【初心者向け】TypeScript: ユニオン型とリテラル型プロパティの連携でスマートな型推論を実現

2024-07-27

TypeScriptにおけるリテラル型プロパティを用いたユニオン型からの型選択

例題

まず、以下の例題を見てみましょう。

type UserRole = "admin" | "editor" | "guest";

type User = {
  id: number;
  name: string;
  role: UserRole;
};

function isAdmin(user: User): user is { role: "admin" } {
  return user.role === "admin";
}

const user1: User = {
  id: 1,
  name: "Taro",
  role: "admin"
};

const user2: User = {
  id: 2,
  name: "Jiro",
  role: "editor"
};

if (isAdmin(user1)) {
  console.log(user1.id); // 型 'number' として推論される
} else {
  console.log(user1.name); // 型 'string' として推論される
}

この例題では、User型はidnameroleプロパティを持つオブジェクトを表します。roleプロパティの型は、admineditorguestのいずれかのリテラル型です。

isAdmin関数は、引数として渡されたUser型のオブジェクトがroleプロパティに"admin"を持つかどうかを判定します。判定結果に基づいて、userオブジェクトの型を具体的に絞り込むことができます。

解説

上記の例題で、isAdmin関数内で行われている型絞り込みについて詳しく解説します。




type UserRole = "admin" | "editor" | "guest";

type User = {
  id: number;
  name: string;
  role: UserRole;
};

function isAdmin(user: User): user is { role: "admin" } {
  return user.role === "admin";
}

const user1: User = {
  id: 1,
  name: "Taro",
  role: "admin"
};

const user2: User = {
  id: 2,
  name: "Jiro",
  role: "editor"
};

if (isAdmin(user1)) {
  console.log(user1.id); // 型 'number' として推論される
  console.log(user1.name); // 型 'string' として推論される
} else {
  console.log(user1.id); // 型 'number' として推論されない
  console.log(user1.name); // 型 'string' として推論される
}

console.log(user2.id); // 型 'number' として推論される
console.log(user2.name); // 型 'string' として推論される
console.log(user2.role); // 型 'editor' として推論される

詳細説明

  • if文内の型推論

    • isAdmin(user1)の条件式がtrueに評価された場合、user1オブジェクトの型は{ role: "admin" }に絞り込まれます。
    • これにより、console.log(user1.id)console.log(user1.name)の型推論結果が、number型とstring型になります。
    • 一方、条件式がfalseに評価された場合、user1オブジェクトの型は絞り込まれません。
  • isAdmin関数の型注釈

    • 関数の戻り値の型は、user is { role: "admin" }というジェネリック型パラメーターを用いて記述されています。これは、userオブジェクトがroleプロパティに"admin"を持つ場合にのみtrueを返し、そうでない場合はfalseを返すことを意味します。
    • この型注釈により、isAdmin関数内でuserオブジェクトの型を絞り込むことができるようになります。



型ガードを用いる方法

型ガードは、条件式を用いて変数の型を絞り込むための構文です。ユニオン型からの型選択にも活用できます。

type UserRole = "admin" | "editor" | "guest";

type User = {
  id: number;
  name: string;
  role: UserRole;
};

function isAdmin(user: User): user is { role: "admin" } {
  if (user.role === "admin") {
    return true;
  } else {
    return false;
  }
}

const user1: User = {
  id: 1,
  name: "Taro",
  role: "admin"
};

const user2: User = {
  id: 2,
  name: "Jiro",
  role: "editor"
};

if (isAdmin(user1)) {
  console.log(user1.id); // 型 'number' として推論される
  console.log(user1.name); // 型 'string' として推論される
} else {
  console.log(user1.id); // 型 'number' として推論されない
  console.log(user1.name); // 型 'string' として推論されない
}

console.log(user2.id); // 型 'number' として推論される
console.log(user2.name); // 型 'string' として推論される
console.log(user2.role); // 型 'editor' として推論される

この例では、isAdmin関数を用いてuserオブジェクトのroleプロパティが"admin"かどうかを判定し、型ガードを行っています。

型ガードの結果に基づいて、if文内のuser1オブジェクトの型を絞り込むことができます。

in演算子を用いる方法

in演算子は、オブジェクトのプロパティが存在するかどうかを確認するために用いる演算子です。ユニオン型からの型選択にも活用できます。

type UserRole = "admin" | "editor" | "guest";

type User = {
  id: number;
  name: string;
  role: UserRole;
};

function isAdmin(user: User): user is { role: "admin" } {
  return "admin" in user;
}

const user1: User = {
  id: 1,
  name: "Taro",
  role: "admin"
};

const user2: User = {
  id: 2,
  name: "Jiro",
  role: "editor"
};

if (isAdmin(user1)) {
  console.log(user1.id); // 型 'number' として推論される
  console.log(user1.name); // 型 'string' として推論される
} else {
  console.log(user1.id); // 型 'number' として推論されない
  console.log(user1.name); // 型 'string' として推論されない
}

console.log(user2.id); // 型 'number' として推論される
console.log(user2.name); // 型 'string' として推論される
console.log(user2.role); // 型 'editor' として推論される

型アサーションを用いる方法

型アサーションは、変数の型を明示的に指定するための構文です。ユニオン型からの型選択にも活用できます。

type UserRole = "admin" | "editor" | "guest";

type User = {
  id: number;
  name: string;
  role: UserRole;
};

function isAdmin(user: User): boolean {
  return user.role === "admin";
}

const user1: User = {
  id: 1,
  name: "Taro",
  role: "admin"
};

const user2: User

typescript



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