NGCC エラー 解決ガイド

2024-10-08

Angular 9 での NGCC エラー: 「未処理の例外」

NGCC (Angular Compiler CLI) が Angular 9 でエラーを起こし、「未処理の例外」が発生する場合、その原因と解決方法について説明します。

エラーの背景

  • NGCC が正常に動作しないと、アプリケーションのビルドや実行に問題が発生します。
  • Ivy コンパイラが導入された Angular 9 以降、NGCC は必須となりました。
  • NGCC は、Angular Ivy コンパイラと Angular CLI を連携させるためのツールです。

エラーの原因と解決方法

  1. パッケージのバージョン不整合

    • Angular、TypeScript、Ivy コンパイラ、および関連するライブラリのバージョンが互換性がない場合、エラーが発生する可能性があります。
    • 最新のバージョンを使用するか、互換性のあるバージョンを確認してください。
  2. コードのエラー

    • TypeScript の構文エラーや、Angular のベストプラクティスに違反するコードが原因で NGCC が失敗することがあります。
    • エラーメッセージを確認し、コードを修正してください。
  3. 依存関係の衝突

    • 複数のライブラリが同じモジュールを異なるバージョンで提供する場合、依存関係の衝突が発生し、NGCC がエラーを報告することがあります。
    • 依存関係の管理ツール (npm、yarn) を使用して、衝突を解決してください。
  4. NGCC の設定問題

    • angular.json ファイルの NGCC 関連の設定が誤っている場合、エラーが発生する可能性があります。
    • 設定を確認し、必要に応じて修正してください。

エラーのデバッグ方法

  • コードのレビュー
    エラーが発生しているコード部分を詳しく調べ、問題箇所を特定します。
  • コンソールログのチェック
    ブラウザの開発者ツールを使用して、コンソールに表示されるエラーや警告を確認します。
  • エラーメッセージの確認
    エラーメッセージに含まれる情報をもとに、原因を特定します。

具体的な解決方法

# パッケージのバージョンを確認
npm list

# 依存関係の衝突を解決
npm audit fix

# NGCC の設定を確認
# angular.json ファイルの "architect" セクションの "build" ターゲットの "options" プロパティを確認


// angular.json
{
  "architect": {
    "build": {
      "options": {
        "optimization": true,
        "outputPath": "dist",
        // NGCC 関連の設定
        "ngcc": {
          "enable": true
        }
      }
    }
  }
}



例 1: パッケージのバージョン不整合

// package.json
{
  "dependencies": {
    "@angular/core": "^9.0.0",
    "@angular/compiler": "^9.0.0",
    "@angular/cli": "^9.0.0",
    "typescript": "^3.5.0"
  }
}
  • typescript のバージョンを最新版に更新してください。
  • この例では、typescript のバージョンが 3.5.0 と古い場合、NGCC との互換性問題が発生する可能性があります。

例 2: コードのエラー

// app.component.ts
import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-root',
  templateUrl: './app.component.html',
  styleUrls: ['./app.component.css']
})
export class AppComponent {
  ti   tle = 'My Angular App';

  // エラー: 誤ったテンプレート構文
  <div>
    {{ title }}
  </div>
}
  • 正しいテンプレート構文を使用してください。
  • この例では、テンプレート構文にエラーがあります。

例 3: 依存関係の衝突

// package.json
{
  "dependencies": {
    "@angular/core": "^9.0.0",
    "@angular/compiler": "^9.0.0",
    "@angular/cli": "^9.0.0",
    "rxjs": "^6.5.4",
    "rxjs-compat": "^6.5.4"
  }
}
  • どちらか一方のライブラリを削除するか、互換性のあるバージョンを使用してください。
  • この例では、rxjsrxjs-compat の両方がインストールされており、依存関係の衝突が発生する可能性があります。

例 4: NGCC の設定問題

// angular.json
{
  "architect": {
    "build": {
      "options": {
        "optimization": true,
        "outputPath": "dist",
        // NGCC 関連の設定
        "ngcc": {
          "enable": false
        }
      }
    }
  }
}
  • ngcc.enabletrue に設定してください。
  • この例では、NGCC が無効になっています。

解決ガイド

  1. パッケージのバージョンを確認
    依存関係のバージョンが互換性があるか確認します。
  2. 依存関係の管理
    依存関係の衝突を解決するために、パッケージの管理ツールを使用します。
  3. NGCC の設定
    NGCC の設定を確認し、必要に応じて修正します。
# パッケージのバージョンを確認
npm list

# 依存関係の衝突を解決
npm audit fix

# NGCC の設定を確認
# angular.json ファイルの "architect" セクションの "build" ターゲットの "options" プロパティを確認



Angular CLI のバージョンアップ

  • npm install -g @angular/cli を実行して、最新版をインストールしてください。
  • Angular CLI のバージョンを最新版に更新することで、NGCC のバグや互換性問題が解決されることがあります。

Ivy コンパイラの無効化

  • angular.json ファイルの architect.build.options.experimental プロパティを false に設定してください。
  • 一時的に Ivy コンパイラを無効化することで、NGCC 関連の問題を回避することができます。ただし、これにより Angular 9 の新機能やパフォーマンス向上を利用できなくなります。

AOT コンパイルの無効化

  • AOT (Ahead-of-Time) コンパイルを無効化することで、NGCC の処理をスキップすることができます。ただし、ビルド時間が長くなり、アプリケーションの初期ロード時間が遅くなる可能性があります。

Webpack の設定変更

  • Webpack のドキュメントを参照し、適切な設定を調整してください。
  • Webpack の設定を変更することで、NGCC の動作に影響を与えることがあります。

ライブラリの更新

  • ライブラリのバージョンを最新版に更新してください。
  • 使用しているライブラリが古いバージョンである場合、NGCC との互換性問題が発生する可能性があります。

カスタムビルドスクリプトの使用

  • 複雑なビルド環境や特殊な要件がある場合に有効です。
  • Angular CLI の代わりに、カスタムビルドスクリプトを作成することで、NGCC の処理をより細かく制御することができます。

注意
これらの代替方法は、問題の根本的な解決策を提供しない場合もあります。可能な限り、NGCC のエラーを直接解決することを推奨します。

具体的な例

// angular.json
{
  "architect": {
    "build": {
      "options": {
        "experimental": false, // Ivy コンパイラを無効化
        "aot": false, // AOT コンパイルを無効化
        "webpackConfig": "./webpack.config.js" // カスタム Webpack 設定
      }
    }
  }
}

angular typescript ivy



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