TypeScriptの「as」キーワード解説
TypeScriptにおける「as」キーワードの役割
TypeScriptにおける「as」キーワードは、変数の型を明示的に指定するために使用されます。これは、型推論の機能が強力なTypeScriptでも、特定の場面で型を明確にする必要がある場合に役立ちます。
具体的な使い方:
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型アサーション
- 変数の型を、その変数の実際の型とは異なる型として宣言します。
- これは、コードの読みやすさや、コンパイラによるチェックを回避するために使用されます。
const value = "123"; const numberValue = value as number; // valueをnumber型として扱う
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ジェネリック型引数の指定
- ジェネリック型のインスタンスを作成する際に、型引数を指定します。
interface Array<T> { length: number; [index: number]: T; } const numbers: Array<number> = [1, 2, 3]; const strings: Array<string> = ["a", "b", "c"];
注意点:
- コンパイラによるチェック
型アサーションはコンパイラによる型チェックを回避します。そのため、慎重に使用してください。 - 型安全性
型アサーションは型安全性を低下させる可能性があります。誤った型を指定すると、ランタイムエラーが発生する可能性があります。
// 変数の型を明示的に指定
const value = "123";
const numberValue = value as number; // valueをnumber型として扱う
// 型推論と比較
const inferredNumber: number = 123; // 型推論によりnumber型と推論される
interface Array<T> {
length: number;
[index: number]: T;
}
// ジェネリック型引数を指定
const numbers: Array<number> = [1, 2, 3];
const strings: Array<string> = ["a", "b", "c"];
// 型推論によるジェネリック型引数の推論
const inferredNumbers = [1, 2, 3]; // Array<number>と推論される
// 誤った型アサーション
const value = "123";
const numberValue = value as number; // valueは実際にはstring型なので、誤った型アサーション
// ランタイムエラーが発生する可能性がある
console.log(numberValue + 1); // 計算エラーが発生する
// 非破壊的な型変換
const numberValue = parseInt(value); // valueをnumber型に変換する
// 条件付き型ガード
if (typeof value === "number") {
// valueがnumber型であることが保証されている
console.log(value + 1);
}
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非破壊的な型変換
- 組み込みの型変換関数を使用して、変数の型を安全に変換します。
- 例:
parseInt()
,parseFloat()
,Number()
,String()
,Boolean()
const value = "123"; const numberValue = parseInt(value); // 非破壊的にnumber型に変換
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型推論
- TypeScriptの型推論機能により、多くの場合、ジェネリック型引数を明示的に指定する必要はありません。
const numbers = [1, 2, 3]; // Array<number>と推論される
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ジェネリック型制約
- ジェネリック型に制約を設けることで、型引数の可能性を制限し、型安全性を向上させます。
interface NumericArray<T extends number> { length: number; [index: number]: T; } const numbers: NumericArray<number> = [1, 2, 3];
typescript