AngularとTypeScriptにおける「TS1086: An accessor cannot be declared in ambient context」エラー:原因と解決策

2024-05-15

AngularとTypeScriptにおける「TS1086: An accessor cannot be declared in ambient context」エラーの解説

「TS1086: An accessor cannot be declared in ambient context」エラーは、AngularとTypeScriptを使用する開発者にとって一般的な問題です。このエラーは、アクセサー(getter/setter)を環境コンテキストで宣言しようとした場合に発生します。環境コンテキストとは、実際のコードを実行する前に宣言された変数や型などの定義を格納する場所です。

エラーの詳細

アクセサーは、プロパティの値を取得したり設定したりする特別なメソッドです。通常、アクセサーはクラス内に宣言されますが、環境コンテキストで宣言することはできません。これは、環境コンテキストは静的な情報のみを格納するためです。アクセサーは動的に動作するため、環境コンテキストには宣言できません。

解決策

このエラーを解決するには、アクセサーをクラス内に宣言する必要があります。アクセサーを宣言する際には、getset キーワードを使用します。

class MyClass {
  private _value: number;

  get value(): number {
    return this._value;
  }

  set value(newValue: number) {
    this._value = newValue;
  }
}

以下のコードは、環境コンテキストでアクセサーを宣言しようとした場合のエラーを示しています。

/// <reference path="typings/angular/core.d.ts" />

declare module "my-module" {
  export interface MyInterface {
    value: number; // エラー: TS1086: An accessor cannot be declared in ambient context
  }
}

このエラーを解決するには、MyInterface インターフェースをクラスとして宣言する必要があります。

export class MyInterface {
  private _value: number;

  get value(): number {
    return this._value;
  }

  set value(newValue: number) {
    this._value = newValue;
  }
}

予防策

このエラーを回避するには、アクセサーを環境コンテキストで宣言しないように注意する必要があります。アクセサーを宣言する必要がある場合は、必ずクラス内に宣言してください。




  • Angular 13
  • TypeScript 4.4

問題

以下のコードは、MyComponent コンポーネントの title プロパティにアクセサーを定義しようとしています。しかし、このコードは TS1086: An accessor cannot be declared in ambient context エラーが発生します。

import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-app',
  template: `
    <h1>{{ title }}</h1>
  `,
})
export class MyComponent {
  title: string; // エラー: TS1086: An accessor cannot be declared in ambient context
}

このエラーを解決するには、title プロパティをクラス内にフィールドとして宣言し、getset アクセサーを追加する必要があります。

import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-app',
  template: `
    <h1>{{ title }}</h1>
  `,
})
export class MyComponent {
  private _title: string = 'Hello, world!';

  get title(): string {
    return this._title;
  }

  set title(newTitle: string) {
    this._title = newTitle;
  }
}

修正後

import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-app',
  template: `
    <h1>{{ title }}</h1>
  `,
})
export class MyComponent {
  private _title: string = 'Hello, world!';

  get title(): string {
    return this._title;
  }

  set title(newTitle: string) {
    this._title = newTitle;
  }
}

このコードでは、title プロパティはプライベートフィールド _title として宣言されています。getset アクセサーは、_title フィールドの値を取得および設定するために使用されます。

補足

  • アクセサーは、プロパティの値をカプセル化し、読み取りと書き込みのアクセスを制御するために使用されます。
  • アクセサーを使用すると、プロパティの内部動作を隠すことができ、コードをより読みやすく、保守しやすくなります。



「TS1086: An accessor cannot be declared in ambient context」エラーのその他の解決策

環境コンテキストにインターフェースを宣言し、アクセサーをそのインターフェースに定義する方法があります。ただし、この方法は TypeScript 3.8 以降でのみ使用可能です。

/// <reference path="typings/angular/core.d.ts" />

declare module "my-module" {
  export interface MyInterface {
    get value(): number;
    set value(newValue: number);
  }
}

このコードは、MyInterface インターフェースを宣言し、value プロパティに getset アクセサーを定義しています。このインターフェースを実装するクラスは、これらのアクセサーを定義する必要があります。

import { MyInterface } from 'my-module';

export class MyClass implements MyInterface {
  private _value: number;

  get value(): number {
    return this._value;
  }

  set value(newValue: number) {
    this._value = newValue;
  }
}

型エイリアスを使用して、アクセサーを含むカスタム型を定義する方法もあります。

type MyType = {
  get value(): number;
  set value(newValue: number);
};

このコードは、MyType 型エイリアスを宣言し、value プロパティに getset アクセサーを定義しています。この型をプロパティの型として使用することができます。

export class MyComponent {
  title: MyType; // エラーなし
}
type WithAccessor<T> = {
  get value(): T;
  set value(newValue: T);
};
export class MyComponent {
  title: WithAccessor<string>; // エラーなし
}

これらの方法は、状況によっては便利な代替手段となる可能性があります。ただし、一般的には、アクセサーをクラス内に宣言する方法が最も推奨されます。

注意事項

  • 上記の方法は、すべての状況で機能するとは限りません。使用する前に、TypeScript のドキュメントをよく確認してください。
  • ジェネリックを使用する場合は、コンパイラが正しく動作するように、型パラメータに適切な制約を指定する必要があります。

angular typescript


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