Node.jsでプロキシを作る
Node.jsでExpress.jsを使ってプロキシを構築する
Node.jsはサーバーサイドJavaScriptの実行環境です。Express.jsはNode.js用の軽量かつ柔軟なウェブフレームワークで、HTTPリクエストの処理やルーティング、ミドルウェアの統合などを簡素化します。
プロキシはネットワーク上のクライアントとサーバーの間で仲介するサーバーです。リクエストをリダイレクトしたり、キャッシュしたり、フィルタリングしたりする機能があります。
Express.jsでプロキシを作成する
Express.jsでは、http-proxy-middleware
というミドルウェアを使用することで、簡単にプロキシ機能を実装できます。
const express = require('express');
const proxy = require('http-proxy-middleware');
const app = express();
// プロキシの設定
app.use('/api', proxy({
target: 'http://your-target-server.com', // 対象サーバーのURL
changeOrigin: true // 対象サーバーのホストヘッダを変更する
}));
// 他のルートの設定
app.get('/', (req, res) => {
res.send('Hello, world!');
});
app.listen(3000, () => {
console.log('Server listening on port 3000');
});
コードの説明
- Express.jsアプリの作成
express()
を使用して、Express.jsアプリを作成します。 - http-proxy-middlewareのインポート
http-proxy-middleware
をインポートします。 - プロキシの設定
app.use()
を使って、/api
というパスにプロキシミドルウェアを適用します。proxy()
関数に対象サーバーのURLと、changeOrigin
オプションを設定します。 - 他のルートの設定
他のルート(例えば、/
)の設定を追加します。 - サーバーの起動
app.listen()
でサーバーを起動します。
このコードを実行すると
- 対象サーバーからレスポンスが返されると、Express.jsアプリはレスポンスをクライアントに返します。
- クライアントが
/api
というパスにリクエストを送ると、Express.jsアプリはhttp-proxy-middleware
を使ってリクエストをhttp://your-target-server.com
に転送します。
注意
changeOrigin
オプションは、対象サーバーのホストヘッダをクライアントに表示するかどうかを制御します。true
に設定すると、クライアントに表示されるホストヘッダはExpress.jsアプリのホストヘッダになります。- 対象サーバーのURLは実際のサーバーのURLに置き換えてください。
プロキシの活用例
- セキュリティ対策として、リクエストをフィルタリングしたり、キャッシュしたりする。
- ローカル開発環境でリモートサーバーのAPIをテストする。
- APIゲートウェイとして、複数のマイクロサービスを統合する。
コードの全体的な流れ
- ミドルウェアの導入
http-proxy-middleware
というミドルウェアを導入します。このミドルウェアは、リクエストを他のサーバーに転送する機能を提供します。 - プロキシの設定
app.use()
を使って、特定のパス(この例では/api
)にリクエストが来たときに、http-proxy-middleware
で設定したターゲットサーバーにリクエストを転送するように設定します。
コードの詳細な解説
const express = require('express');
const proxy = require('http-proxy-middleware');
const app = express();
// プロキシの設定
app.use('/api', proxy({
target: 'http://your-target-server.com', // 対象サーバーのURL
changeOrigin: true // 対象サーバーのホストヘッダを変更する
}));
// 他のルートの設定
app.get('/', (req, res) => {
res.send('Hello, world!');
});
app.listen(3000, () => {
console.log('Server listening on port 3000');
});
- http-proxy-middlewareのオプション
target
: リクエストを転送する先のURLを指定します。changeOrigin
:true
に設定すると、クライアントに表示されるホストヘッダが、対象サーバーのホストヘッダではなく、このプロキシサーバーのホストヘッダになります。
コードが実行されると...
- クライアントが
http://localhost:3000/api
にアクセスします。 - Express.jsアプリは、
/api
というパスにマッチするミドルウェアを探し、http-proxy-middleware
を見つけます。 http-proxy-middleware
は、リクエストをhttp://your-target-server.com
に転送します。- 対象サーバーからレスポンスが返ってくると、
http-proxy-middleware
はそれをクライアントに返します。
このコードの活用例
- ローカル開発環境
リモートサーバーのAPIをローカルで開発中に利用したい場合 - APIゲートウェイ
複数のマイクロサービスへのリクエストを一本化したい場合
- エラー処理
エラーが発生した場合の処理を記述することができます。 - カスタムロジック
http-proxy-middleware
は、リクエストやレスポンスをカスタマイズするためのイベントフックを提供しています。 - 複数のプロキシ設定
app.use()
を複数回呼び出すことで、複数のパスに対して異なるプロキシ設定を行うことができます。
このコードは、Express.jsを使って簡単なプロキシサーバーを作成する方法を示しています。http-proxy-middleware
を使うことで、非常に簡単にプロキシ機能を実装することができます。
より詳細な情報については、以下のドキュメントを参照してください
- WebSocketsに対応させたい
- 複数のプロキシを組み合わせたい
- エラーが発生したときの処理を追加したい
- 特定のヘッダーを書き換えたい
Node.jsでプロキシを作る、Express.js以外の方法
Express.jsはNode.jsでプロキシを作成する上で非常に人気のある選択肢ですが、他にもいくつかの方法があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるので、状況に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
http-proxy-middleware 以外のミドルウェア
- connect-proxy
Connectミドルウェアの一つで、Express.jsでも使用できます。より低レベルな制御が必要な場合に適しています。 - express-http-proxy
http-proxy-middleware
と同様にExpress.js用のミドルウェアですが、より細かい設定や機能を提供する場合があります。
httpモジュールを直接利用
Node.jsの組み込みモジュールであるhttp
モジュールを直接利用することで、より柔軟なプロキシサーバーを構築できます。ただし、自分でプロトコル処理などを実装する必要があり、開発コストが高くなる可能性があります。
専用のプロキシサーバーソフトウェア
- Apache HTTP Server
Webサーバーとして有名ですが、プロキシ機能も備えています。 - HAProxy
高性能なTCP/HTTPロードバランサーとして知られていますが、プロキシとしても利用できます。 - Nginx
高性能なリバースプロキシサーバーとして広く利用されています。静的ファイルの配信やロードバランシングなど、プロキシ以外にも様々な機能を提供します。
各方法の比較
node.js proxy express