TypeScript Deep Partial とは? オブジェクトを部分的にオプションにする方法
TypeScript Deep Partial とは?
Deep Partial の利点
Deep Partial は、以下の利点があります。
- テストの容易化: オブジェクトのすべてのプロパティをテストする必要がなくなり、テストが容易になります。
- 柔軟性の向上: オブジェクトのプロパティを部分的に省略できるため、コードの柔軟性が向上します。
Deep Partial は、Partial
型と DeepReadonly
型を組み合わせて作成できます。
type DeepPartial<T> = {
[P in keyof T]?: DeepReadonly<T[P]>;
};
このコードは、T
型のすべてのプロパティ P
を、DeepReadonly
型に変換します。DeepReadonly
型は、オブジェクトのプロパティを読み取り専用にする型エイリアスです。
以下のコードは、User
型の Deep Partial 型を作成する例です。
interface User {
name: string;
age: number;
address: {
street: string;
city: string;
};
}
type DeepPartialUser = DeepPartial<User>;
const user: DeepPartialUser = {
name: "John Doe",
// age: 30, // 省略可能
address: {
street: "Elm Street",
// city: "New York", // 省略可能
},
};
このコードでは、user
オブジェクトは name
プロパティと address
プロパティのみを定義しています。age
プロパティと address.city
プロパティは省略されています。
Deep Partial を使用する際は、以下の点に注意する必要があります。
- Deep Partial 型は、オブジェクトのすべてのプロパティを省略できるため、コードの意味が分かりにくくなる可能性があります。
- オブジェクトのプロパティの型が複雑な場合、Deep Partial 型の定義が複雑になることがあります。
interface User {
name: string;
age: number;
}
const user: User = {
name: "John Doe",
age: 30,
};
const partialUser: DeepPartial<User> = {
age: 31,
};
// オブジェクトを更新
user.age = partialUser.age;
console.log(user.age); // 31
interface User {
name: string;
age: number;
}
const validateUser = (user: DeepPartial<User>): boolean => {
if (!user.name) {
return false;
}
if (!user.age) {
return false;
}
return true;
};
const user: DeepPartial<User> = {
name: "John Doe",
};
const isValid = validateUser(user);
console.log(isValid); // true
このコードでは、User
型のオブジェクト user
を作成し、name
プロパティと age
プロパティのみをバリデーションしています。
interface User {
name: string;
age: number;
}
const areEqual = (user1: DeepPartial<User>, user2: DeepPartial<User>): boolean => {
if (user1.name !== user2.name) {
return false;
}
if (user1.age !== user2.age) {
return false;
}
return true;
};
const user1: DeepPartial<User> = {
name: "John Doe",
age: 30,
};
const user2: DeepPartial<User> = {
name: "John Doe",
age: 31,
};
const areEqual = areEqual(user1, user2);
console.log(areEqual); // false
Partial 型と Readonly 型の組み合わせ
type DeepPartial<T> = {
[P in keyof T]?: Readonly<T[P]>;
};
この方法は、DeepPartial
型エイリアスの定義と同様ですが、DeepReadonly
型ではなく Readonly
型を使用します。Readonly
型は、オブジェクトのプロパティを読み取り専用にする型エイリアスです。
Record 型と Optional 型の組み合わせ
type DeepPartial<T> = Record<keyof T, Optional<T[P]>>;
この方法は、Record
型と Optional
型を使用して、Deep Partial 型を作成します。Record
型は、オブジェクトのキーと値のペアの集合を表す型エイリアスです。Optional
型は、型をオプションにする型エイリアスです。
Lodash の _.partialRight 関数
Lodash ライブラリを使用している場合は、_.partialRight
関数を使用して、Deep Partial オブジェクトを作成できます。
const deepPartialUser = _.partialRight(
_.defaults,
{
name: "John Doe",
age: 30,
},
);
const user: DeepPartialUser = {
name: "Jane Doe",
};
このコードでは、_.partialRight
関数を使用して、name
プロパティと age
プロパティをデフォルト値として設定した Deep Partial オブジェクトを作成しています。
これらの方法は、TypeScript Deep Partial の代替方法として使用できます。どの方法を使用するかは、状況によって異なります。
各方法の比較
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
Partial 型と Readonly 型の組み合わせ | シンプル | DeepReadonly 型よりもコードが冗長になる |
Record 型と Optional 型の組み合わせ | 簡潔 | 型の安全性に関する警告が発生する可能性がある |
Lodash の _.partialRight 関数 | 柔軟 | Lodash ライブラリが必要 |
- これらの方法は、オブジェクトのプロパティが複雑な場合、複雑になる可能性があります。
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