Node.js インストール時の GLIBC 問題解決
「Amazon EC2 インスタンスで Node.js をインストールする際に GLIBC_2.27 が見つからない」問題の日本語解説
Amazon EC2 インスタンス上で Node.js をインストールしようとすると、以下のようなエラーメッセージが表示されることがあります。
GLIBC_2.27 not found
これは、Node.js の実行に必要な GNU C ライブラリ (glibc) のバージョン 2.27 がインストールされていないことを意味します。
原因
- カスタムカーネル
カスタムカーネルを使用している場合、glibc のバージョンが異なる可能性があります。 - 古い OS バージョン
使用している EC2 インスタンスの OS バージョンが古く、glibc 2.27 がデフォルトで含まれていない場合。
解決方法
OS バージョンを更新する
- EC2 インスタンスの OS バージョンを最新版に更新します。AWS マネジメントコンソールからインスタンスの設定を変更するか、AMI (Amazon Machine Image) を再起動することで更新できます。
glibc 2.27 パッケージをインストールする
-
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行して glibc 2.27 パッケージをインストールします。
sudo apt-get update sudo apt-get install libc6-dev
nvm (Node Version Manager) を使用して Node.js をインストールする
- nvm のインストール手順については、nvm の公式ドキュメントを参照してください。
- nvm を使用すると、複数の Node.js バージョンを管理することができ、glibc のバージョンとの互換性問題を回避できます。
カスタムカーネルを使用している場合
- カスタムカーネルの提供元から glibc 2.27 をサポートするカーネルをダウンロードしてインストールします。
注意事項
- カスタムカーネルを使用している場合は、カーネルの提供元のドキュメントを参照して適切なインストール手順に従ってください。
- glibc のバージョンを更新する際には、システムの安定性を確保するために注意が必要です。
GLIBC_2.27 が見つからない問題と Node.js インストール時の解決策に関するコード例解説
前提知識
- nvm
Node Version Manager の略。複数の Node.js バージョンを管理するためのツール。 - Amazon EC2
Amazon Web Services (AWS) が提供する仮想サーバー。 - Node.js
JavaScript をサーバーサイドで実行するためのプラットフォーム。 - glibc
GNU C ライブラリの略。システムコールやライブラリ関数を提供する重要なライブラリです。
問題発生の背景
Amazon EC2 インスタンスに Node.js をインストールしようとした際、「GLIBC_2.27 not found」というエラーが発生する場合があります。これは、Node.js が依存する glibc のバージョンが、システムにインストールされているバージョンよりも新しい場合に起こります。
コード例と解説
システムの glibc バージョン確認
lsb_release -a # OS のリリース情報を確認
ldd --version # ld (リンカー) のバージョンを確認。glibc のバージョンと関連性が高い
ldd --version
コマンドで、ld のバージョンを確認できます。ld は、プログラム実行時に必要な共有ライブラリをリンクするツールです。lsb_release -a
コマンドで、OS のディストリビューション名やバージョンを確認できます。
glibc のアップデート
sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade # ディストリビューションのパッケージを最新版に更新
sudo apt-get upgrade
コマンドで、システムにインストールされているパッケージを最新版に更新します。sudo apt-get update
コマンドで、パッケージリストを更新します。
nvm を使用した Node.js のインストール
# nvm のインストール (例: Bash)
curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.39.1/install.sh | bash
# nvm の更新
nvm install-latest-nodejs
# インストールした Node.js のバージョン確認
nvm list
nvm install-latest-nodejs
コマンドで、最新版の Node.js をインストールします。- nvm を使用することで、システムの glibc のバージョンに影響を受けることなく、複数の Node.js バージョンを管理できます。
Node.js のインストール (ソースコードから)
# Node.js のソースコードをダウンロード
wget https://nodejs.org/dist/v16.19.0/node-v16.19.0.tar.gz
# ダウンロードしたファイルを解凍
tar xzf node-v16.19.0.tar.gz
# 以下のコマンドを実行して、Node.js をコンパイルしてインストール
cd node-v16.19.0
./configure
make
sudo make install
- ソースコードから Node.js をコンパイルすることで、システムの環境に合わせた Node.js を構築できます。
- カスタムカーネルを使用している場合
カーネルのバージョンと glibc のバージョンが密接に関連しているため、カーネルのアップデートが必要になる場合があります。 - glibc のバージョンが非常に古い場合
OS のディストリビューションによっては、glibc のバージョンを大幅に更新できない場合があります。その場合は、古い Node.js のバージョンを使用するか、別のディストリビューションに移行する必要があります。 - 特定の Node.js バージョンが必要な場合
nvm install <バージョン番号>
で、特定のバージョンをインストールできます。
「GLIBC_2.27 not found」エラーは、Node.js が依存する glibc のバージョンがシステムに不足しているために発生します。この問題を解決するためには、glibc のバージョンをアップデートするか、nvm を使用して Node.js をインストールするなどの方法が有効です。
重要なポイント
- コマンドの実行前に、必ずバックアップを取っておくことをおすすめします。
- 各コマンドを実行する際には、スーパーユーザー権限 (sudo) が必要になる場合があります。
- システムの状況や Node.js の利用目的によって、最適な解決策は異なります。
より詳細な情報
- 例えば、特定のディストリビューション (Ubuntu, CentOS など) に合わせた手順、Docker 環境での対応など。
GLIBC_2.27 が見つからない問題の代替解決策
「GLIBC_2.27 not found」というエラーは、Node.js の実行に必要な glibc ライブラリのバージョンが、システムにインストールされているバージョンよりも新しい場合に発生します。これまで、OS のアップデート、glibc パッケージのインストール、nvm の利用などを紹介してきました。
ここでは、より柔軟な解決策や特殊な状況に対応するための代替的な方法について解説します。
Docker の利用
-
方法
- Docker イメージを作成し、その中で Node.js を実行する。
- Dockerfile の例:
FROM node:16-alpine WORKDIR /usr/src/app COPY package*.json ./ RUN npm install COPY . . CMD ["node", "index.js"]
node:16-alpine
の部分を、必要な Node.js のバージョンとベースイメージに合わせて変更する。
-
メリット
- ホストOSの環境に影響を与えることなく、特定の環境を再現できる。
- glibc のバージョンが異なる複数の Node.js 環境を同時に管理できる。
コンテナオーケストレーションツール (Kubernetes, ECS) の利用
- 方法
- Kubernetes や ECS 上で、Node.js のアプリケーションを実行するための pod やタスクを定義する。
- Docker イメージをベースに、必要な環境変数やマウントを設定する。
- メリット
- 大規模なアプリケーションのデプロイや管理に適している。
- Docker コンテナを自動的にスケーリングしたり、高可用性を確保したりできる。
Multiarch イメージの作成
- 方法
- メリット
- 複数の CPU アーキテクチャに対応した Docker イメージを作成できる。
- 異なる環境で同じイメージを使用できる。
Node.js のソースコードからのビルド (高度なケース)
- 方法
- メリット
別の Node.js 実行環境の利用
- メリット
選択するべき方法
どの方法を選択するかは、以下の要因によって異なります。
- 運用管理
コンテナオーケストレーションツールを利用する場合、運用管理の負荷が増える可能性がある - チームのスキル
Docker や Kubernetes の知識が必要となる場合がある - アプリケーションの規模
小規模なアプリケーションであれば Docker や nvm で十分、大規模なアプリケーションであれば Kubernetes などが適している - システムの環境
OS のバージョン、glibc のバージョン、他のソフトウェアとの依存関係
「GLIBC_2.27 not found」というエラーは、Node.js のインストール時に発生する一般的な問題です。OS のアップデートや glibc パッケージのインストールといった基本的な解決策に加えて、Docker やコンテナオーケストレーションツールを利用するなど、より柔軟な解決策も存在します。
ご自身の環境や要件に合わせて、最適な方法を選択してください。
- 発生しているエラーメッセージ
- 試した解決策
- 具体的な環境 (OS, Node.js のバージョンなど)
- 最新の情報は、Node.js の公式ドキュメントやコミュニティフォーラムなどを参照してください。
- 上記以外にも、様々な解決策が存在する可能性があります。
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