TypeScript、ESLint、typescript-eslintにおける "parserOptions.project" has been set for @typescript-eslint/parser" の詳細解説

2024-04-02

TypeScript、ESLint、typescript-eslintにおける "parserOptions.project" has been set for @typescript-eslint/parser" の詳細解説

このエラーメッセージは、TypeScriptとESLintを組み合わせて使用している際に発生します。parserOptions.project オプションが設定されているにもかかわらず、ESLintがTypeScriptプロジェクトを正しく解析できないことを示しています。

原因

このエラーメッセージが表示される主な原因は次の3つです。

  1. tsconfig.jsonファイルのパスが間違っている

parserOptions.project オプションで指定されたtsconfig.jsonファイルが存在しない、またはパスが間違っている場合、このエラーが発生します。

tsconfig.jsonファイルの設定が誤っていると、ESLintがプロジェクトを正しく解析できず、このエラーが発生します。

  1. ESLintの設定が間違っている

ESLintの設定ファイル(.eslintrc.json)で parser オプションが @typescript-eslint/parser に設定されていない場合、このエラーが発生します。

解決策

このエラーを解決するには、以下の手順を試してください。

tsconfig.jsonファイルの設定が正しいことを確認してください。特に、include プロパティでlint対象となるファイルが正しく指定されていることを確認してください。

補足

  • parserOptions.project オプションを使用すると、ESLintはTypeScriptプロジェクトの型情報を活用して、より詳細なLintingを行うことができます。
  • tsconfig.jsonファイルは、TypeScriptコンパイラ(tsc)の設定ファイルです。
  • ESLintの設定ファイル(.eslintrc.json)は、ESLintの設定ファイルです。

用語解説

  • TypeScript: JavaScriptのスーパーセットであるプログラミング言語
  • ESLint: JavaScriptコードの静的解析ツール
  • typescript-eslint: TypeScriptコードの静的解析を行うESLintプラグイン
  • .eslintrc.json: ESLintの設定ファイル
  • parserOptions.project: typescript-eslintプラグインの設定オプション。プロジェクトのtsconfig.jsonファイルを指定することで、ESLintが型情報を活用してLintingを行うことができる



tsconfig.json

{
  "compilerOptions": {
    "target": "es5",
    "module": "commonjs",
    "lib": ["es5", "dom"],
    "outDir": "./dist",
    "rootDir": "./src",
    "typeRoots": ["./node_modules/@types"]
  },
  "include": ["./src/**/*.ts"]
}

index.ts

// This file is linted by ESLint

function add(a: number, b: number): number {
  return a + b;
}

const result = add(1, 2);

console.log(result); // 3

package.json

{
  "name": "my-project",
  "version": "1.0.0",
  "description": "My TypeScript project",
  "main": "index.js",
  "scripts": {
    "start": "tsc -w",
    "lint": "eslint src/**/*.ts"
  },
  "devDependencies": {
    "@typescript-eslint/eslint-plugin": "^4.33.0",
    "@typescript-eslint/parser": "^4.33.0",
    "eslint": "^8.12.0",
    "typescript": "^4.5.5"
  }
}

コマンドの実行

上記のコードをプロジェクトフォルダに保存し、以下のコマンドを実行します。

npm install
npm run lint

このコマンドを実行すると、ESLintがindex.tsファイルをLintingし、問題がない場合は何も出力されません。

エラーメッセージの確認

意図的にindex.tsファイルにエラーを仕込み、npm run lintコマンドを実行すると、以下のエラーメッセージが出力されます。

[ERROR] src/index.ts:1:10 - Expected ';'

1 | function add(a: number, b: number)
  |          ^

 1 problem (1 error, 0 warnings)

このエラーメッセージは、add関数の宣言にセミコロンが欠けていることを示しています。

例えば、add関数の引数abに型numberを指定しているため、ESLintは以下のようなエラーを検出することができます。

function add(a: string, b: number): number {
  return a + b;
}

このコードを実行すると、ESLintは以下のエラーメッセージを出力します。

[ERROR] src/index.ts:1:10 - Type 'string' is not assignable to type 'number'.

1 | function add(a: string, b: number)
  |          ^

 1 problem (1 error, 0 warnings)

このエラーメッセージは、a変数の型がstringであるため、add関数に渡すことができないことを示しています。

parserOptions.project オプションは、TypeScriptプロジェクトをESLintでLintingする際に非常に便利な機能です。このオプションを使用することで、より詳細なLintingを行い、コードの品質を向上させることができます。




parserOptions.project オプション以外の方法

tsconfig.json ファイルに eslint プロパティを追加することで、ESLintの設定を指定することができます。

{
  "compilerOptions": {
    "target": "es5",
    "module": "commonjs",
    "lib": ["es5", "dom"],
    "outDir": "./dist",
    "rootDir": "./src",
    "typeRoots": ["./node_modules/@types"]
  },
  "include": ["./src/**/*.ts"],
  "eslint": {
    "parser": "@typescript-eslint/parser",
    "rules": {
      "semi": ["error", "always"]
    }
  }
}

上記の例では、eslint プロパティに以下の設定を指定しています。

  • parser: TypeScriptコードの解析に使用するパーサーを指定します。ここでは、@typescript-eslint/parser を指定しています。
  • rules: ESLintのルールを設定します。ここでは、semi ルールを有効化し、セミコロンの省略をエラーとして検出するように設定しています。

この方法を使用する場合は、parserOptions.project オプションは不要です。

{
  "parser": "@typescript-eslint/parser",
  "projects": [
    {
      "root": "./src",
      "tsconfig": "./tsconfig.json"
    }
  ]
}
  • root: Linting対象となるファイルのルートディレクトリを指定します。
  • tsconfig: プロジェクトのtsconfig.jsonファイルを指定します。

eslint コマンドに --config オプションを指定することで、ESLintの設定ファイルを読み込むことができます。

eslint --config .eslintrc.json src/**/*.ts

上記の例では、--config オプションを使用して、.eslintrc.json ファイルを読み込んでいます。

eslint --project tsconfig.json src/**/*.ts

どの方法を選択するかは、プロジェクトの規模や複雑さに依存します。

  • 小規模なプロジェクトであれば、tsconfig.json ファイルに eslint プロパティを追加する方法が最も簡単です。
  • 大規模なプロジェクトであれば、eslint コマンドに --config オプションまたは --project オプションを使用する方法がおすすめです。

parserOptions.project オプションは、TypeScriptプロジェクトをESLintでLintingする際に非常に便利な機能です。

しかし、他の方法も存在するため、プロジェクトの規模や複雑さに合わせて最適な方法を選択することが重要です。


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