TypeScript で発生する「式は複雑すぎて表現できない共用体型を生成します。ts(2590)」エラーの解決策集
TypeScript エラー「式は複雑すぎて表現できない共用体型を生成します。ts(2590)」の解決策
このエラーの原因
このエラーは、TypeScript コンパイラが、型推論中に生成される共用体型が複雑になりすぎて処理できない場合に発生します。共用型は、複数の型の組み合わせを表す型です。このエラーは、以下のような場合に発生する可能性があります。
- 関数型を使用している場合
- 型エイリアスを使用している場合
- ジェネリック型を使用している場合
解決策
このエラーを解決するには、以下の方法を試すことができます。
型注釈を明確にする
コンパイラが型の推論を容易にするために、型注釈をより明確にすることができます。たとえば、次のようにジェネリック型の型パラメータに型注釈を追加できます。
function identity<T>(value: T): T {
return value;
}
型エイリアスを使用する
複雑な型をより短い名前で表すために、型エイリアスを使用することができます。たとえば、次のようにすることができます。
type User = {
id: number;
name: string;
email: string;
};
交差型を分割する
複雑な交差型を複数の小さな交差型に分割することができます。たとえば、次のようにすることができます。
type UserPermissions = {
canRead: boolean;
canWrite: boolean;
};
type User = {
id: number;
name: string;
email: string;
} & UserPermissions;
型ガードを使用する
型ガードを使用して、型の推論を絞り込むことができます。型ガードは、式の結果に基づいて型の可能性を排除する条件式です。たとえば、次のようにすることができます。
function isUser(value: any): value is User {
return typeof value === 'object' && 'id' in value && 'name' in value && 'email' in value;
}
function greet(value: any) {
if (isUser(value)) {
console.log(`Hello, ${value.name}!`);
} else {
console.log('Hello, world!');
}
}
TypeScript のバージョンを上げる
古いバージョンの TypeScript を使用している場合は、新しいバージョンにアップグレードすると、このエラーが修正されている可能性があります。
上記の方法で解決できない場合は、以下の情報とともにバグレポートを提出することを検討してください。
- エラーが発生するコード
- 使用しているエディタまたは IDE
- 使用している TypeScript のバージョン
このシナリオでは、Chakra UI
コンポーネントの型エイリアスを定義し、それを別のコンポーネントで使用します。しかし、コンポーネントの型が複雑になりすぎて、TypeScript コンパイラがエラーを出力します。
コード
// chakra-ui.d.ts
declare module 'chakra-ui' {
export interface ButtonProps extends React.HTMLAttributes<HTMLButtonElement> {
variant?: 'primary' | 'secondary' | 'ghost';
}
}
// app.tsx
import React from 'react';
import { Button } from 'chakra-ui';
type MyButtonProps = ButtonProps & {
label: string;
};
const MyButton: React.FC<MyButtonProps> = ({ variant, label, ...props }) => {
return (
<Button variant={variant} {...props}>
{label}
</Button>
);
};
export default function App() {
return (
<div>
<MyButton variant="primary" label="Primary Button" />
<MyButton variant="secondary" label="Secondary Button" />
</div>
);
}
エラー
error TS2590: Expression produces a union type that is too complex to represent.
解決策 1:型エイリアスを分割する
複雑な型エイリアスをより小さな型エイリアスに分割することで、エラーを解決できます。
// app.tsx
type ButtonVariant = 'primary' | 'secondary' | 'ghost';
type MyButtonBaseProps = React.HTMLAttributes<HTMLButtonElement>;
type MyButtonProps = MyButtonBaseProps & {
variant: ButtonVariant;
label: string;
};
// ... rest of the code remains the same
解決策 2:ジェネリック型を使用する
ジェネリック型を使用して、コンポーネントの型をより汎用的にすることができます。
// app.tsx
type ButtonVariant = 'primary' | 'secondary' | 'ghost';
const MyButton: <T extends ButtonVariant>(props: MyButtonProps<T>) => JSX.Element = ({ variant, label, ...props }) => {
return (
<Button variant={variant} {...props}>
{label}
</Button>
);
};
// ... rest of the code remains the same
ジェネリック型を使用している場合、型パラメーターの制約を緩和することで、エラーを解決できる場合があります。たとえば、次のようにすることができます。
function identity<T extends object>(value: T): T {
return value;
}
関数シグネチャを分割する
type User = {
id: number;
name: string;
email: string;
};
function createUser(id: number, name: string, email: string): User {
return { id, name, email };
}
function getUserById(id: number): User | null {
// ...
}
function getUserByEmail(email: string): User | null {
// ...
}
型推論を無効にする
特定の場所で型推論を無効にすることで、コンパイラがエラーを回避するのに役立つ場合があります。これを行うには、@ts-ignore
コメントを使用できます。たとえば、次のようにすることができます。
function greet(value: any): void {
// ...
}
// @ts-ignore
greet(123);
オプション型のプロパティを使用する
すべてのプロパティが必須ではない場合は、オプション型のプロパティを使用することで、型の複雑さを軽減できます。たとえば、次のようにすることができます。
type User = {
id: number;
name?: string;
email?: string;
};
unknown 型を使用する
型が不明な場合は、unknown
型を使用することができます。ただし、これは最後の手段としてのみ使用してください。unknown
型を使用すると、型安全性に関する多くの利点が失われます。
typescript