NGCC エラー 解決ガイド
Angular 9 での NGCC エラー: 「未処理の例外」
NGCC (Angular Compiler CLI) が Angular 9 でエラーを起こし、「未処理の例外」が発生する場合、その原因と解決方法について説明します。
エラーの背景
- NGCC が正常に動作しないと、アプリケーションのビルドや実行に問題が発生します。
- Ivy コンパイラが導入された Angular 9 以降、NGCC は必須となりました。
- NGCC は、Angular Ivy コンパイラと Angular CLI を連携させるためのツールです。
エラーの原因と解決方法
-
パッケージのバージョン不整合
- Angular、TypeScript、Ivy コンパイラ、および関連するライブラリのバージョンが互換性がない場合、エラーが発生する可能性があります。
- 最新のバージョンを使用するか、互換性のあるバージョンを確認してください。
-
コードのエラー
- TypeScript の構文エラーや、Angular のベストプラクティスに違反するコードが原因で NGCC が失敗することがあります。
- エラーメッセージを確認し、コードを修正してください。
-
依存関係の衝突
- 複数のライブラリが同じモジュールを異なるバージョンで提供する場合、依存関係の衝突が発生し、NGCC がエラーを報告することがあります。
- 依存関係の管理ツール (npm、yarn) を使用して、衝突を解決してください。
-
NGCC の設定問題
angular.json
ファイルの NGCC 関連の設定が誤っている場合、エラーが発生する可能性があります。- 設定を確認し、必要に応じて修正してください。
エラーのデバッグ方法
- コードのレビュー
エラーが発生しているコード部分を詳しく調べ、問題箇所を特定します。 - コンソールログのチェック
ブラウザの開発者ツールを使用して、コンソールに表示されるエラーや警告を確認します。 - エラーメッセージの確認
エラーメッセージに含まれる情報をもとに、原因を特定します。
具体的な解決方法
# パッケージのバージョンを確認
npm list
# 依存関係の衝突を解決
npm audit fix
# NGCC の設定を確認
# angular.json ファイルの "architect" セクションの "build" ターゲットの "options" プロパティを確認
例
// angular.json
{
"architect": {
"build": {
"options": {
"optimization": true,
"outputPath": "dist",
// NGCC 関連の設定
"ngcc": {
"enable": true
}
}
}
}
}
例 1: パッケージのバージョン不整合
// package.json
{
"dependencies": {
"@angular/core": "^9.0.0",
"@angular/compiler": "^9.0.0",
"@angular/cli": "^9.0.0",
"typescript": "^3.5.0"
}
}
typescript
のバージョンを最新版に更新してください。- この例では、
typescript
のバージョンが3.5.0
と古い場合、NGCC との互換性問題が発生する可能性があります。
例 2: コードのエラー
// app.component.ts
import { Component } from '@angular/core';
@Component({
selector: 'app-root',
templateUrl: './app.component.html',
styleUrls: ['./app.component.css']
})
export class AppComponent {
ti tle = 'My Angular App';
// エラー: 誤ったテンプレート構文
<div>
{{ title }}
</div>
}
- 正しいテンプレート構文を使用してください。
- この例では、テンプレート構文にエラーがあります。
例 3: 依存関係の衝突
// package.json
{
"dependencies": {
"@angular/core": "^9.0.0",
"@angular/compiler": "^9.0.0",
"@angular/cli": "^9.0.0",
"rxjs": "^6.5.4",
"rxjs-compat": "^6.5.4"
}
}
- どちらか一方のライブラリを削除するか、互換性のあるバージョンを使用してください。
- この例では、
rxjs
とrxjs-compat
の両方がインストールされており、依存関係の衝突が発生する可能性があります。
例 4: NGCC の設定問題
// angular.json
{
"architect": {
"build": {
"options": {
"optimization": true,
"outputPath": "dist",
// NGCC 関連の設定
"ngcc": {
"enable": false
}
}
}
}
}
ngcc.enable
をtrue
に設定してください。- この例では、NGCC が無効になっています。
解決ガイド
- パッケージのバージョンを確認
依存関係のバージョンが互換性があるか確認します。 - 依存関係の管理
依存関係の衝突を解決するために、パッケージの管理ツールを使用します。 - NGCC の設定
NGCC の設定を確認し、必要に応じて修正します。
# パッケージのバージョンを確認
npm list
# 依存関係の衝突を解決
npm audit fix
# NGCC の設定を確認
# angular.json ファイルの "architect" セクションの "build" ターゲットの "options" プロパティを確認
Angular CLI のバージョンアップ
npm install -g @angular/cli
を実行して、最新版をインストールしてください。- Angular CLI のバージョンを最新版に更新することで、NGCC のバグや互換性問題が解決されることがあります。
Ivy コンパイラの無効化
angular.json
ファイルのarchitect.build.options.experimental
プロパティをfalse
に設定してください。- 一時的に Ivy コンパイラを無効化することで、NGCC 関連の問題を回避することができます。ただし、これにより Angular 9 の新機能やパフォーマンス向上を利用できなくなります。
AOT コンパイルの無効化
- AOT (Ahead-of-Time) コンパイルを無効化することで、NGCC の処理をスキップすることができます。ただし、ビルド時間が長くなり、アプリケーションの初期ロード時間が遅くなる可能性があります。
Webpack の設定変更
- Webpack のドキュメントを参照し、適切な設定を調整してください。
- Webpack の設定を変更することで、NGCC の動作に影響を与えることがあります。
ライブラリの更新
- ライブラリのバージョンを最新版に更新してください。
- 使用しているライブラリが古いバージョンである場合、NGCC との互換性問題が発生する可能性があります。
カスタムビルドスクリプトの使用
- 複雑なビルド環境や特殊な要件がある場合に有効です。
- Angular CLI の代わりに、カスタムビルドスクリプトを作成することで、NGCC の処理をより細かく制御することができます。
注意
これらの代替方法は、問題の根本的な解決策を提供しない場合もあります。可能な限り、NGCC のエラーを直接解決することを推奨します。
具体的な例
// angular.json
{
"architect": {
"build": {
"options": {
"experimental": false, // Ivy コンパイラを無効化
"aot": false, // AOT コンパイルを無効化
"webpackConfig": "./webpack.config.js" // カスタム Webpack 設定
}
}
}
}
angular typescript ivy