useRefフックの型について

2024-10-29

背景

TypeScriptでの型指定

useRefフックの型指定は、初期値の型によって異なります。

初期値がnullの場合

import { useRef } from 'react';

const ref = useRef<HTMLInputElement | null>(null);

// 後でcurrentプロパティにHTMLInputElementを代入する場合
ref.current = document.getElementById('myInput') as HTMLInputElement;

この場合、ref.currentHTMLInputElement | null型になります。つまり、nullまたはHTMLInputElementのいずれかになります。

初期値が特定のオブジェクトの場合

import { useRef } from 'react';

interface MyObject {
  name: string;
  age: number;
}

const ref = useRef<MyObject>({ name: 'Alice', age: 30 });

// 後でcurrentプロパティを別のMyObjectに更新する場合
ref.current = { name: 'Bob', age: 25 };

この場合、ref.currentMyObject型になります。

重要なポイント

  • ref.currentへのアクセスは、レンダリングサイクルの外で行うのが一般的です(例えば、イベントハンドラやuseEffectフック内)。
  • ref.currentの型は、初期値の型によって決まります。
  • ref.currentはミュータブルなプロパティです。つまり、直接変更することができます。



// JavaScript
const ref = useRef(null);

// 後でcurrentプロパティにHTMLInputElementを代入する場合
ref.current = document.getElementById('myInput');

TypeScript

// TypeScript
import { useRef } from 'react';

// 初期値がnullの場合
const ref = useRef<HTMLInputElement | null>(null);

// 後でcurrentプロパティにHTMLInputElementを代入する場合
ref.current = document.getElementById('myInput') as HTMLInputElement;

// 初期値が特定のオブジェクトの場合
interface MyObject {
  name: string;
  age: number;
}

const ref = useRef<MyObject>({ name: 'Alice', age: 30 });

// 後でcurrentプロパティを別のMyObjectに更新する場合
ref.current = { name: 'Bob', age: 25 };

解説

    • 初期値がnullの場合
      • refの型をHTMLInputElement | nullと指定します。
      • ref.currentnullまたはHTMLInputElementのいずれかになります。
    • 初期値が特定のオブジェクトの場合
      • MyObjectインターフェースを定義します。
      • refの型をMyObjectと指定します。
  • JavaScript

    • useRefフックを使用して、refという変数を宣言します。
    • 初期値はnullです。
    • 後で、ref.currentdocument.getElementById('myInput')で取得したHTMLInputElementを代入します。



useRefフックは、レンダリングに直接関係しない値を保持する便利なツールですが、特定のユースケースでは、他のアプローチも検討できます。

State Hook (useState)

  • 欠点

  • 利点

    • 値の変更をトリガーに再レンダリングが行われるため、UIの更新が自動的に行われます。
    • 値の履歴を保持することができます。
  • シンプルな値の管理
    もし、useRefで管理している値が単純な値(例えば、数値や文字列)で、レンダリングに影響を与える場合、useStateフックを使用することができます。

    import { useState } from 'react';
    
    const [value, setValue] = useState<number>(0);
    
    // 値の更新
    setValue(newValue);
    

Context API

    • グローバルな値を簡単に共有できます。
    • 複雑な状態管理を簡潔に表現できます。
  • グローバルな値の共有
    複数のコンポーネント間で値を共有したい場合、Context APIを使用することができます。

    import { createContext, useContext } from 'react';
    
    const MyContext = createContext<number>(0);
    
    // Providerコンポーネント
    function MyProvider({ children }) {
      const [value, setValue] = useState<number>(0);
    
      return (
        <MyContext.Provider value={value}>
          {children}
        </MyContext.Provider>
      );
    }
    
    // Consumerコンポーネント
    function MyConsumer() {
      const value = useContext(MyContext);
    
      // 値の更新はProviderコンポーネントで行う
    }
    

適切な方法の選択

  • レンダリングに直接関係しない値の保持
    useRefフックが適しています。
  • グローバルな値の共有
    Context APIが適しています。
  • 単純な値の管理
    useStateフックが適しています。

reactjs typescript react-hooks



TypeScript で enum を作る方法

TypeScriptでは、enumというキーワードを使用して、特定の値のセットを定義することができます。これは、定数や列挙型のような役割を果たします。この例では、Colorという名前のenumを定義しています。このenumは、Red、Green、Blueという3つの値を持ちます。これらの値は、数値として内部的に表現されます。...


TypeScript メソッドオーバーロード 解説

TypeScriptでは、同じ名前の関数を複数の異なるシグネチャで定義することで、メソッドオーバーロードを実現できます。これにより、入力パラメータの種類や数に応じて異なる処理を行うことができます。基本的な方法例注意点オペレータオーバーロード TypeScriptでは、C++やJavaのようなオペレータオーバーロードはサポートされていません。つまり、+、-、*などの演算子の挙動を独自に定義することはできません。...


Knockout.jsとTypeScriptでシンプルTodoアプリを作ってみよう

Knockout. js は、JavaScript フレームワークであり、DOM 操作とデータバインディングを容易にすることで、Web アプリケーション開発を簡素化します。TypeScript は、JavaScript の静的型付けスーパーセットであり、型安全性を向上させ、開発者の生産性を高めることができます。...


TypeScriptとJavaScriptの違いは?

TypeScriptは、JavaScriptのスーパーセットであり、JavaScriptに静的型付けの機能を追加したプログラミング言語です。つまり、TypeScriptのコードはJavaScriptのコードとしても実行できますが、TypeScriptでは変数や関数の型を明示的に指定することができます。...


JavaScriptとTypeScriptにおけるオープンエンド関数引数

この例では、sum関数は. ..numbersという引数を受け取ります。...演算子は、渡された引数を配列に変換します。そのため、numbers変数には、呼び出し時に渡されたすべての数値が格納されます。TypeScriptでは、引数の型も指定できます。この例では、sum関数はnumber型の引数のみを受け取るように定義されています。...



SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



【徹底解説】JavaScriptとTypeScriptにおけるswitch文で同じコードを実行する2つの方法と注意点

この場合、以下の 2 つの方法で実現することができます。上記の例では、value が 1 または 3 の場合、console. log("値は 1 または 3 です"); が実行されます。同様に、value が 2 または 4 の場合、console


サンプルコードで解説! TypeScript で jQuery Autocomplete を使いこなす

jQuery の型定義ファイルの導入TypeScript で jQuery を利用するために、型定義ファイルが必要です。型定義ファイルは、jQuery の関数やプロパティの型情報を提供し、TypeScript の IntelliSense 機能でオートコンプリートやエラーチェックを有効にします。


軽量で効率的な TypeScript コード: 最小化の重要性とベストプラクティス

そこで、TypeScriptを最小化と呼ばれる手法でコンパイルすることで、コードサイズを削減し、実行速度を向上させることができます。最小化は、コメントや空白などの不要な文字列を削除し、変数名を短縮するなどの処理を行います。TypeScriptを最小化する方法


TypeScriptでHTMLElementの型アサート

TypeScriptでは、HTMLElementの型をアサートして、その要素に存在するメソッドやプロパティにアクセスすることができます。アサートは、変数に特定の型があることをコンパイラに伝えるための方法です。アサートの構文ここで、typeはアサートする型、expressionはアサートしたい値です。


TypeScript型定義ファイル作成ガイド

TypeScriptでJavaScriptライブラリを型付けするTypeScriptは、JavaScriptに静的型付け機能を追加する言語です。既存のJavaScriptライブラリをTypeScriptで使用するためには、そのライブラリの型定義ファイル(.d.tsファイル)を作成する必要があります。