TypeScript で発生する「式は複雑すぎて表現できない共用体型を生成します。ts(2590)」エラーの解決策集

2024-04-28

TypeScript エラー「式は複雑すぎて表現できない共用体型を生成します。ts(2590)」の解決策

このエラーは、TypeScript コンパイラが、型推論中に生成される共用体型が複雑になりすぎて処理できない場合に発生します。共用型は、複数の型の組み合わせを表す型です。このエラーは、以下のような場合に発生する可能性があります。

  • ジェネリック型を使用している場合

解決策

このエラーを解決するには、以下の方法を試すことができます。

型注釈を明確にする

コンパイラが型の推論を容易にするために、型注釈をより明確にすることができます。たとえば、次のようにジェネリック型の型パラメータに型注釈を追加できます。

function identity<T>(value: T): T {
  return value;
}

複雑な型をより短い名前で表すために、型エイリアスを使用することができます。たとえば、次のようにすることができます。

type User = {
  id: number;
  name: string;
  email: string;
};

交差型を分割する

複雑な交差型を複数の小さな交差型に分割することができます。たとえば、次のようにすることができます。

type UserPermissions = {
  canRead: boolean;
  canWrite: boolean;
};

type User = {
  id: number;
  name: string;
  email: string;
} & UserPermissions;

型ガードを使用して、型の推論を絞り込むことができます。型ガードは、式の結果に基づいて型の可能性を排除する条件式です。たとえば、次のようにすることができます。

function isUser(value: any): value is User {
  return typeof value === 'object' && 'id' in value && 'name' in value && 'email' in value;
}

function greet(value: any) {
  if (isUser(value)) {
    console.log(`Hello, ${value.name}!`);
  } else {
    console.log('Hello, world!');
  }
}

TypeScript のバージョンを上げる

古いバージョンの TypeScript を使用している場合は、新しいバージョンにアップグレードすると、このエラーが修正されている可能性があります。

上記の方法で解決できない場合は、以下の情報とともにバグレポートを提出することを検討してください。

  • 使用している TypeScript のバージョン
  • 使用しているエディタまたは IDE
  • エラーが発生するコード



TypeScript エラー「式は複雑すぎて表現できない共用体型を生成します。ts(2590)」の解決策 - サンプルコード

以下のサンプルコードは、**「式は複雑すぎて表現できない共用体型を生成します。ts(2590)」**エラーが発生する原因と、解決策をいくつか示しています。

このシナリオでは、Chakra UI コンポーネントの型エイリアスを定義し、それを別のコンポーネントで使用します。しかし、コンポーネントの型が複雑になりすぎて、TypeScript コンパイラがエラーを出力します。

コード:

// chakra-ui.d.ts
declare module 'chakra-ui' {
  export interface ButtonProps extends React.HTMLAttributes<HTMLButtonElement> {
    variant?: 'primary' | 'secondary' | 'ghost';
  }
}

// app.tsx
import React from 'react';
import { Button } from 'chakra-ui';

type MyButtonProps = ButtonProps & {
  label: string;
};

const MyButton: React.FC<MyButtonProps> = ({ variant, label, ...props }) => {
  return (
    <Button variant={variant} {...props}>
      {label}
    </Button>
  );
};

export default function App() {
  return (
    <div>
      <MyButton variant="primary" label="Primary Button" />
      <MyButton variant="secondary" label="Secondary Button" />
    </div>
  );
}

エラー:

error TS2590: Expression produces a union type that is too complex to represent.

解決策 1:型エイリアスを分割する

複雑な型エイリアスをより小さな型エイリアスに分割することで、エラーを解決できます。

// app.tsx
type ButtonVariant = 'primary' | 'secondary' | 'ghost';

type MyButtonBaseProps = React.HTMLAttributes<HTMLButtonElement>;

type MyButtonProps = MyButtonBaseProps & {
  variant: ButtonVariant;
  label: string;
};

// ... rest of the code remains the same

解決策 2:ジェネリック型を使用する

ジェネリック型を使用して、コンポーネントの型をより汎用的にすることができます。

// app.tsx
type ButtonVariant = 'primary' | 'secondary' | 'ghost';

const MyButton: <T extends ButtonVariant>(props: MyButtonProps<T>) => JSX.Element = ({ variant, label, ...props }) => {
  return (
    <Button variant={variant} {...props}>
      {label}
    </Button>
  );
};

// ... rest of the code remains the same



TypeScript エラー「式は複雑すぎて表現できない共用体型を生成します。ts(2590)」の解決策 - その他の方法

型パラメーターの制約を緩和する

ジェネリック型を使用している場合、型パラメーターの制約を緩和することで、エラーを解決できる場合があります。たとえば、次のようにすることができます。

function identity<T extends object>(value: T): T {
  return value;
}

関数シグネチャを分割する

type User = {
  id: number;
  name: string;
  email: string;
};

function createUser(id: number, name: string, email: string): User {
  return { id, name, email };
}

function getUserById(id: number): User | null {
  // ...
}

function getUserByEmail(email: string): User | null {
  // ...
}

型推論を無効にする

特定の場所で型推論を無効にすることで、コンパイラがエラーを回避するのに役立つ場合があります。これを行うには、@ts-ignore コメントを使用できます。たとえば、次のようにすることができます。

function greet(value: any): void {
  // ...
}

// @ts-ignore
greet(123);

オプション型のプロパティを使用する

すべてのプロパティが必須ではない場合は、オプション型のプロパティを使用することで、型の複雑さを軽減できます。たとえば、次のようにすることができます。

type User = {
  id: number;
  name?: string;
  email?: string;
};

unknown 型を使用する

型が不明な場合は、unknown 型を使用することができます。ただし、これは最後の手段としてのみ使用してください。unknown 型を使用すると、型安全性に関する多くの利点が失われます。

注意事項

これらの方法は、すべての状況でうまくいくとは限りません。複雑な型を使用している場合は、エラーを解決するために、いくつかの異なる方法を試す必要がある場合があります。また、上記の解決策を使用すると、コードの可読性や保守性が損なわれる可能性があることに注意することが重要です。


typescript


ngOnInitライフサイクルフックを使用してコンポーネントレンダリング前にデータを読み込む

Angular2では、コンポーネントレンダリング前にデータを読み込むことが可能です。これは、コンポーネントがユーザーに表示される前に必要なデータを準備しておく必要がある場合に役立ちます。データを読み込む方法はいくつかあります。以下に、いくつかの一般的な方法を紹介します。...


Angular でのデータ取得をレベルアップ:Observable の基本から応用まで

このチュートリアルでは、Angular2 で Observable からデータを取得する方法を、TypeScript と Reactive Programming の概念を用いてわかりやすく解説します。まず、Observable の基本的な概念を理解する必要があります。Observable は、3つの主要な要素で構成されています。...


AngularとTypeScriptにおけるエラー「Argument of type 'string | null' is not assignable to parameter of type 'string'. Type 'null' is not assignable to type 'string'」の解説

このエラーは、AngularとTypeScriptを使用する開発において、string | null型の値を、string型のみを受け付ける引数に渡そうとした際に発生します。これは、nullがstring型のサブタイプではないため、型安全性の観点から問題があるためです。...


TypeScript、Jest、Create React App で発生する「Absolute paths (baseUrl) gives error: Cannot find module」エラー:サンプルコードで徹底解説

TypeScript、Jest、Create React App を組み合わせた開発において、「Absolute paths (baseUrl) gives error: Cannot find module」エラーが発生することがあります。このエラーは、絶対パスを使用してモジュールをインポートしようとすると発生します。...


型推論の謎を解き明かす:Visual Studio CodeでTypeScript型定義を深く掘り下げる

TypeScript 型定義の完全展開は、型構造を詳細に理解したい場合や、型推論の動作を検証したい場合に役立ちます。 Visual Studio Code には、型定義の完全展開を視覚的に確認できる機能がいくつか用意されています。方法Peek Definitionポップアップウィンドウに、型定義の完全展開が表示されます。...