JavaScriptでユーザー識別
JavaScriptでウェブサイト訪問者のコンピュータを識別する方法
前提
- ブラウザ
ユーザーがウェブサイトにアクセスするためのソフトウェア - Cookie
ウェブサイトがユーザーのコンピュータに保存する小さなテキストファイル - JavaScript
ウェブサイトに組み込まれたスクリプト言語 - ウェブサイト
訪問者を追跡したいウェブサイト
方法
-
Cookieの生成
- JavaScriptコードを使用して、ユニークな識別子(例えば、ランダムな文字列)を生成します。
- この識別子をCookieに保存し、ユーザーのブラウザに送信します。
-
Cookieの読み込み
-
識別子の使用
コード例
// Cookieの生成
function setCookie(name, value, days) {
var expires = "";
if (days) {
var d = new Date();
d.setTime(d.getTime() + (days * 24 * 60 * 60 * 1000));
expires = "expires=" + d.toUTCString();
}
document.cookie = name + "=" + value + expires + "; path=/";
}
// Cookieの読み込み
function getCookie(name) {
var cname = name + "=";
var dc = document.cookie;
if (dc.length > 0) {
var begin = dc.indexOf(cname);
if (begin >= 0) {
begin = begin + cname.length;
var end = dc.indexOf(";", begin);
if (end == -1) {
end = dc.length;
}
return dc.substring(begin, end);
}
}
return null;
}
// ユニークな識別子を生成し、Cookieに保存
var uniqueIdentifier = Math.random().toString(36).substr(2, 9);
setCookie("visitorId", uniqueIdentifier, 365); // 1年間有効なCookie
// 識別子を読み込み、使用
var visitorId = getCookie("visitorId");
console.log("Visitor ID:", visitorId);
注意
- プライバシー保護の観点から、Cookieの使用には注意が必要です。ユーザーの同意を得ることが重要です。
- ユーザーがCookieを削除またはブロックすると、識別子が失われ、追跡できなくなります。
- Cookieはブラウザごとに保存されるため、同じユーザーが異なるブラウザを使用すると、異なる識別子が生成されます。
JavaScriptコードの解説
Cookieの生成と読み込み
// Cookieの生成
function setCookie(name, value, days) {
var expires = "";
if (days) {
var d = new Date();
d.setTime(d.getTime() + (days * 24 * 60 * 60 * 1000));
expires = "expires=" + d.toUTCString();
}
document.cookie = name + "=" + value + expires + "; path=/";
}
// Cookieの読み込み
function getCookie(name) {
var cname = name + "=";
var dc = document.cookie;
if (dc.length > 0) {
var begin = dc.indexOf(cname);
if (begin >= 0) {
begin = begin + cname.length;
var end = dc.indexOf(";", begin);
if (end == -1) {
end = dc.length;
}
return dc.substring(begin, end);
}
}
return null;
}
- getCookie(name)
- Cookieを読み込む関数です。
name
: Cookieの名前- Cookieの値を返します。
- setCookie(name, value, days)
value
: Cookieの値days
: Cookieの有効期限(日数)- Cookieの有効期限を設定し、ブラウザに送信します。
ユニーク識別子の生成とCookieへの保存
// ユニークな識別子を生成し、Cookieに保存
var uniqueIdentifier = Math.random().toString(36).substr(2, 9);
setCookie("visitorId", uniqueIdentifier, 365); // 1年間有効なCookie
- setCookie("visitorId", uniqueIdentifier, 365)
- 生成した識別子を、名前が "visitorId"、有効期限が1年のCookieに保存します。
- substr(2, 9)
- 変換された文字列から、2番目の文字から9文字を取り出します。
- これにより、ユニークな識別子が生成されます。
- toString(36)
- ランダムな数を36進数に変換します。
- Math.random()
- 0から1の間のランダムな浮動小数点数を生成します。
識別子の読み込みと使用
// 識別子を読み込み、使用
var visitorId = getCookie("visitorId");
console.log("Visitor ID:", visitorId);
- console.log("Visitor ID:", visitorId)
- 読み込んだ識別子を表示します。
- getCookie("visitorId")
- "visitorId"という名前のCookieを読み込みます。
JavaScriptでのユーザー識別の代替方法
JavaScriptでユーザーを識別する方法は、Cookie以外にもいくつか存在します
ローカルストレージ:
- しかし、ユーザーがブラウザのデータをクリアすると、ローカルストレージに保存された情報も削除されます。
- ブラウザにデータを保存する機能です。Cookieよりも大きなデータを保存でき、有効期限を設定することも可能です。
// ローカルストレージにデータを保存
localStorage.setItem("visitorId", uniqueIdentifier);
// ローカルストレージからデータを読み込む
var visitorId = localStorage.getItem("visitorId");
セッションストレージ:
- 一時的な情報を保存するのに適しています。
- ブラウザのセッション中にデータを保存する機能です。ブラウザを閉じると、セッションストレージに保存された情報は削除されます。
// セッションストレージにデータを保存
sessionStorage.setItem("visitorId", uniqueIdentifier);
// セッションストレージからデータを読み込む
var visitorId = sessionStorage.getItem("visitorId");
デバイスフィンガープリンティング:
- しかし、プライバシー保護の観点から、デバイスフィンガープリンティングの使用には注意が必要です。
- ブラウザのバージョン、プラグイン、スクリーン解像度、タイムゾーンなどの情報を組み合わせます。
- ユーザーのブラウザやデバイスに関する情報を収集し、ユニークな識別子を作成する手法です。
サーバーサイドの識別:
- サーバーサイドの識別は、クライアントサイドの識別よりも信頼性が高く、プライバシー保護の観点からも優れています。
- サーバーサイドでユーザーを識別する方法です。例えば、サーバーにセッション情報を保存し、ユーザーがウェブサイトにアクセスするたびにセッションIDをブラウザに送信します。
これらの方法は、それぞれ長所と短所があります。適切な方法を選択する際には、以下の要素を考慮する必要があります
- ブラウザサポート
使用する方法がすべてのブラウザでサポートされていることを確認する必要があります。 - 有効期限
識別子の有効期限を適切に設定する必要があります。 - 信頼性
識別子が正確かつ信頼できるものである必要があります。 - プライバシー保護
ユーザーのプライバシーを侵害しない方法を選択する必要があります。
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