TypeScript で Node.js モジュールを読み込む際のエラー「This module is declared with using 'export =', and can only be used with a default import when using the 'esModuleInterop' flag」の原因と解決策
TypeScriptにおける「esModuleInterop」フラグとデフォルトインポート
このエラーメッセージは、TypeScriptでNode.jsのモジュールを読み込む際に発生します。これは、モジュールが export =
構文を使用してデフォルトエクスポートされている場合に発生します。しかし、TypeScriptはデフォルトエクスポートを異なる構文で処理するため、互換性の問題が発生します。
解決策
この問題を解決するには、TypeScriptコンパイラで esModuleInterop
フラグを有効にする必要があります。このフラグは、TypeScriptがCommonJSモジュールとES Modulesの相互運用性を向上させるためのものです。
具体的な手順
tsconfig.json
ファイルを開きます。compilerOptions
プロパティにesModuleInterop
オプションを追加します。以下のようになります。
{
"compilerOptions": {
"esModuleInterop": true,
// ...その他のオプション
}
}
- ファイルを保存して、TypeScriptコンパイラを再起動します。
補足
esModuleInterop
フラグを有効にすると、パフォーマンスがわずかに低下する可能性があります。- このフラグは、すべてのプロジェクトで必要ではありません。デフォルトエクスポートを使用していないモジュールのみを使用している場合は、このフラグを有効にする必要はありません。
// ファイル名: index.ts
// モジュールをデフォルトインポートする
import greet from './greet';
// デフォルトエクスポートを使用する
console.log(greet('TypeScript'));
// ファイル名: greet.ts
// デフォルトエクスポートを定義する
export default function greet(name: string): string {
return `こんにちは、${name}さん!`;
}
このコードを実行すると、次の出力がコンソールに表示されます。
こんにちは、TypeScriptさん!
この例は、esModuleInterop
フラグを使用して、TypeScriptでNode.jsのモジュールをデフォルトインポートする方法を示しています。
TypeScript でデフォルトエクスポートをインポートするその他の方法
名前空間インポートを使用すると、デフォルトエクスポートを含むモジュールのすべてのメンバーにアクセスできます。構文は以下の通りです。
import * as moduleName from 'module-path';
この場合、moduleName
変数にはモジュールのすべてのメンバーが格納されます。デフォルトエクスポートにアクセスするには、以下のいずれかの方法を使用できます。
moduleName.default
プロパティを使用するmoduleName
変数をそのまま使用する (デフォルトエクスポートがモジュールの最初のメンバーである場合)
例:
import * as greetModule from './greet';
console.log(greetModule.default('TypeScript')); // greetModule.default を使用
console.log(greetModule('JavaScript')); // greetModule をそのまま使用 (デフォルトエクスポートが先頭にある場合)
個別メンバーのインポート
デフォルトエクスポートに加えて、個別のメンバーも同時にインポートしたい場合は、以下の構文を使用できます。
import defaultExport, { namedMember1, namedMember2 } from 'module-path';
この場合、defaultExport
変数にはデフォルトエクスポートが格納され、namedMember1
と namedMember2
変数にはそれぞれ対応する名前付きメンバーが格納されます。
import greet, { farewell } from './greet';
console.log(greet('TypeScript'));
console.log(farewell('JavaScript'));
動的インポートを使用すると、実行時にモジュールをインポートできます。この方法は、非同期処理や条件付きインポートに役立ちます。構文は以下の通りです。
import('./module-path')
.then(module => {
const defaultExport = module.default;
// ... defaultExport を使用する
})
.catch(error => {
console.error(error);
});
この例では、module-path
モジュールが非同期にインポートされ、defaultExport
変数にデフォルトエクスポートが格納されます。
注意事項
- 名前空間インポートを使用すると、すべてのメンバーがインポートされるため、コードが煩雑になる可能性があります。
- 個別のメンバーのインポートは、必要なメンバーのみをインポートするため、コードをより明確に保つことができます。
- 動的インポートは、非同期処理や条件付きインポートに適していますが、コードが複雑になる可能性があります。
状況に応じて、上記のいずれかの方法を使用して TypeScript でデフォルトエクスポートをインポートすることができます。それぞれの方法には長所と短所があるため、要件に応じて適切な方法を選択することが重要です。
node.js typescript