nameage という 2 つのプロパティがあり、それぞれ string 型と number 型であることが定義されています。その後、user 変数に User 型を指定しています。

ジェネリックを使用する

さらに汎用的な方法として、ジェネリックを使用することができます。ジェネリックは、型パラメーターを使用して、さまざまな型の値を扱うことができる型を定義する方法です。

function mapObject<T>(obj: { [key: string]: T }, fn: (value: T) => T): { [key: string]: T } {
  const result: { [key: string]: T } = {};
  for (const key in obj) {
    result[key] = fn(obj[key]);
  }
  return result;
}

const users: { [key: string]: User } = {
  john: { name: "John Doe", age: 30 },
  jane: { name: "Jane Doe", age: 25 }
};

const updatedUsers = mapObject(users, (user) => {
  user.age += 1;
  return user;
});

この例では、mapObject という名前のジェネリック関数を作成しています。この関数は、オブジェクトと、オブジェクトの値を処理する関数を受け取り、処理された値を持つ新しいオブジェクトを返します。users 変数は、User 型の値を持つキーと値のペアのオブジェクトです。updatedUsers 変数は、mapObject 関数を使用して users オブジェクトを処理した結果です。mapObject 関数は、users オブジェクトの各値に対して user.age += 1 を実行し、処理された値を持つ新しいオブジェクトを返します。

これらの方法は、TypeScript でオブジェクトのキーを推論し、値の型を定義する方法のほんの一例です。状況に応じて適切な方法を選択してください。




TypeScript サンプルコード

型注釈を使用する

let user: {
  name: string;
  age: number;
};

user = {
  name: "John Doe",
  age: 30
};

インターフェースを使用する

interface User {
  name: string;
  age: number;
}

let user: User;

user = {
  name: "John Doe",
  age: 30
};

ジェネリックを使用する

function mapObject<T>(obj: { [key: string]: T }, fn: (value: T) => T): { [key: string]: T } {
  const result: { [key: string]: T } = {};
  for (const key in obj) {
    result[key] = fn(obj[key]);
  }
  return result;
}

const users: { [key: string]: User } = {
  john: { name: "John Doe", age: 30 },
  jane: { name: "Jane Doe", age: 25 }
};

const updatedUsers = mapObject(users, (user) => {
  user.age += 1;
  return user;
});

これらのサンプルコードは、それぞれの方法をどのように使用できるかを示す基本的な例です。実際のコードでは、より複雑なオブジェクト構造や処理ロジックを使用する可能性があります。




TypeScript でオブジェクトのキーを推論し、値の型を定義する方法:その他の方法

keyof と typeof を使用する

keyof 演算子は、オブジェクトのすべてのプロパティ名の型をユニオン型として取得するために使用できます。 typeof 演算子は、値の型を取得するために使用できます。これらの演算子を組み合わせて、オブジェクトの値の型を定義することができます。

type UserKeys = keyof User;
type UserValues = typeof User[UserKeys];

let user: { [key in UserKeys]: UserValues };

user = {
  name: "John Doe",
  age: 30
};

この例では、UserKeys 型は User インターフェースのすべてのプロパティ名の型をユニオン型として定義します。UserValues 型は、UserKeys 型の各プロパティの値の型を定義します。user 変数は、UserKeys 型のキーと UserValues 型の値を持つオブジェクトであることが型注釈によって定義されています。

Mapped Types は、既存の型に基づいて新しい型を定義する方法です。 keyoftypeof 演算子と組み合わせて使用することで、オブジェクトの値の型を定義することができます。

type UserWithReadonlyAge = {
  [key in keyof User]: Readonly<User[key]>;
};

let user: UserWithReadonlyAge;

user = {
  name: "John Doe",
  age: 30
};

この例では、UserWithReadonlyAge 型は User インターフェースと同じプロパティ名を持つ新しい型を定義しますが、すべてのプロパティの値が readonly になります。つまり、user 変数内の age プロパティを変更することはできません。

カスタムユーティリティ型を使用する

独自のユーティリティ型を作成して、オブジェクトのキーを推論し、値の型を定義することもできます。

type AsConst<T> = { [P in keyof T]: T[P] as const };

type UserAsConst = AsConst<User>;

let user: UserAsConst;

user = {
  name: "John Doe",
  age: 30
};

これらの方法は、より高度なユースケースで使用できます。基本的なケースでは、前述の単純な方法で十分です。


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