Angular 9 で導入されたグローバルな $localize() 関数とは?

2024-06-29

Angular 9 で導入されたグローバルな $localize() 関数とは?

従来の i18n メカニズムでは、翻訳対象の文字列を特殊な構文で囲む必要がありました。しかし、$localize() 関数を使用すると、より自然な書き方で翻訳対象の文字列を指定することができます。

$localize() 関数の利点

  • より自然なテンプレート記述
  • 翻訳対象の文字列の視認性向上
  • コードの簡潔化

$localize() 関数の使い方

<p>ようこそ、{{ name }} さん!</p>

上記の例では、{{ name }} が翻訳対象の文字列としてマークされています。$localize() 関数は、この文字列を翻訳後の文字列に置き換えます。

翻訳後の文字列は、翻訳ファイルに定義されます。例えば、日本語の場合は以下のように翻訳ファイルを定義します。

{
  "WELCOME": "ようこそ、{{ name }} さん!"
}

$localize() 関数は、翻訳ファイルのキーと翻訳対象の文字列を一致させて、翻訳後の文字列を返します。

$localize() 関数を利用するには、以下の手順が必要です。

  1. @angular/localize パッケージをインストールする。
  2. polyfills.ts ファイルに import '@angular/localize'; を追加する。
  3. 翻訳対象の文字列を $localize() 関数でマークする。
  4. 翻訳ファイルを定義する。

Angular 9 で導入された $localize() 関数は、i18n の処理をより容易にし、テンプレート記述をより自然にする強力なツールです。i18n を必要とする Angular アプリケーション開発において、積極的に活用することをおすすめします。




    Angular 9 で $localize() 関数を利用したサンプルコード

    app.component.html

    <p>ようこそ、{{ $localize('WELCOME', { name: user.name }) }} さん!</p>
    
    import { Component } from '@angular/core';
    
    @Component({
      selector: 'app-root',
      templateUrl: './app.component.html',
      styleUrls: ['./app.component.css']
    })
    export class AppComponent {
      user = {
        name: '田中 太郎'
      };
    }
    

    messages.json

    {
      "WELCOME": "ようこそ、{{ name }} さん!"
    }
    

    このコードでは、app.component.html ファイルで $localize() 関数を使用して、WELCOME という翻訳キーと user.name という変数を指定して翻訳対象の文字列をマークしています。

    app.component.ts ファイルでは、user というオブジェクトを定義し、その中に name というプロパティにユーザーの名前を設定しています。

    messages.json ファイルには、WELCOME という翻訳キーと翻訳後の文字列を定義しています。

    実行時に、$localize() 関数は messages.json ファイルの翻訳キーと一致する翻訳後の文字列を返します。そして、翻訳対象の文字列と翻訳後の文字列を結合して、テンプレートに挿入します。

    この例は、$localize() 関数の基本的な使い方を示しています。実際のアプリケーションでは、より複雑な翻訳処理を行うことも可能です。

    • 翻訳対象の文字列にフォーマットを適用する
    • 複数形の翻訳に対応する
    • HTML タグを含む翻訳を行う

    これらのサンプルコードは、以下のサイトなどで参照することができます。

    $localize() 関数は、Angular 9 で導入された強力な i18n ツールです。この関数を活用することで、i18n の処理をより容易にし、テンプレート記述をより自然にすることができます。

    サンプルコードを参考に、ぜひ $localize() 関数を使いこなして、国際対応の Angular アプリケーション開発を進めてください。




    Angular 9 で翻訳を実現するその他の方法

    ngx-translate は、Angular 向けのオープンソースの翻訳ライブラリです。$localize() 関数よりも多くの機能を提供しており、複雑な翻訳処理にも対応できます。

    • 利点
      • 多くの機能を備えている
      • 複雑な翻訳処理に対応できる
    • 欠点

      ICU メッセージフォーマットは、複数形の翻訳や性別による翻訳など、複雑な翻訳を記述するためのフォーマットです。

      • 利点
        • 欠点

          カスタムパイプを使用して、翻訳処理を独自に実装することもできます。

          • 利点
            • 欠点

              どの方法を選択するかは、プロジェクトの要件や開発者のスキルによって異なります。

              • シンプルな翻訳であれば、$localize() 関数で十分でしょう。
              • 複雑な翻訳が必要であれば、ngx-translate や ICU メッセージフォーマットを使用することを検討しましょう。
              • 完全な柔軟性が必要であれば、カスタムパイプを使用しましょう。

              以下は、各方法の比較表です。

              方法利点欠点
              $localize() 関数シンプル機能が少ない
              ngx-translate機能が多い設定やコード量が多くなる
              ICU メッセージフォーマット複雑な翻訳を記述できる記述が複雑になる
              カスタムパイプ完全な柔軟性を備えている開発・保守の手間がかかる

              Angular 9 で翻訳を実現するには、様々な方法があります。それぞれの方法の利点と欠点を理解し、プロジェクトの要件に合った方法を選択することが重要です。


                angular localization angular9


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